2015年04月16日

ザ・トライブ  原題:Plemya  英題:The Tribe

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監督・脚本:ミロスラヴ・スラボシュビツキー
製作・撮影・編集:ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ
出演:グレゴリー・フェセンコ、ヤナ・ノヴィコヴァ

ろうあ者の寄宿学校に入学したセルゲイ。皆が賑やかに手話で会話している。その学校には犯罪や売春などを行う悪の組織=族(トライブ)によるヒエラルキーが形成されていて、入学早々、組織を仕切る者たちから洗礼を受けるセルゲイ。命令されるままに犯罪に関わるうち、いつしかトライブの中で頭角を現していく。やがて、リーダーの愛人で、イタリアに移民する夢を叶えるため売春でお金を貯めているアナを好きになってしまう・・・

演じているのは、実際にろうあの人たち。手話で語り合っていて、字幕も吹き替えもなく、音楽もなく、全編、自然の音だけという異色の映画。言葉を発することができない、言葉を耳にすることができないという中で、全身でお互いに意志疎通を図ろうとする人たち。でも、この映画を観終わって思ったのは、ろうあの人たちにとっては、これが普通の世界で、しかも、それは私たち健常者の世界となんら変わらないということ。人生に降りかかってくることは人様々だし、それにどう対応するかも、人それぞれ。とても実験的な映画だけど、描かれているのは、健常者にもあり得る物語であることに、逆に衝撃を受けた。(咲)

2014年/ウクライナ/132分/HD/カラー/1:2.39/字幕なし・手話のみ
配給:彩プロ、ミモザフィルムズ
後援:ウクライナ大使館
公式サイト:http:/www.thetribe.jp
★2015年4月18日(土)渋谷ユーロスペース、新宿 シネマカリテ他 全国順次ロードショー
posted by sakiko at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクライナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする