2015年05月31日

エレファント・ソング(原題:Elephant Song)

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監督:シャルル・ビナメ
脚本:ニコラス・ビヨン
撮影:ピエール・ギル
出演:グザヴィエ・ドラン(マイケル・アリーン)、ブルース・グリーンウッド(トビー・グリーン院長)、キャサリン・キーナー(スーザン・ピーターソン)、キャリー=アン・モス(オリビア)、コルム・フィオール(ジェームズ・ローレンス医師)

オペラ歌手だった母親を目の前でなくしてから精神病院に入っている青年マイケル。美しい見た目とは裏腹に病院一の問題患者だった。彼の主治医だったローレンス医師が出勤せず、行方がわからなくなった。グリーン院長は、マイケルを呼び事情を知らないか聞きただすことにした。普段からマイケルをよく見ている看護師長のスーザンは、院長にマイケルは茶化すだけで真実は話さないと忠告する。

戯曲を元に映画化した作品。俊英の誉れ高いグザヴィエ・ドランが今回は監督でなく、自ら出演を切望して俳優に徹しています。次々と繰り出されるウソとも真実とも取れるマイケルの言葉に翻弄される院長。子どものころに母親から愛されず、愛に飢えている心の奥に気づいてほしいマイケル。「これは僕だ」とドランが言ったのだそうですが、これまでの作品に通じる痛々しさがありました。彼はいつ爪を噛まなくなるのでしょう?久々にスクリーンで観たキャリー=アン・モス、『マトリックス』(1999)のトリニティ役で世界中に知られました。あいかわらずスタイルがいいです。(白)

2014年/カナダ/カラー/シネスコ/100分
配給:アップリンク
(c)Sebastien Raymond
www.uplink.co.jp/elephantsong/
★2015年6月6日(土)より、新宿武蔵野館、渋谷アップリンク他、全国順次公開
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2015年04月26日

ホーンズ 容疑者と告白の角(原題:horns)

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監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:キース・ブーニン
原作:ジョー・ヒル「ホーンズ 角」(小学館刊)
出演:ダニエル・ラドクリフ(イグ・ペリッシュ)、マックス・ミンゲラ(リー・トゥルーノー)、ジョー・アンダーソン(テリー・ペリッシュ)

子どものころからの友だちイグとメリンは今は恋人同士。プロポーズの準備もして幸せの絶頂にいたイグだったが、急に別れを切り出したメリンが理解できず、激昂して飛び出してしまった。酔いつぶれて眠っていた翌日メリンの遺体がいつも逢っていたツリーハウスの下で見つかり、イグに殺人容疑がかかってしまう。
やり場のない悲しみと怒りに苦しむイグに異変が起こった。目が覚めると額の両側に角が生えていたのだ。病院に駆け込むが医師も手のうちようがない。不思議なことに、医師をはじめイグに出会う誰もが異様な反応をした。なぜか隠したいはずの秘密を語り、本音を口に出してしまうのだった。イグはこの角の力を使って真の犯人を探し出そうとする。

ハリー・ポッターシリーズでは可愛い坊やだったラドクリフくんも、いつのまにやら20代半ば。濃い髭も胸毛もあってすっかり男っぽくなりました。ハリポタの影響が大きかったせいか、シリーズ完結後の主演作『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』(2012)も本作もファンタジー&ホラー色の濃いものです。絵で見る悪魔のような角が生えて、それが真実を語らせるという原作を書いたのはスティーブン・キングの息子ジョー・ヒル。人の真実の声がいやおうなく吐き出されるなんて、何より怖い。イグも信じていた家族の本音を聞いてしまっておおいに傷つきます。そんな体験したくはないけど、映画は観たい、原作は読んでみたい。(白)

2014年/カナダ/カラー/シネスコ/120分
配給:ショウゲート
(C)2014 The Horns Project, Inc. All Rights Reserved.
http://horns-movie.jp/
★2015年5月9日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他全国公開
posted by shiraishi at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月19日

Mommy/マミー(原題:Mommy)

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監督・脚本・編集:グザヴィエ・ドラン
出演:アンヌ・ドルヴァル(ダイアン・デュプレ)、スザンヌ・クレマン(カイラ)、アントワン=オリヴィエ・ピロン(スティーヴ・デュプレ)

ダイアン・デュプレの一人息子スティーヴが施設から戻ってくる。ADHD(注意欠如・行動障害)と診断された彼は、激昂すると自分の感情をコントロールできない。矯正施設をたらいまわしにされた挙句、母親の元に戻された。新しい家でやり直しを図る母と息子の向かいに、ストレスのため吃音になったカイラが住んでいた。元高校教師だったカイラは、ダイアンと友だちになりスティーヴの勉強を見るうちに、言葉を取り戻していく。

17歳で脚本を書き、19歳で監督した『マイ・マザー』がカンヌ映画祭で賞賛を受け、以来全ての作品が注目の的となっているグザヴィエ・ドラン監督の5作目。カンヌ映画祭のコンペティション部門に選出され、「審査員特別賞」を受賞しました。これまでの作品のうち『トム・アット・ザ・ファーム』は同名戯曲を映画化したものですが、ほかは自身を映し出したポートレイトのような作品。どれも観た後に痛々しい感じが残りました。若くて溢れる才能と美貌にも恵まれた彼の内側が見えるようでした。
本作はこれまでにも描かれた濃密な母と息子の愛憎を芯に、隣人の女性を加えてそれぞれの強さと弱さを1:1の画面でくっきりと切り取っています。3人の幸福なシーンだけがワイド画面に映し出され印象的。パワフルでめげない母と息子のストーリーで、これまでで一番好きな作品になりました。クレジットにありませんがドラン監督自身もほんのちょっと出演していますのでお見逃しなく。
スティーヴのADHDという行動障害については、ネットで検索すればたくさん見つかります。症状の特徴など見ると、自分もその半分以上の項目に合致しているのに気づいて「え」と驚いたり納得したり。程度が問題か?(白)


2014年/カナダ/カラー/138分/DCP/1:1
配給:ピクチャーズ・デプト
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.
http://mommy-xdolan.jp/
予告編はこちら

★4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次公開
posted by shiraishi at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月15日

カフェ・ド・フロール   原題:Cafe de Flore

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監督・脚本:ジャン=マルク・ヴァレ(『ダラス・バイヤーズクラブ』『ヴィクトリア女王 世紀の愛』) 
出演:ヴァネッサ・パラディ(『ジゴロ・イン・ニューヨーク』)、ケヴィン・パラン、エレーヌ・フローラン、エヴリーヌ・ブロシュ(『トム・アット・ザ・ファーム』)、マラン・ゲリエ   

現代のカナダ、モントリオールと、1969年のパリ。時代も場所も違う二つの物語が交差する・・・
現代のモントリオール。40代のアントワーヌ(ケヴィン・パラン)は、DJとして成功し、2人の娘と両親と何不自由なく暮らし、恋人ローズ(エヴリーヌ・ブロシュ)とも熱愛中。一方、彼の別れた妻キャロル(エレーヌ・フロラン)は離婚して2年経っても、運命の相手だと信じていたアントワーヌの心変わりを受け入れられないでいた。

1969年、パリ。
美容師のジャクリーヌ(ヴァネッサ・パラディ)は、女手一つでダウン症の息子ローランを育てている。息子を普通学校に通わせ、できるだけ健常の子と同じようにさせたいと努力していた。ある日、ローランのクラスにダウン症の少女ヴェラが転入してくる。すぐに惹かれ合い、親しくなる二人を学校側は問題視する・・・

二つの物語が入れ替わり入れ替わり出てくる上に、現代の物語は、永遠に愛し合うことを誓った二人が、なぜ別れるに至ったか、過去にさかのぼるので、もう、何がなんだかクラクラ。キーになっているのは、「カフェ・ド・フロール」という曲らしい・・・ もう一度観て、謎解きできるか自信がないです。ご覧になる方、どうぞ謎解きに挑戦してみてください!(咲)

2011年/カナダ・フランス/ カラー/シネスコ/5.1ch/120分
配給:ファインフィルムズ
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/cafe/
★2015年3月28日(土)YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開
posted by sakiko at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月12日

複製された男(原題:ENEMY)

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監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:ジョゼ・サラマーゴ「複製された男」(彩流社刊)
脚本:ハビエル・グヨン
出演:ジェイク・ギレンホール(アダム/アンソニー)、メラニー・ロラン(メアリー)、サラ・ガドン(ヘレン)、イザベラ・ロッセリーニ(キャロライン)

大学で歴史を教えるアダムは、同僚から勧められたビデオに自分とそっくりの男が端役で登場しているのを発見する。血縁なのか他人の空似なのか?!アンソニーという名前だとつきとめたアダムは、所属する俳優事務所を訪ねたり、家に電話をかけたりして確かめる。どうしてもじかに本人と会いたくなったアダムは約束をとりつけ、ついにアンソニーと対面する。見た目だけでなく、生年月日も同じなら後からできた傷も同じ。2人はオリジナルとコピーなのか?

ポルトガルのノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの至高のミステリーが原作。『プリズナーズ』に続いてドゥニ・ビルヌーヴ監督とタッグを組んだギレンホールが、自分にそっくりな男との1人2役を演じ分け、驚愕のラストまで観客をひきつけます。
え、ええ〜!?ともう一度見直したくなることうけあい。筆者は「原作はいったいどうなの?」と図書館で手にとってはみましたが、難解との評に違わず句読点なく続く長い文章にあっけなく降参・・・。興味と時間のある方はぜひ読破してみてください。
恋人に『イングロリアス・バスターズ』のメラニー・ロラン、妻に『危険なメソッド』のサラ・ガドン、母に『ブルーベルベット』のイザベラ・ロッセリーニと美女に囲まれたギレンホールの苦悩の表情にくらくらしましょう。(白)


2013年/カナダ、スペイン/カラー/90分/
配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム
(c) 2013 RHOMBUS MEDIA (ENEMY) INC. / ROXBURY PICTURES S.L. / 9232-2437 QUEBEC INC. / MECANISMO FILMS, S.L. / ROXBURY ENEMY S.L. ALL RIGHTS RESERVED.
http://fukusei-movie.com/

★7月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかロードショー
posted by shiraishi at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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