2017年07月15日

《特集上映》ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語

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上映日程: 7月22日〜8月18日
渋谷・イメージフォーラム

『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』等で知られ、1990年59歳で亡くなったジャック・ドゥミ監督と、その妻であり、89歳の今も活動を続けるアニエス・ヴァルダ監督の長編5本と短編1本の特集上映。
「ロマンチックな詩人」と称された夫ジャック・ドゥミ監督と対照的に、フランスの女性監督第一人者であるアニエス・ヴァルダ監督は、リアリストでドキュメンタリータッチを得意とする前衛作家。2015年、史上6人目となるカンヌ国際映画祭パルム・ドール名誉賞を受賞している。

上映作品
『ローラ』(1961年監督・脚本:ジャック・ドゥミ
『天使の入江』(1963年)監督・脚本:ジャック・ドゥミ
『ジャック・ドゥミの少年期』(1991年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
『5時から7時までのクレオ』(1961年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
『幸福〜しあわせ〜』(1964年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
MIUMIUショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」
『LES 3 BOUTONS(3つのボタン)』(2015年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ

配給:ザジフィルムズ
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/demy-varda/


『ローラ』
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ラウル・クタール
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:アヌーク・エーメ
ジャック・ドミ監督 長編デビュー作。
1961年/フランス/モノクロ/88分/シネスコ

大西洋に面した港町ナント。キャバレー「エル・ドラド」の売れっ子踊り子のローラ。7歳になる息子と暮らすローラは、7年前に街を出ていってしまった恋人のミシェルの帰りを待ち続けている。アメリカ兵フランキーと一夜を共にしたのも、ミシェルに似ているからだった・・・  

美しいローラは人気者で、多くの男に言い寄られるけれど、片っ端から断ってしまいます。ミシェルを待ち続けるローラの一途な思いにほろっとさせられます。
ナントの美術学校で学んだジャック・ドゥミ監督。アメリカ兵たちの踊る姿が、港町らしい雰囲気を感じさせてくれます。


『天使の入江』
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:ジャンヌ・モロー
劇場正式初公開 1963年/フランス/モノクロ/85分/ビスタ

ニースの美しい保養地、通称“天使の入江”のカジノを舞台に繰り広げられる、ギャンブルに魅せられた男と女の物語。
ジャンヌ・モローの輝く姿に出会える一作。


『ジャック・ドゥミの少年期』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジャック・ドゥミ
1991年/フランス/カラー&モノクロ/120分/ビスタ

ヴァルダが死期の迫った夫ドゥミを主題に作り上げた、ドゥミの少年期の物語。
1939年、港町ナント。ジャコと呼ばれる8歳の少年は自動車修理工場を営む父と髪結いの仕事をする母と幸せに暮らしていた。ある日、町の映画館で観た『白雪姫』に夢中になる。
第二次世界大戦の真っ最中で、父は徴兵され、ドゥミたちは疎開する。友人から映写機を借りたことをきっかけに、映画を作る喜びを知る・・・


『5時から7時までのクレオ』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:コリーヌ・マルシャン
1961年/フランス=イタリア/モノクロ/90分

もしかして私、ガン?今は5時。医者を会うまでの2時間どうしよう…。占い師も恋人も作曲も、みんな無神経で誰も私のことをわかってくれない…。診断結果が分かる7時までの間、不安と希望を行き来しながら、夏至のパリを彷徨うポップ・シンガー、クレオの心象風景を、リアルタイムで追いかけた、キュートで哲学的なガーリームービーの金字塔。M・ルグラン、ゴダール、A・カリーナがカメオ出演。


『幸福〜しあわせ〜』

監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
撮影:ジャン・ラビエ、クロード・ボーソレイユ
出演:ジャン=クロード・ドルオー、クレール・ドルオー

1964年/フランス/カラー/80分

「男ってなんてバカなの」「女は、何考えているのかさっぱりわからない」そんな類のテーゼを根本から吹き飛ばす衝撃的な人間ドラマ。圧倒的なストーリーテリングと緩急自在の語り口で、一組の夫婦の皮肉な物語を無邪気にみつめる。人は誰しも幸福を求める生き物、でも、しあわせって一体なに?珠玉の短編小説のような深い味わいを残すヴァルダの代表作。ベルリン映画祭銀獅子賞受賞。


MIUMIUショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」
『LES 3 BOUTONS(3つのボタン)』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジャスミン・ティレ
2015年/カラー/11分

農場で山羊の世話をして暮らす少女ジャスミン。ある日、郵便配達のおじいさんが大きな箱を彼女に届ける。その中には大きなドレスが入っていた・・・
posted by sakiko at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハローグッバイ

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監督:菊地健雄
脚本:加藤綾子
撮影:佐々木靖之
音楽:渡辺シュンスケ
出演:萩原みのり(水野はづき)、久保田紗友(今村葵)、もたいまさこ(小林悦子)、渡辺シュンスケ(茅野耕介/茅野幸二郎)、渡辺真起子(小林早紀)

高校生の水野はづきと今村葵は同じクラスにいながら、殆ど交流がない。カレと別れたばかりのはづきの目下の心配は妊娠! まだ判明していないけれど仲間の一人がその元カレと交際中、とても打ち明けられずにいる。
目立つはづきと違って、まじめな委員長の葵。父は海外赴任中、母も仕事で忙しく顔を合わせることも少ない。食卓には現金がおいてある。いつしか万引きが癖になり、クラスメートのカバンからも小物を盗んでは隠すようになっていた。その中にはづきの妊娠検査薬があった。
たまたま帰り道で出くわしたはづきと葵は、迷子になっていた認知症らしいおばあさん小林悦子を交番へ送り届ける。葵は悦子さんがいつも同じ歌を口ずさみ、初恋の人あてらしい手紙を持ち歩いているのを知る。葵とはづきは悦子さんと一緒に、初恋の人を探すことにした。

昨年の東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」でいちはやく紹介されました。短時間で撮り、応募締め切り直前に出来上がったとか。初監督作の『ディアーディアー』(2015)とは全く違うテイストの、みずみずしく、ほっこりする作品になりました。ベテランの俳優陣が若い二人を支えて、くりかえされる渡辺シュンスケさんの優しい音楽も心地良いです。
学校のトイレで仲間の本音を聞いてしまうシーンに、同じ経験を思い出しました。自分の足りないところがわかって良かったのですが、その相手にはとても言えませんでした。
はづきと葵は同じ経験をしたけれど、その後べたべた仲良くなったりはしません。程よい距離感のまま卒業してゆくのでしょう。3人が歩く坂道や石段などロケーションもぴったり。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/80分
配給:アンプラグド
(C)2016 Sony Music Artists
http://hello-goodbye.jp/
★2017年7月15日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
posted by shiraishi at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月09日

ハートアンドハーツ コリアン・フィルムウィーク

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人と人をつなぎ、心と心をつなぐ、強いメッセージを持った韓国の4作品が、
「ハートアンドハーツ コリアン・フィルムウィーク」と題して、上映されます。
シネマート新宿:7月22日(土)〜8月11日(金)
シネマート心斎橋:7月29日(土)〜8月11日(金)

『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』監督イ・ジュニク(『王の男』)
『あの人に逢えるまで』監督カン・ジェギュ(『シュリ』『ブラザーフッド』)
『春の夢』監督チャン・リュル(『キムチを売る女』)
『バッカス・レディ』監督イ・ジェヨン(『スキャンダル』)

◆『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~』
第52回百想芸術大賞 新人男優賞(パク・チョンミン)受賞
第37回生龍映画賞 脚本賞&新人男優賞(パク・チョンミン)受賞 ほか
今年生誕100周年となる韓国の国民的詩人の生涯を美しい詩とモノクロ映像で初めて映像化。
詳細はこちらで 

◆『あの人に逢えるまで』
監督カン・ジェギュ(『シュリ』『ブラザーフッド』)
出演ムン・チェウォン、コ・ス
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(C) 2014 Big Picture

南北の国境イムジン河沿いを行くバス。楽しみにしていた離散家族面談は突然中止される。あの人の好きなものを詰めたお弁当を持ってきたのにとがっかりするヨニ。韓屋の家並みの美しい北村に住むヨニは、夫を送り出した日を思い出す・・・ 
分断の悲劇がメルヘンのように描かれた物語

第38回香港国際映画祭正式出品
第19回釜山国際映画祭正式出品
2014年/韓国映画/28分


◆『春の夢』

監督チャン・リュル『キムチを売る女』『境界』
出演ハン・イェリ(『海にかかる霧』『ハナ〜奇跡の46日間』)、ヤン・イクチュン(『息もできない』)、ユン・ジョンビン(『悪いやつら』)、パク・チョンボム(『ムサン日記』)
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(C) 2016 LU FILM,ALL RIGHT RESERVED

チンピラのイクチュン。金持ちだが少し頼りない大家のジョンビン。北朝鮮出身で、いつも深くお辞儀している純朴な男ジョンボム。3人はいつもつるんで、車椅子生活の父を抱えたイェリの営む居酒屋に入り浸っている。ある日、新たなオトコが店にやってくる・・・
中国出身のチャン・リュル監督が、仲のいい監督3人を役者として迎えて描いた青春物語。

第21回釜山国際映画祭オープニング上映作品
第46回ロッテルダム国際映画祭正式出品
2015年/韓国映画/101分


◆『バッカス・レディ』
監督イ・ジェヨン(『スキャンダル』『世界で一番いとしい君へ』)
出演:ユン・ヨジョン、ユン・ゲサン
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(C) 2016 KOREA FILM COUNCIL ALL RIGHT RESERVED

食べるために続けている生業。60代の売春婦ソヨンが混血の少年を保護したのにも訳があった。シェアハウスの住人たちも事情を抱えている。いろいろと切ない作品。

第66回ベルリン国際映画祭パノラマ出品
第20回モントリオール・ファンタジア国際映画祭 主演女優賞&脚本賞 受賞
2016年/韓国映画/111分
posted by sakiko at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

空と風と星の詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯   原題:ドンジュ  英題:Dongju:The Portrait of a poet

監督:イ・ジュニク(『王の男』『ラジオスター』『ソウォン』『王の運命』)
脚本:シン・ヨンシク
出演:カン・ハヌル(『20歳』ドラマ「未生−ミセン」) パク・チョンミン(『オフィス』ドラマ「応答せよ1988」) キム・インウ(『暗殺』)

死して、韓国の国民的詩人となった尹東柱。
1917年12月、当時の満州国間島の明東村(中国吉林省東南部)で生まれる。従兄の宋夢奎(ソン・モンギュ)も同年9月に生まれ、二人はその後、平壌の中学校、ソウルの延禧専門学校(現・延世大学校)、そして、日本留学と共に人生を歩む。
ドンジュは、カトリック系の中学校時代から詩作を始める。父は医師になっても詩は書けると医科に進むことを願うが、詩人になりたい思いを貫き文科に進む。
1942年、立教大学に進学。日本留学を前に、やむなく創氏改名に応じ平沼姓を名乗る。戦時体制の気風が高まり、半年後、同志社大学に転学。京大に在籍していたモンギュと同じ下宿に移り住む。
1943年7月、独立運動に身をやつしていたモンギュが逮捕される。ドンジュも逮捕され、詩や日記は押収される。治安維持法違反で2年の懲役となり、二人は福岡刑務所に投獄される。1945年2月、ドンジュ獄死。3月にモンギュも獄死。
 1948年に遺作を集めた詩集「空と風と星の詩」が刊行される。非業の死を遂げた人生と共に、抒情詩人・民族詩人・抵抗詩人として知られるようになり、今や韓国の誰もが知る国民的詩人である。
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c2015Megaboxplusm Luz y Sonidos All Right Reserved.

ドラマ「未生−ミセン」で、端正なエリート新人サラリーマンを好演したカン・ハヌルが、詩人ユン・ドンジュを体現しています。イ・ジュニク監督は、遺されたユン・ドンジュの写真に雰囲気の似たカン・ハヌルを抜擢。また、韓国の人たちのモノクロ写真のユン・ドンジュのイメージを崩さないよう、映画もモノクロで製作したそうです。

日本留学を前に、やむをえず創氏改名に応じたドンジュですが、母国の文化は忘れてはならないと母国の言葉で詩を綴り続けています。逮捕された日、ドンジュの机には帰郷するための切符が残されていたそうです。
 この映画を観て以来、ずっと重いものが心の中にのしかかっています。ドンジュの非業の死は、日韓併合時代が生んだ悲劇の一つ。あの戦争の時代、韓国人だけでなく、多くの日本人も無念の死を遂げたことにも思いが至ります。そして、今も世界の各地でやりたいことを好きなようにできないでいる人たちがいることにも。言いたいことを言えない時代がまた押し寄せてくるのではと不安にもなります。
こんな風に自由に感想を書ける幸せを大切にしなければとつくづく思います。(咲)


2015年/韓国映画/110分/B&W/2.39:1
配給:スプリングハズカム
「ハートアンドハーツ コリアン・フィルムウィーク」の1作として上映される。
★2017年7月22日(土)〜8月11日(金) シネマート新宿
7月29日(土)〜8月11日(金)  シネマート心斎橋

posted by sakiko at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走   原題:À fond  英題:FULL SPEED

監督:ニコラ・ブナム(『真夜中のパリでヒャッハー!』)
出演:ジョゼ・ガルシア、アンドレ・デュソリエ、カロリーヌ・ビニョ

待ちに待った夏休み!  コックス一家を率いる整形外科医のトムは、バカンスの為に最新システムを搭載した真っ赤な新車メデューサを購入。臨月の妻ジュリア、9歳の娘リゾン、やんちゃな7歳の息子ノエ、そしておじいちゃんを乗せて、いざ、南をめざして出発!
おばあちゃんに先立たれたおじいちゃんは、途中休憩で車に乗り遅れて困っていた若い女性をこっそり車に乗せる。
はじめは快適にハイウェイを飛ばしていたメデューサが、やがて時速160キロのまま制御が利かなくなってしまう。メデューサにドアを吹っ飛ばされた車の主が執拗に追いかける。白バイの二人の警官も追いかけてきて、暴走を止められない事態を知る。数十キロ先には、バカンスの大渋滞が待ち受けている・・・

まさにフランス流お馬鹿映画。 暴走が止まらない車は、渋滞に突っ込んでしまうのか? 一家は無事脱出できるのか?  役立たずの白バイ警官や、ドアを壊されて怒り狂う男に振り回されるトムのところに、夏休み直前に処置を施した初老の女性から、顔が崩れてきたと電話がくるし、もうハチャメチャ。
コメディとアクションを同時に描ける監督をと、ニコラ・ブナム監督に白羽の矢が立ったとのこと。確かにどちらも楽しめる一作。(咲)


2016年/フランス/92分/シネスコ
配給:ギャガ
公式サイト:http://gaga.ne.jp/bon-voyage/
★2017年7月22日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする