2018年03月25日

大英博物館プレゼンツ 北斎(British Museum Presents: Hokusai)

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監督:パトリシア・ウィートリー
ナレーション:アンディ・サーキス
出演:デビッド・ホックニー、ティム・クラーク

2017年5〜8月に大英博物館で開催された展覧会「Hokusai: Beyond the Great Wave」のドキュメンタリー映画。有名な作品を間近で見られるのはもちろん、その展覧会の舞台裏や北斎の研究者、北斎ファンの芸術家たちのコメントも多数。

江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎、真実にせまろうという作品です。一度見たら忘れられない強い印象を残す作品はどう生み出されてきたのでしょう?
特に60代から亡くなる90代まで精力的に書き続けた北斎の肉筆画を中心に紹介します。天才にしてかつ努力の人だった北斎は、東西問わ芸術家たちに多大な影響を与えました。大英博物館の展覧会は大行列だったそうです。行列が苦手なもので、スクリーンで細部まで観られて感激でした。
北斎の絵を観たくなった方は墨田区の“すみだ北斎美術館”、信州小布施の“北斎館”などへ足をのばしてみてはいかがでしょう?
北斎の娘お栄を主人公にした原恵一監督のアニメーション『百日紅〜Miss HOKUSAI〜』(2015年)が、北斎のようすを伝えて面白く、おすすめです。(白)


2017年/イギリス/カラー/シネスコ/87分
配給:東北新社
Documentary film and guide to exhibition film (C)British Museum
BIG COMIC Manga images in documentary (C)Shogakukan
http://hokusai-movie.jp/
★2018年3月24日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 20:23| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月24日

BPM ビート・パー・ミニット 原題:120 Battements Par Minute

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監督・脚本:ロバン・カンピヨ
共同脚本:フィリップ•マンジョ
出演:ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート、アルノー・ヴァロワ、アデル・エネル

1990年代初頭のパリ。“HIV/エイズ”が目に見えない形で広がり、政府も製薬業界も対策を講じない中、HIV感染者への偏見や差別が横行していた。そんな中、「ACT UP Paris」のメンバーたちはエイズ患者やHIV感染者への差別に対して、正しい知識を啓蒙するデモ行進、政府や製薬会社への抗議、高校での性教育など、さまざまな活動を行っていた。
新たなメンバーとして参加したナタンは、グループのカリスマ的存在で、積極的に行動するショーンに惹かれていく。ある日、女性学生にコンドームを渡そうとして「ゲイじゃないから」と差別的な言葉を浴びせられ、とっさにショーンはナタンにキスをする。それをきっかけに二人の距離は縮まるが、ショーンはHIV陽性で、やがて病魔が彼を襲う・・・

エイズへの偏見がはびこる中、社会や政府に向けて、啓蒙・抗議活動を精力的に繰り広げる若者たちの姿が眩しい。自身も感染している者にとっては、まさに命をかけての闘い。
『パリ20区、僕たちのクラス』などの脚本家ロバン・カンピヨが監督・脚本を手がけ、エイズ活動家団体ACT UPのメンバーだった自身の経験をもとに描いた若者たちのピュアな姿。
エイズの恐怖が世界を駆け抜けたのは、もう30年程前。当時の差別的雰囲気もよく覚えている。今や、あまり話題にならなくなったけど、決してエイズ対策が完璧になされているわけではないだろう。エイズだけでなく、様々なことに疑問や不安があっても、今、声高に抗議の声をあげる者も少なくなったように思う。この映画は、「立ち上がる勇気」を教えてくれる。 最後の強烈な抗議行動は、ちょっと真似してほしくないけれど、痛快!(咲)


2017年・第70回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞

2017年/フランス/フランス語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/143分
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:http://bpm-movie.jp/
★2018年3月24日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロ スペースほかにて全国ロードショー



posted by sakiko at 11:40| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月18日

ボス・ベイビー(原題:The Boss Baby)

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監督:トム・マクグラス
脚本:マイケル・マッカラーズ
音楽:スティーブ・マッツァーロ、ハンス・ジマー
声の出演:アレック・ボールドウィン/ムロツヨシ(ボス・ベイビー)、マイルズ・バクシ/芳根京子(ティム)、ジミー・キンメル/石田明(パパ)、リサ・クドロー/乙葉(ママ)、スティーヴ・ブシェミ/山寺宏一(フランシス・フランシス)、トビー・マクガイア/宮野真守(大人になったティム)

ティムは6歳。パパとママの愛情を独占して幸せな毎日を過ごしていた。そう、ベイビーが来るまでは・・・。
タクシーから降り立ったママの腕に抱かれていたのは、ベビー服でなく黒いスーツを着たあかちゃんだった。パパとママはそんなこと少しも疑問に思わず、わがままなベイビーにかかりきり。ティムが寝る前のお楽しみの時間はもうなくなってしまった。眠れないティムは、夜中にベイビーが電話で誰かと話すのを聞いて、正体を知ってしまう。ティムがパパとママにおかしいと訴えても話は聞いてもらえず、近所のベイビー軍団に散々な目に遭う。彼らも仲間だった。ティムはベイビーたちの任務が終わるまで、協力することをしぶしぶ承諾した。さて・・・。

マーラ・フレイジーの絵本「あかちゃん社長がやってきた」(講談社から2012年に翻訳絵本が出ています)をもとにしています。ユニバーサル・スタジオとドリームワークス・アニメーションが初タッグを組んだ作品+『マダガスカル』シリーズのトム・マクグラス監督ときたら面白くないわけがありません。予告篇でおわかりのように、あかちゃんが表情豊かで(特に口元)、もうたまらなく可愛いです!可愛い見た目なのに、中味がおっさんというギャップ!!あるところから「任務」のために派遣された中間管理職でした。
どれだけ研究したのかと思うほど、あかちゃんたちのしぐさがリアルです(そうそうこんなことしていたんだった、とすっかりおっさんになった息子たちの可愛かった日々を思い出しました)。
初めは敵視していたティムがベイビーと良きチームとなるのも、それには共通の目的があるにしろ、実際の兄弟の仲を見るようでほほえましいです。
ムビチケカードには「ぷにぷにストラップ」がついていたそうで(すでに在庫ゼロ)買わなかったのが惜しまれます。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/97分
配給:東宝東和
(C)2016 Dreamworks Animation LLC. All Rights Reserved.
http://bossbaby.jp/
★2018年3月21日(水・祝)ロードショー
posted by shiraishi at 18:20| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラッキー(原題:Lucky)

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監督:ジョン・キャロル・リンチ
脚本:ローガン・スパークス
撮影:ティム・サーステッド
出演:ハリー・ディーン・スタントン(ラッキー)、デビッド・リンチ(ハワード)、ロン・リビングストン(ボビー・ローレンス)

90歳のラッキーは、神も信じずにこれまで生きてきた気難しい現実主義者。砂漠の広がる小さい町できままな1人暮らしをしている。ラッキーの毎日はいつも同じ。体操をして、外に出かけ、馴染みの店でコーヒーを飲み、新聞のクロスワードを解き、夜はバーでいつも同じ酒を注文する。そんな日常がいつまでも続かない、と気づいたのは、ある日倒れて病院にかつぎこまれてから。

『パリ、テキサス』『ツイン・ピークス』で知られるハリー・ディーン・スタントン、あて書きされて主演し遺作となった作品。2017年9月に逝去したのを知っているので、余計にしみてきました。町の人たちとかわす何気ない言葉の中に、日々忍び寄ってくる老いと、誰もが行き着く最期のときが見え隠れします。ペットの亀がいなくなった、と嘆くバーの馴染み客に盟友のデビッド・リンチ監督。最初と最後にその亀がゆっくりと登場していますので、お見逃しのないように。ジョン・キャロル・リンチが初メガホンをとりました。
試写が終わったら知り合いのライターさんが「今年のベストテンにもう入った」と一言。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/88分
配給:アップリンク
(C)2016 FILM TROOPE, LLC All Rights Reserved
http://donten-movie.jp/
★2018年3月17日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 17:30| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ニワトリ★スター

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監督:かなた狼
原作:たなか雄一狼
脚本:いながききよたか、かなた狼
音楽:かなた狼
出演:井浦新(雨屋草太)、成田凌(星野楽人)、紗羅マリー(知花月海)、阿部亮平(爬部井学)、LiLiCo(管理人)、津田寛治(八田清)

2008年、東京の片隅の奇妙なアパートでだらだらと毎日を暮らす草太と楽人。30代半ばの草太は東京に出てきたときの気持ちなどはるか遠くへ行ってしまい、今や1階のバーのアルバイトと大麻の売り上げがたよりだ。20代の楽人(らくと)は真っ赤な髪に身体にはタトゥー、名前のとおり天真爛漫。草太を兄のように慕い、覚せい剤中毒のシングルマザー月海に恋している。風変わりな隣人たちとの毎日はそれなりに楽しかったが、ある日大麻の元締めである“組の方”に目を付けられてしまった。暴力思わぬ事件に巻き込まれる草太と楽人…。

一体何が起きるのだろうと目が丸くなる導入部。いまや現実がフィクションを越えてしまっているというかなた狼監督が、映画のコンプライアンスなど振り切って作りあげた初監督作品。過激な暴力場面はアニメに落とし込まれています。アニメーション監督は『ベルヴィル・ランデヴー』を手がけたアレクシー・ネチタイロ。
かなた監督とは10年前くらいに音楽を通じて知り合った井浦新さん、それ以来作品が出来上がるまでの過程をずっと観てきたそうです。そして約束どおりに草太として主演。
「この役は僕にしかできません!」と監督に猛アピールしたという成田凌さんは、奔放だけれど純粋な楽人を渾身で演じています。それがすごく可愛くてファンならずとも心わしづかみされるでしょう。この2人が様々な体験を経ていく道のりにいつか感情移入してしまいました。アパートの管理人役のLiLiCoさん、怖いヤクザの津田寛治さんに熱演賞。
生きているといろいろあるけれど、人間に大事なものはいつもシンプルで変わらない、とメッセージが伝わります。熱量MAXのこの作品、ジャンルはバイオレンス・ラブ・ファンタジー?!(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/135分
配給:マジックアワー
(C)映画「ニワトリ★スター」製作委員会
http://niwatoristar.com/
★2018年3月17日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 17:08| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする