2017年07月02日

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊(原題:Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales)

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監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:ジェフ・ナサンソン
撮影:ポール・キャメロン
音楽:ジェフ・ザネリ
出演:ジョニー・デップ(ジャック・スパロウ)、ハビエル・バルデム(サラザール)、ブレントン・スウェイツ(ヘンリー・ターナー)、カヤ・スコデラーリオ(カリーナ・スミス)、ケビン・R・マクナリー(ギブス)、ジェフリー・ラッシュ(ヘクター・バルボッサ)、オーランド・ブルーム(ウィル・ターナー)、キーラ・ナイトレイ(エリザベス・スワン)
日本語吹き替え:栗山千明、中川大志

ヘンリー少年は、幽霊船に閉じ込められている父に会うために荒れた海に漕ぎ出した。ヘンリーの父は、かつてジャック・スパロウの盟友だったウィル・ターナー。呪いによって10年に一度しか海の上に出られず、初めて父と子が対面した。ヘンリーは10年後の再会までに父の呪いを解くため、あらゆる文献を調べ上げる。そのカギとなるのは伝説の秘宝「ポセイドンの槍」とわかった。そのありかを知るには、伝説の海賊ジャック・スパロウの持つコンパスが必要だった。
英国軍の水兵となったヘンリーは、魔の三角海域で“海の死神”サラザールに出くわし、乗員は皆殺しに遭ってしまう。サラザールはヘンリーだけは生かし、ジャック・スパロウへの言伝を頼む。船は遭難し、ヘンリーは流れ着いた島で魔女裁判にかけられた天文学者のカリーナに出会う。彼女は生き別れた父の残したガリレオ・ガリレイの日記の謎を研究していた。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ第5弾。最新作で最後の作品となるようです。2003年の『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊』から14年。ジャック・スパロウはちっとも年を取っていないように見えますが、ウィルとエリザベスの息子はいつのまにか青年になっていました。ヘンリー役のブレントン・スウェイツ(『キング・オブ・エジプト』主役)、天文学者カリーナ役のカヤ・スコデラーリオ(『メイズ』のヒロイン)、二人とも20代の若手ですが、すでにお子さんもいるのだそうです。
シリーズでは毎回強敵が現れますが、今回のサラザールは海賊を狩る“海の処刑人”、ジャック・スパロウのために魔の三角海域に閉じ込められまさに「恨み骨髄に徹す」で、恐ろしい姿になってしまった男です。ハビエル・バルデムの大き目のお顔がひび割れて迫力満点の凄い形相で、たとえ明るいところでも遭いたくない…。さぞメイクに時間がかかったことでしょう。シリーズを通じての宿敵といえばバルボッサ、彼の語られなかった部分が今回明らかになり、ちょっと泣かせるいいお話が詰め込まれていました。
どんなに大変な状況に陥っても、全く慌てず飄々としているスパロウ、父親ティーグがキース・リチャーズ(ワールド・エンドに出演)、叔父ジャックがポール・マッカートニー(本作!)と大物揃いなのですから、な〜るほどと納得してしまいました。大立ち回りや手の込んだしかけや美術など、目を楽しませる要素もたくさん。ヒットシリーズの締めくくりを見届けてくださいませ。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/129分
配給:ディズニー
(C)2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
http://www.disney.co.jp/movie/pirates.html
★2017年7月1日(土)より全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:11| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

裁き  原題:Court

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監督:チャイタニヤ・タームハネー
出演:ヴィーラー・サーティダル、ヴィヴェーク・ゴーンバル

インド、ムンバイ。アパートの一室で子どもたちに勉強を教え終え、広場での「ワドガオン虐殺抗議集会」に急ぐ初老の男。民衆詩人カンブレだ。特設舞台に立ち、カースト、民族、宗教等々、我々は差別の森にいると力強く歌っている途中で、警察に連行される。マンホール内で下水清掃人の死体が見つかり、カンブレの扇動的な歌が自殺を促したという容疑だった。
下級栽培所で裁判が始まる。
人権擁護派の若手弁護人は、それなりに背景を探る。中年の女性検察官は有罪と決め付け、裁判よりも今夜の献立の事で頭がいっぱい。裁判官は、もうすぐやってくる1ヵ月の休暇が待ち遠しく、さっさと決着をつけたい・・・

裁判は、最初マラーティー語で質疑応答が行われていたのに、途中で英語かヒンディー語でと指示が出て、マラーティー語しかわからない被告のカンブレは困ってしまいます。多言語国家インドならではの光景。
*注 マラーティー語:インド西部のマハーラーシュートラ州の公用語。州都ムンバイ(ボンベイ)で作られる、いわゆるボリウッド映画は主としてヒンディー語(インド全体の連邦公用語)で作られている。また、英語は準公用語。

『court』という原題から、法廷での場面が続くのかと思ったら、物語は被告人、弁護人、検察官、裁判官の法廷外の日常を映し出していきます。弁護人が訪ねていく死んだ下水清掃人の遺族の住むアパートは狭苦しく、人々も貧しい身なり。女性検察官の住まいは、中流らしく、そこそこの広さ。裁判官は瀟洒な豪邸に住んでいて、貧富の差の激しさを見せつけてくれます。カーストの壁が立ちはだかって、職業も好きに選べないインド。被告人カンブレにいたっては、そのカーストの外に位置づけられる不可触民。こぶしを挙げて、声高らかに歌うカンブレの姿がやるせない。(咲)


2015年のアジアフォーカス福岡国際映画祭上映作品。

2014年/インド/カラー/2.35:1/マラーティー語、ヒンディー語、英語、グジャラート語/116分
配給:トレノバ
公式サイト:http://sabaki-movie.com/
★2017年7月8日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 09:06| Comment(0) | TrackBack(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ボンジュール、アン  原題:Paris Can Wait

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監督・脚本:エレノア・コッポラ
出演:ダイアン・レイン、アルノー・ヴィアール、アレック・ボールドウィン

アン(ダイアン・レイン)は映画プロデューサーの夫マイケル(アレック・ボールドウィン)と共にカンヌ映画祭に来たが、夫は製作費が安いブルガリアでの撮影があるからと、カンヌでバカンスを楽しむこともなく空港に向かう。アンもパリに飛行機で移動するつもりで一緒に空港に来たが、気分が悪くなり、空港に車で送ってくれた夫の仕事仲間のフランス男ジャック(アルノー・ヴィアール)と共に車でパリに向かうことにする。パリまでは7時間。だが、ジャックはまずは美味しいランチをとアンを誘う。そして、水道橋や古城と、美しいフランスの名所旧跡に寄り道し、あげく、今日中にパリに帰ることはない、ゆっくり泊まっていこうというジャック。仕事一辺倒で話を聞いてくれない夫と違って、話し上手で、聞き上手のジャックに、子育ても終わり、これから何をしたらいいか悩んでいることをつい話してしまう。そんなアンに、「あなたなら何でもできる」と励ますジャック。翌日も、あちこち寄り道し、リヨンの織物博物館に立ち寄ったアンは、美しい織物に心惹かれる自分に気付く・・・

巨匠フランシス・フォード・コッポラの妻エレノア・コッポラが、カンヌからパリまでフランス人男性と予期せぬ旅をした自身の経験をもとに脚本を執筆。監督を探していたが、夫から自身で監督することを薦められ、80歳にして長編劇映画監督としてデビュー。
映画監督である夫や娘ソフィアを支え、その撮影現場の裏側を撮影してきたドキュメンタリー監督としての実績もあるエレノアだからこそ、80歳にして成し遂げた快挙。
これまで夫の面倒や子育てに追われてきたアンが、自分が興味を持つものに目覚める姿にはエレノア自身が投影されていて、何かを始めるのに年齢は関係ないと誰しも勇気づけられるでしょう。
それにしても、素敵なフランスの田舎町と、美味しそうなお料理にワイン! 時間を気にせず、ゆっくり旅する醍醐味。『Paris Can Wait』のタイトルが粋ですね。(咲)


『ボンジュール、アン』 エレノア・コッポラ監督、ダイアン・レイン来日記者会見


2016年/アメリカ/92分/カラー/ビスタ/5.1ch
配給:東北新社 / STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト:http://bonjour-anne.jp
★2017年7月7日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
posted by sakiko at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月25日

ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女   英題:THE LAST PRINCESS

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監督:ホ・ジノ(『八月のクリスマス』『春の日は過ぎゆく』『四月の雪』『きみに微笑む雨』)
出演:ソン・イェジン(『四月の雪』『私の頭の中の消しゴム』)、パク・ヘイル(『殺人の追憶』、ユン・ジェムン、ペク・ユンシク、ラ・ミラン、戸田菜穂

「朝鮮」から「大韓帝国」へと国号が変わり、李氏朝鮮第26代国王・高宗(コジョン)が初代皇帝の座についていた日本統治時代。高宗(コジョン)の娘である徳恵翁主(トッケオンジュ)の激動の人生を描いた物語。
7歳の時、目の前で父を毒殺される。わずか13歳で日本に留学させられ、大学卒業後も祖国への帰国を許されない日々を過ごす徳恵(ソン・イェジン)の前に、かつて父が結婚相手に考えていたジャンハン(パク・ヘイル)が現われる。大日本帝国軍少尉である一方、密かに朝鮮独立運動に尽力していた。徳恵と対馬藩主の子息・宗武志(キム・ジェウク)との政略結婚が決まり、残された道は亡命のみ。甥のイ・ウ王子(コ・ス)やジャンハンが上海臨時政府に亡命させようとするが失敗する。その時を最後に徳恵とジャンハンは引き離されてしまう。
宗武志と結婚し、娘も出産するが、やがて徳恵は心を病んで入院する。そして、日本敗戦。だが、韓国初代大統領となった李承晩は徳恵の帰国を許さなかった。1961年、朴大統領が就任し状況が変わる。新聞記者となったジャンハンは、徳恵を帰国させようと日本に赴く・・・

日本統治時代、政略結婚で韓国の王室に嫁がれた方子(まさこ)さまのことは知っていましたが、逆の立場の皇女さまがおられたことを、この映画を通じて初めて知りました。実は、韓国でも徳恵翁主のことは、あまり知られていないそうです。一方、方子さまは奉仕活動もされて、韓国ではいいイメージで受け止められて、尊敬されている方と監督から伺いました。宮家のご出身で気品のある方子さまを演じた戸田菜穂さんも気品があって適役だったと監督。戸田菜穂さんは、日本でリメイクされた『八月のクリスマス』に出演していて、ご縁があるとも監督は語りました。★監督インタビューは本誌100号 および 特別記事でお届けします。

徳恵翁主の人生を、ドラマティックに脚色して描いていますが、日韓併合時代を生きた人たちの様々な運命にも思いの至る物語です。(咲)


2016年/韓国/127分/カラー/5.1chデジタル
配給:ハーク
公式サイト:http://www.lastprincess.info
★2017年6月24日(土) シネマート新宿ほか全国順次公開
posted by sakiko at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ふたりの旅路   原題:MAGIC KIMONO

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監督・脚本・編集:マーリス・マルティンソーンス
出演:桃井かおり、イッセー尾形、アルトゥールス・スクラスティンス、マールティンシュ・シルマイス、アリセ・ポラチェンコ、木内みどり、石倉三郎

神戸に住むケイコ(桃井かおり)は、不慮の事故により娘を亡くし、さらに阪神・淡路大震災ですべてを失う。夫も行方不明だ。それ以来、自分の殻に閉じこもって1人淋しく暮らしてきた。いつしか20年の月日が流れ、ケイコは神戸の姉妹都市であるラトビアの首都リガで開催される着物ショーに出演することになる。1枚の黒留袖を携えて訪れたリガの町で、ケイコは震災で行方不明になっていた夫(イッセー尾形)と再会する・・・

神戸とリガの姉妹都市提携40周年を記念しての共同製作。
神戸の高架下商店街、元町駅山側付近、摩耶山中腹にある灘丸山公園から眺めた神戸港など、神戸の町の断片が出てきて、ちょっと懐かしい。(神戸の東端で育った私には、どちらかというとそれほど馴染みのない景色だけど!) リガの町並みも美しい。

行方不明になった夫との再会は現実なのか夢なのか・・・ 喪失感が幻想を生んだのでしょうか。愛する人を突然失った悲しみは、時がぬぐいさってくれるものでないことを、つくづく感じさせられました。(咲)


2015年/ラトビア・日本/89分/カラー
配給:エレファントハウス
公式サイト:http://www.futarimovie.com
★2017年6月24日(土)より、渋谷ユーロスペース、丸の内TOEI他全国順次公開
posted by sakiko at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする