2018年01月14日

パディントン2(原題:Paddington 2)

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監督・脚本:ポール・キング
製作:デヴィッド・ハイマン
原作:マイケル・ボンド
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:ヒュー・ボネビル(ブラウンさん)、サリー・ホーキンス(ブラウン夫人)、ヒュー・グラント(フェニックス・ブキャナン)、ブレンダン・グリーソン(ナックルズ)、マデリーン・ハリス(ジュディ)、サミュエル・ジョスリン(ジョナサン)、ベン・ウィショー(パディントンの声)

ペルーからやってきて、すっかりブラウン一家や街にとけこんだ礼儀正しいクマのパディントン。ジャングルで一人暮らしのルーシーおばさんがもうすぐ100歳の誕生日を迎えるのでプレゼントを探している。アンティークショップでロンドンの名所がたくさん載っている飛び出す絵本を見つけた。一度も旅行したことのないおばさんにロンドンの町を見せてあげられる!世界に1冊しかないこの絵本はとっても高価だったので、パディントンはアルバイトをしようと決めた。慣れない仕事に悪戦苦闘しながら、こつこつとお金をためて手に入れるのを楽しみにしていた。ウィンドウを覗きにいったある晩その絵本が盗まれてしまい、犯人を追いかけたパディントンが疑われ逮捕されてしまう。

2014年の『パディントン』は全世界でヒットし、興行収入328億円を越えたそうな。クマのパディントンが、それまで育ったジャングルから大都会のロンドンにやってきてさまざまな騒動を巻き起こします。しかし、礼儀正しく真面目なパディントンは、巻き込んだみんなを幸せにしていきました。そしてこの第2弾では、濡れ衣から刑務所に収監されてしまうのです。しかし、ご安心下さい。どこででも友だちができてしまう彼は、そこでも楽しく過ごしてしまうのでした。
絵本を盗んだ落ち目の俳優ブキャナンをヒュー・グラントが快(怪)演。日本語吹き替え版では斎藤工さんが声を当てています。パディントンは松坂桃李さん。
犯人を見つけてパディントンを救い出すためブラウン一家が大活躍します。味のある囚人、隣人に芸達者な俳優さんたちが揃い、大人も子どもも楽しめるファミリー・ドラマです。どうぞご家族でお出かけ下さい!(白)


2017年/イギリス・フランス合作/カラー/シネスコ/104分
配給:キノフィルムズ
(C)2017 STUDIOCANAL S.A.S All Rights Reserved.
http://paddington-movie.jp/
★2018年1月19日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 17:36| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月07日

ジャコメッティ 最後の肖像  英題:Final Portrait

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監督:スタンリー・トゥッチ
出演:ジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー、クレマンス・ポエジー、トニー・シャルーブ、シルヴィー・テステュー

1964年、パリ。ジャコメッティの個展を訪れたアメリカ人の作家で美術評論家のジェイムズ・ロード。友人でもある巨匠ジャコメッティから肖像画のモデルになってほしいと頼まれる。ほんの2日もあれば終わるとの言葉を信じて、アメリカへの帰国便を変更する。翌日、颯爽と墓地を抜けてイポリット=マンドロン通り46番地にあるジャコメッティのアトリエに向かう。ジャコメッティは自宅兼アトリエで、妻アネットと、弟ディエゴと3人で暮らしていた。細長い彫刻や未完成の作品が雑然と置かれたアトリエでさっそくモデルを務めようと座るロード。ところが、愛人カトリーヌが現われ、ジャコメッティはお相手で忙しい。翌日もその翌日も、ジャコメッティの筆はなかなか進まない。いつになったら、肖像画は完成するのか・・・

ロードが絵を覗き込んで、あ〜これでやっと完成だ!と、ほっとするも、あえなく「これじゃダメだ」と、塗りつぶしてしまうジャコメッティ。納得がいかないものは、遺したくない芸術家魂。一方で、愛人がやって来ると、メロメロになって相手をする人間的な面も。黙って見守る妻アネットの心中を思うと、まったく男って〜と呆れます。
ジャコメッティというと、細長い人物の彫刻が思い浮かびますが、絵画や版画も手がけていた芸術家だったことを本作を通じて知りました。

原作は、ジャコメッティが最後に手掛けた肖像画のモデルを務めたロードの回顧録「ジャコメッティの肖像」(みすず書房)。ロードは、ジャコメッティが亡くなって20年後、芸術家としての彼の完璧な伝記を世に送り出しています。二人の信頼関係の賜物でしょう。
1922年にアメリカの上流階級の家庭に生まれたロード。ホモセクシュアルであることを父親に打ち明けたときには精神科にかかれといわれてしまったそうです。1942年、米国陸軍に入隊。Dディ後のパリに駐留していた折、勇気を出してピカソに電話し、その後、ピカソとの長い付き合いが続き、ピカソの伝記も遺しています。2009年、パリで死去。
ピカソとジャコメッティ、二人の芸術家の生涯を後世に知らしめてくれたジェイムズ・ロードという人物にも興味を持ちました。(咲)


2017年/イギリス/90分/シネマスコープ/5.1ch
配給:キノフィルムズ
公式サイト:http://finalportrait.jp
★2018年1月5日(金) よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー




posted by sakiko at 16:31| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月24日

キングスマン ゴールデン・サークル(原題:Kingsman: The Golden Circle)

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監督:マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー、デイブ・ギボンズ
脚本:ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
撮影:ジョージ・リッチモンド
音楽:ヘンリー・ジャックマン、マシュー・マージェソン
出演:コリン・ファース(ハリー)、ジュリアン・ムーア(ポピー)、タロン・エガートン(エグジー)、マーク・ストロング(マーリン)、ハル・ベリー(ジンジャー)、エルトン・ジョン、チャニング・テイタム(テキーラ)、ジェフ・ブリッジス(シャンパン)

どこの国にも属さない最強のスパイ機関、キングスマン、表向きはロンドンの高級テーラー。エグジーは厳しい訓練を経て合格、エージェントのハリーに鍛えられて一人前になったが、麻薬組織ゴールデン・サークルの攻撃で各地の建物ばかりか構成員たちも吹き飛んでしまった。生き残ったのはエグジーとメカ担当のマーリンだけ。2人はアメリカの同盟組織ステイツマンを訪ねる。そこで出会ったのはテキーラ、シャンパン、ウイスキーの3人にメカ担当のジンジャー。そして前作で死んだはずのハリーだった。

前作『キングスマン』は2014年制作、日本では2015年9月に公開されてそのキレッキレのアクションや仕掛け満載の武器に目が丸くなりましたっけ。コリン・ファース演じるスーツの似合う英国紳士スパイがもう見られないかと思っていたら、まさかの復活です。少し手間ひまかかるんですけど。
前作の敵はIT富豪(サミュエル・L・ジャクソン)でしたが、今度の敵は自分は健康志向なくせに麻薬で大もうけしているサイコパスなポピー、演じるはジュリアン・ムーア。エルトン・ジョン(本人)を誘拐して自分のためにピアノを弾かせています。アメリカの新しいメンバーは名前の通りの飲兵衛ばかり。英米の違いもありあり、ちょっと面白いです。今回もアクション満載で大勢死ぬうえ、けっこうえげつないシーンもありますので覚悟のほど。(白)


2017年/イギリス/カラー/シネスコ/140分
配給:20世紀フォックス映画
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
http://www.foxmovies-jp.com/kingsman/
★2018年1月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 21:45| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月11日

人生はシネマティック!(原題:Their Finest)

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監督:ロネ・シェルフィグ
原作:リッサ・エバンス
脚本:ギャビー・チャッペ
撮影:セバスチャン・ブレンコー
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:ジェマ・アータートン(カトリン・コール)、サム・クラフリン(トム・バックリー)、ビル・ナイ(アンブローズ・ヒリアード)、ジャック・ヒューストン(エリス・コール)、ヘレン・マックロリー(ソフィー・スミス)、エディ・マーサン(サミー・スミス)、ジェレミー・アイアンズ(陸軍長官)

1940年のロンドン。カトリンは傷痍軍人で画家志望の夫を支え、コピーライターの秘書として働いていた。人手不足のため、彼女が代わりに書いたコピーが情報省映画局特別顧問バックリーの目に留まる。そのころ話題だったのはダンケルクでドイツ兵の包囲の中、イギリス兵を救出した姉妹の感動秘話。戦争で疲弊した国民を勇気づけるため映画化されることになっていた。カトリンは脚本執筆の経験はなかったが抜擢されて脚本チームに加わり、女性ならではのセリフを期待される。
いざ製作が始まるとベテラン俳優アンブローズの要求、軍部から検閲や横やりなどトラブルが続出する。問題が起こるたびに脚本の書き直しに迫られるが、厳しい状況の中スタッフや俳優の結束は高まっていく。

第2次世界大戦中にもかかわらず、映画製作に情熱を傾けていた人たちがいました。実話とは書かれていませんが、どこの国でもプロバガンダであれ、映画が作りたいと頑張っていた映画人たちがいたはずです。劇中劇のプロバガンダ映画製作の過程や楽屋話は面白く、それにからめての家族や恋人との愛憎など小さなドラマが詰め込まれています。不慣れな脚本執筆に悪戦苦闘しながらも、やりがいを見出していく主人公の気持ちにいつか共感します。英国の名優が多数出演している映画愛もたっぷりの作品。
ロネ・シェルフィグ監督は『幸せになるためのイタリア語講座』(00)、『17歳の肖像』(09)、『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(11)などで知られています。ちょっとお久しぶりの全国上映。(白)


2016年/イギリス/カラー/シネスコ/117分
配給:キノフィルムズ
(C)BRITISH BROADCASTING CORPORATION / THEIR FINEST LIMITED 2016
http://jinsei-cinema.jp/
★2017年11月11日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開中
posted by shiraishi at 13:46| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月22日

ゴッホ 最期の手紙   原題:LOVING VINCENT 

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監督・脚本:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン 
出演:ダグラス・ブース、ジェローム・フリン、ロベルト・グラチーク、ヘレン・マックロリー、クリス・オダウド、シアーシャ・ローナン、ジョン・セッションズ、エレノア・トムリンソン、エイダン・ターナー

南仏、アルル。青年アルマン・ルーランは、郵便配達人の父、ジョゼフ・ルーランから1通の手紙をパリに届けるよう託される。それは、父が親しくしていた友人で、1年ほど前に自殺したオランダ人の画家、フィンセント・ファン・ゴッホが弟・テオに宛てて書いたまま出し忘れていたもの。
耳を切り落として精神病院へ送られた外国人の画家であるゴッホを、アルルの人たちは疎ましく思っていた。彼を知る警官によれば、ゴッホが病んだのは、彼が画家たちの宿にしたいと願った“黄色い家”に友人のゴーギャンが来たことが原因だという。友人ゴッホへの父の思いに応えようと、アルマンは手紙を携えパリに向かう。そこで知る弟テオの運命・・・

誰もがきっと見たことのあるゴッホが油絵で描いた人物たちが動く!
こってりとした油絵そのままが、動く!
観ているうちに、くらくら。
船酔い注意です。
絵に描かれた人物を、どうやって動かしたのかは、ぜひ公式サイトで確認を!

生きている間には、たった1枚しか売れなかったという不遇なゴッホ。
2017年7月にSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映された『中国のゴッホ』では、中国のある町の一画でゴッホの複製画が多くの人の手によって大量に「生産」されている様が描かれていた。その絵を買い付けているオランダの画商に招かれてゴッホゆかりのオランダの町を訪ねた現代のゴッホたちが見たのは、土産屋で売られている自分たちの描いた絵。手ごろな値段で売られている複製画を観光客たちが記念に買っていく。なんという皮肉でしょう。(咲)


2017年/イギリス・ポーランド/96分/カラー
提供:パルコ、NHKエンタープライズ、カルタクリエイティブ 
配給:パルコ  宣伝:太秦 
協力:TOKYO FM、ファン・ゴッホ美術館
公式サイト:http://www.gogh-movie.jp
★2017年11月3日(祝・金) TOHOシネマズ六本木ヒルズ ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 15:53| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする