監督:クリス・モーカーベル
2013年10月1日、ニューヨークのとある壁に「GRAFFITY IS A CRIME」の標識の中のスプレー缶を手に取ろうとする少年の姿が描かれる。脇に書かれた番号に電話すると無料通話でオーディオガイドを聞くことができた。正体不明、謎のストリートアーティスト、バンクシーがニューヨークで展示をスタートさせたのだった。1ヶ月間、毎日1点ニューヨークのどこかに作品を残し、場所を明かさずに公式サイトに投稿。人々は、Twitter、Instagram、Facebookなどを駆使して作品を探してニューヨークを駆け回る。
本作は、1ヶ月31作品と、それを追う人々を描いたドキュメンタリー。
壁に描かれた絵を消す者もいれば、脇に書き足す者もいる。中には、アクリル板で保護するビルのオーナーも。なので、オリジナルの作品を見られるかどうかは、時間との勝負。
作品は、壁に描かれる絵だけではない。10月13日には、セントラルパークの路上で土産物屋風に1枚60ドルで販売された。その後の評価額は、25万ドル! 10月22日には、大型商業施設建設のため整地予定の場所に廃材で作られたスフィンクスが登場する。整地に伴い廃業予定の自動車修理工場の男たちが持ち去って転売する。最後の31日には、風船で描かれたBANKSYの文字を盗もうとする男たち。風船が押収されるという幕切れ。
私が一番気に入ったのは、10月11日に町を走り回ったトラック。牛や豚や鶏など家畜のぬいぐるみが顔を出し、悲痛な泣き声も聴こえてくる。ときどき精肉店の前で停まるという憎い演出!
バンクシーの名前は初めて耳にしたが、プレス資料に、「ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区の分離壁に、イスラエル軍から威嚇砲弾されながら描いたり、仏カレーの難民キャンプにシリア移民の父を持つ故スティーブ・ジョブズを描くなど、つねに作品で問題提起」とあり、俄然興味を持った。調べてみたら、2005年、パレスチナの分離壁に描いた絵のうち2点は、かつて見て印象に深く残っているものだった。
最近も、2014年7月のイスラエルによるガザ侵攻でパレスチナ人の家屋が多数瓦礫と化したことを受けて作品を残している。バンクシーの今後の活動に興味津々。
バンクシーの正体は謎のままだが、本作では、毎日出没する作品を追いかける熱狂的なファンたちの姿や、それを取材する人たちが映し出されて、人間模様も楽しい。(咲)
★映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』の公開を記念して、2011年のバンクシー自身による監督作品『バンクシーの世界お騒がせ人間図鑑』が期間限定無料配信されます。
無料配信の上映時間は、キャンペーンツイートのRT数で決定!
2,000RT達成で全編を無料で!
RTキャンペーン期間:2016年3月18日(金)〜4月7日(木)正午
動画配信期間:2016年4月8日(金)15:00〜4月14日(木)15:00
2014年/アメリカ/81分/カラー/16:9/DCP
配給:アップリンク
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/banksydoesny/
★2016年3月26日 (土)渋谷シネクイント、4月2日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開


