2017年10月22日

ブレードランナー 2049(原題:Blade Runner 2049)

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監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン
撮影:ロジャー・ディーキンス
プロダクションデザイン:デニス・ガスナー
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ、ハンス・ジマー
出演:ライアン・ゴズリング(K)、ハリソン・フォード(リック・デッカード)、アナ・デ・アルマス(ジョイ)、シルビア・ホークス(ラヴ)、ロビン・ライト(ジョシ)、ウォレス(ジャレッド・レト)

2049年、世界には病気と貧困が蔓延していた。荒廃したカリフォルニアで、Kは標的の旧型レプリカントを追い詰めていた。旧型すでに製造停止になり、危険とみなされてKのような専門の捜査官“ブレードランナー”により排除されている。現在はより従順で労働力として最適な、多くの新型レプリカントをウォレス社が開発していた。Kは事件を捜査中に重大な秘密を知ってしまい、その鍵を握る人物を探す。そして30年前レプリカントと共に姿を消したブレードランナーのデッカードにたどりつく。

『ブレードランナー』(1982)の35年ぶりの続編。あの独特の世界観を構築したリドリー・スコット監督は、本作では製作総指揮。メガホンをとったのは『灼熱の魂』(2010)、『プリズナーズ』(2013)、『ボーダーライン』(2015)、『メッセージ』(2016)とヒットが続いているドゥニ・ヴィルヌーヴ。前作へのリスペクトが様々なシーンに埋め込まれています。見直した方がより楽しめるでしょう。
プロダクションデザイナーは007シリーズを手掛け、ディズニーの『イントゥ・ザ・ウッズ』も記憶に残っているデニス・ガスナー。「おお〜!」というシーンが何度もあります。あの雨そぼ降る街角に立ってみたい。
ライアン・ゴズリングが人間とレプリカントの間でゆれるKを演じ、過酷な日を送る彼の癒しとなるジョイを、キューバ出身のアナ・デ・アルマス。印象的な顔立ちにイーライ・ロス監督の『ノック・ノック』でキアヌ・リーブスを誘惑していた一人だったのを思い出しました。女優さんが男優さんと互角に渡り合い活躍しています。(白)


2017年/アメリカ/カラー//163分
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
http://www.bladerunner2049.jp/
★2017年10月27日(金)よりロードショー

【来日記者会見をLIVE配信】
10月23日(月)AM10:30スタート(予定)
『#ブレードランナー2049』公式Twitterならびにfacebookにてそれぞれライブ配信
登壇者:ハリソン・フォード、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、シルヴィア・ホークス、アナ・デ・アルマス
posted by shiraishi at 19:23| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エンドレス・ポエトリー   原題:Poesia Sin Fin

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監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
撮影: クリストファー・ドイル
出演:アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・ターブ、イェレミアス・ハースコヴィッツ

ホドロフスキー一家は、チリ北部の故郷トコピージャから、船で首都サンティアゴへ向かう。娼婦や怪しい薬を売る男たちがうずめく労働者の街マトゥカナ通りに店を構えたアレハンドロの父ハイメ。万引き客に容赦なく暴行を加える父に怯える中、アレハンドロはスペインの詩人ガルシア・ロルカの詩集に出会う。父は生物学の本を読んで医者になれと罵倒するが、集まる親族の前で医学の道には進まず詩人になると宣言する。そんなアレハンドロを従兄弟のリカルドは芸術家姉妹の家に案内する。ダンサー、画家、ピアニストなどが共に暮らしていて、アレハンドロも詩を披露しながら充実の時を過ごす。
ニカノール・バラの詩集に惹かれたアレハンドロは、詩に出てくる「毒蛇女」のような女との出会いを期待して、詩人が集う店「カフェ・イリス」に向かう。そこで、まさに毒蛇女のモデルである詩人ステラと出会い、彼女と結ばれるが、徐々に詩作に割く時間が減っていく。そんな矢先、従兄弟のリカルドが首吊り自殺した場面をみてしまう。親の思う人生を命を絶ってまで拒否したリカルドを見て、自分の人生を考え直すアレハンドロ・・・

アレハンドロが少年時代と決別し、詩人として生きる決意をして、パリに旅立つまでを描いた物語。ホドロフスキー監督自身が体験したことを、映画という芸術作品として再現。サンチャゴでは実際に住んでいたマトゥカナ通りで撮影しています。

1929年、ロシア系ユダヤ人の子どもとして生まれたアレハンドロ・ホドロフスキー監督。
前作『リアリティのダンス』では、生まれ育ったチリ北部ボリビア国境近くのトコビージャでの日々が綴られています。
本作は、その続編。ホドロフスキー監督は、今後も、パリ時代、メキシコ時代、そしてパリに戻って、45歳年下の妻パスカルとの出会いを描きたいと意欲的に語っています。

『リアリティのダンス』の続きが観たい!という多くのファンの願いを実現しようと立ち上がった一人が、アップリンク代表の浅井隆氏。
めくるめくホドロフスキーの世界を、また世に送り出してくださったことに感謝です。(咲)



<アレハンドロ・ホドロフスキー監督からのメッセージ>

私はもう88歳で、死にかけている。
間もなく肉体は滅びる。

私は映画で、多くの観客を惑わせるのではなく、自覚させたい。
芸術は人に向かって扉を開き、その中に人は自己を見出す。

私たちは檻にとらわれて多くの物に惑わされる。
だが、意識には名前も、年齢も、国籍も、性別もない。
自由を望めば自由になれるんだ。

映画館のスクリーンの前で意識を覚醒してほしい。
芸術の言葉を受け取ってほしい。
――アレハンドロ・ホドロフスキー

下記、アツコバルーの会場で監督のメッセージ動画の完全版を観ることができます。

◆映画『エンドレス・ポエトリー』公開記念 特別企画
ホドロフスキーと妻パスカルの共作ドローイング展示

会期:2017年10月14日(土)〜11月5日(日)
水〜土曜 14:00-20:00/日、月曜 11:00-18:00/火曜休

会場:アツコバルー arts drinks talk
東京都渋谷区松濤1-29-1 5F TEL.03-6427-8048
http://l-amusee.com/atsukobarouh/
料金:500円

◆第30回 東京国際映画祭 特別招待作品
『エンドレス・ポエトリー』上映後Q&Aに
主演で音楽も手掛けるホドロフスキーの息子アダン・ホドロフスキー登壇!
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日時:2017年10月26日(木)11:35開場/12:05開映/14:45終了 
会場: EXシアター六本木

2016年/フランス・チリ・日本/128分/スペイン語/1:1.85/5.1ch/DCP
配給:アップリンク
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/endless/
★2017年11月18日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開



posted by sakiko at 16:06| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者   原題:NERUDA

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監督:パブロ・ラライン
出演:ルイス・ニェッコ、メルセデス・モラーン、ガエル・ガルシア・ベルナル

1971年にノーベル文学賞を受賞したチリの国民的詩人パブロ・ネルーダ。
本作は、1948年、ビデラ政権によってチリで共産党が非合法とされ、共産党員だったネルーダが国外逃亡を余儀なくされた時代を描いた物語。

第二次世界大戦終結から3年。上院議員のネルーダが、共産党を裏切った政府を批判したことから、ビデラ大統領は警察官ペルショノーに、ネルーダの逮捕を命じる。ネルーダは妻で画家のアルゼンチン女性デリア・デル・カリルと共に亡命を試みるが失敗し、国内で身を潜める。追われる中で、代表作となる詩集「大いなる歌」を綴る。欧州では、パブロ・ピカソ率いるアーティストたちが詩人ネルーダの自由を訴えていた。
逃亡生活中にもネルーダは酒場に繰り出し、追っ手が近づくと姿をくらましていた。
いよいよ国を出る手はずが整い、ネルーダはチリ南部の山奥をマプチェ族に助けられながら馬で進む・・・

追う側の警察官ペルショノーが、詩人としてのネルーダに徐々に惹かれていく姿や、追いかける中で亡くなったペルショノーを手厚く葬るネルーダに、二人の不思議な関係を見て取れました。圧倒的なチリの大自然にも目を奪われました。
ネルーダの存在感を体現したチリの人気コメディアン俳優ルイス・ニェッコもなかなかなのですが、なんといっても、徐々にネルーダに傾倒していく警察官ペルショノーの思いを静かに演じたガエル・ガルシア・ベルナルが光ります。

冒頭、男ばかりの集会でネルーダがアラビアのロレンスに扮して、詩について熱く語る場面。立派な部屋の壁際に男性用便器が並んでいて、酒に酔った男たちが時折、用を足していて、この部屋って一体????  宴会場なのか大きな立派なトイレなのかと。
その後は、警察官役ガエル・ガルシア・ベルナルの心地よい語りで物語は進むのですが、最初に観た光景の不思議さがずっと後を引きました。

ネルーダは、1934年に外交官として赴任したスペインで内戦を目の当たりにしています。友人となった詩人ガルシア・ロルカがフランコ派のファシストに暗殺されたことが、その後の共産党への入党に繋がったようです。
『エンドレス・ポエトリー』が11月18日に公開されるアレハンドロ・ホドロフスキー監督もチリの出身。やはりスペインの詩人ガルシア・ロルカに影響を受けたそうで、ロルカが海を越えて多くの人に愛されたのを感じます。(咲)



2016年/チリ・アルゼンチン・フランス・スペイン/108分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
配給:東北新社 / STAR CHANNEL MOVIES
後援:チリ大使館 / セルバンテス文化センター東京
公式サイト:http://www.neruda-movie.jp/
★2017年11月11日(土)より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー





posted by sakiko at 16:00| Comment(0) | チリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

KOKORO

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監督:ヴァンニャ・ダルカンタラ
出演:イザベル・カレ、國村隼、安藤政信、門脇麦

フランス。アリスは、夫の仕事も順調で何不自由ない暮らしをしている。ある夜、夫に誘われ気の乗らないパーティに行くが、途中で抜けて一人で家に帰ると、笑い声が聞こえてくる。長らく不在にしていた弟ナタンが日本から帰ってきて、子どもたちと戯れていた。腕に「久美子」の入れ墨をした弟は、ダイスケという人物に出会って、生きる意味を教わった、日本にまた戻るので一緒に行こうという。姉の満ち足りてない心を察しての誘いだったが、家庭があるからとアリスは断ってしまう。
数日後、バイクに乗っていた弟が交通事故に巻き込まれ、亡くなってしまう。遺留品のナップザックの中に、日本人の恋人・久美子との幸せそうなツーショットを見つけたアリスは、日本で何が弟の人生を変えたのかを探りに旅立つ。
久美子を訪ねあて、弟と出会った離島の崖のそばで、自殺志願者に声をかけて思い留ませるダイスケという元警察官のことを聞かされる。アリスは、ダイスケの見守る崖に向かう・・・

ベルギーの女性監督ヴァンニャ・ダルカンタラが、日本を舞台に描いた心の再生の物語。外国人が日本で撮影すると、こんな風になるのかと興味深い。美しい風景とともに、都会の雑踏も捉えている。圧倒的な大自然を前に、心静かに人生を振り返り、何人もの人に自殺を思いとどまらせたダイスケと接することで、あらたな一歩を踏み出すアリスに寄り添った物語。なんともいえない不思議な余韻。ただ、ダイスケを演じる國村隼さんも、島の女子高校生を演じる門脇麦さんも、英語がとても流暢で、ちょっと違和感。
自殺名所の絶壁というと、真っ先に思い浮かぶのが東尋坊。本作では、各地を巡った結果、島根県隠岐の知夫里島(ちぶりじま)の知夫赤壁(ちぶせきへき、ちぶりせきへき)を撮影地に選んだとのこと。一般には赤壁(あかかべ)と呼ばれているところで、30年以上前に一度訪れたことがあるが、まさに絶景。まだまだ生きていたいと思わせてくれる壮大な光景!(咲)


2016年/ベルギー・フランス・カナダ/95分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
配給:ブースタープロジェクト
公式サイト:http://www.kokoro-movie.jp/
★2017年11月4日(土)渋谷ユーロスペースほか全国順次公開



posted by sakiko at 15:57| Comment(0) | ベルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ゴッホ 最期の手紙   原題:LOVING VINCENT 

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監督・脚本:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン 
出演:ダグラス・ブース、ジェローム・フリン、ロベルト・グラチーク、ヘレン・マックロリー、クリス・オダウド、シアーシャ・ローナン、ジョン・セッションズ、エレノア・トムリンソン、エイダン・ターナー

南仏、アルル。青年アルマン・ルーランは、郵便配達人の父、ジョゼフ・ルーランから1通の手紙をパリに届けるよう託される。それは、父が親しくしていた友人で、1年ほど前に自殺したオランダ人の画家、フィンセント・ファン・ゴッホが弟・テオに宛てて書いたまま出し忘れていたもの。
耳を切り落として精神病院へ送られた外国人の画家であるゴッホを、アルルの人たちは疎ましく思っていた。彼を知る警官によれば、ゴッホが病んだのは、彼が画家たちの宿にしたいと願った“黄色い家”に友人のゴーギャンが来たことが原因だという。友人ゴッホへの父の思いに応えようと、アルマンは手紙を携えパリに向かう。そこで知る弟テオの運命・・・

誰もがきっと見たことのあるゴッホが油絵で描いた人物たちが動く!
こってりとした油絵そのままが、動く!
観ているうちに、くらくら。
船酔い注意です。
絵に描かれた人物を、どうやって動かしたのかは、ぜひ公式サイトで確認を!

生きている間には、たった1枚しか売れなかったという不遇なゴッホ。
2017年7月にSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映された『中国のゴッホ』では、中国のある町の一画でゴッホの複製画が多くの人の手によって大量に「生産」されている様が描かれていた。その絵を買い付けているオランダの画商に招かれてゴッホゆかりのオランダの町を訪ねた現代のゴッホたちが見たのは、土産屋で売られている自分たちの描いた絵。手ごろな値段で売られている複製画を観光客たちが記念に買っていく。なんという皮肉でしょう。(咲)


2017年/イギリス・ポーランド/96分/カラー
提供:パルコ、NHKエンタープライズ、カルタクリエイティブ 
配給:パルコ  宣伝:太秦 
協力:TOKYO FM、ファン・ゴッホ美術館
公式サイト:http://www.gogh-movie.jp
★2017年11月3日(祝・金) TOHOシネマズ六本木ヒルズ ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 15:53| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする