2015年07月15日

『奇跡の2000マイル』 原題:『TRACKS』

2015年7月18日(土)より有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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監督:ジョン・カラン 撮影監督:マンディ・ウォーカー
制作:イアン・カニング、エミール・シャーマン
原作:ロビン・デビッドソン 脚本:マリオン・ネルソン
出演:ミア・ワシコウスカ、アダム・ドライバー

1977年、たった一人でオーストラリア西部の砂漠約2000マイル(3000キロ)を横断するという冒険の旅に出たロビン・デヴィッドソン。ラクダと愛犬とともに、1日あたり約32キロのペースで歩き、7ヵ月をかけ踏破した。旅の記録を綴った回顧録「TRACKS」は、およそ18の言語に翻訳され、1981年の発売以来何度も映画化の企画があったが遂に映画化。
オーストラリア各地で大がかりなロケーション撮影を敢行。実際にロビンが辿ったアリス・スプリングスからウルル(エアーズロック)を経由し、インド洋へと至る道程を撮影。険しい岩場、草原、砂漠に35ミリのフィルム・カメラを持ち込んで再現した。砂漠を中心とした映像は、かんかん照りの乾いた砂漠光景だけでなく、朝夕の神秘的な美しさも描かれ、乾いた景色の中にも緑が点在する景色なども描かれ、壮大なロードムービーが完成した。
主人公ロビンを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』のアリス役でブレイクしたミア・ワシコウスカ。ラクダの扱い方も徹底的に学び、旅を再現した。

冒険好き、探検好きな私だけど、このオーストラリアを横断した実話のことは全然知らなかった。このことを映画で知り、びっくりした。それにオーストラリアにラクダがいるとは思わなかったので「オーストラリアにラクダがいるの?」と二度びっくり。もともとはいなかったけど、開拓時代に荷物の運搬のために輸入したらしい。その後、車の発達と共に、ラクダは必要なくなり、砂漠に放したラクダが野生化したらしい。
それにしても、ラクダに荷物を背負わせての旅というのは正解。テントや食料、食事を作るための道具など、一切合切背負ったら40sくらいはいく。これを背負って歩いたら、たまらない。私も35s以上を背負って山登りしたことあるけど、背負うだけで大変。これで、何ヶ月もなんて耐えられない。でも、これを背負ってアメリカを1600kmも歩いて縦断した人もいる。その旅を描いた『わたしに会うまでの1600キロ』も8月28日に公開される。どちらも女性一人で歩いたまさに冒険実話。
でも、両作とも帽子はかぶらず、短パンだったり、肩からの肌を露出させて歩いているシーンもあり、これって本当?って思ってしまった。かんかん照りの太陽の下、こんな格好で歩くなんて信じられない。肌は大荒れだよね。それとも映画的演出?
私の友人は(日本人とオーストラリア人)、オーストラリア西部のパースというところに住んでいるけど、1989年頃、オーストラリア東部からパースまで、車で6000kmくらい移動した。その時は2週間くらいかかったと言っていた。それを考えると徒歩で7ヶ月も歩くなんてすごい! オーストラリアはオオカミや熊などはいないのかな? だから女性一人でもやってみようと思ったのか。
オーストラリアには『裸足の1500マイル』という作品もあった。政府の政策によって連れ去られたアボリジニーと白人の混血の女の子たちが、母の元まで歩いてもどる物語だったけど、これも感動的な物語だった(暁)。
「奇跡の2000マイル」メイン _R.jpg

コピーライトマーク 2013 SEE-SAW (TRACKS) HOLDINGS PTY LIMITED, A.P. FACILITIES PTY LIMITED, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, SCREEN NSW AND ADELAIDE FILM FESTIVAL

公式HP http://www.kisekino2000mile.com/
2013年/ オーストラリア /112分
配給:ブロードメディア・スタジオ
posted by akemi at 19:18| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月20日

マッドマックス 怒りのデス・ロード(原題:Mad Max: Fury Road)

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監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラソウリス
撮影:ジョン・シール
音楽:ジャンキー・XL
出演:トム・ハーディ(マックス)、シャーリーズ・セロン(フュリオサ)、ニコラス・ホルト(ニュークス)、ヒュー・キース=バーン(イモータン・ジョー)、ゾーイ・クラビッツ(トースト)

地球は汚染され、水や食料をはじめ資源が尽きかけ、荒廃した砂漠がひろがる。愛する妻子を救えなかった元警官のマックスはいまや本能だけで生きていた。武装集団ウォーボーイズの襲撃を受け、砂漠を支配するイモータン・ジョーの砦に拉致された。同じ頃ジョーの右腕だった女戦士フュリオサの裏切りが発覚する。フュリオサは貴重な燃料や水のタンクと一緒に、ジョーが囲っている5人の妻たちも連れ出していた。怒り心頭のジョーはウォーボーイズを率いてフュリオサを追撃する。ジョーに心酔するニュークスは、屈強なマックスを自分の「輸血袋」として車に固定し、戦闘に躍り出ていく。

メル・ギブソン主演の第1作『マッド・マックス』(1979年)以来、2,3と続編を製作、長い時間を経てようやく4作目が公開になりました。ジョージ・ミラー監督は70歳と年を重ねましたが、この最新作の切れ切れアクションといったら、目が丸くなります。一応ストーリーはあるものの、全編アクション、アクションまたアクション。それもカーチェイスしながらです。
悪役イモータン・ジョーの悪魔のようなカリスマっぷり、スピードもMAXの改造車と爆音、マックスに負けないほど男前なフュリオサ(シャーリーズ・セロン汚しても美人)、女神のような5人の妻・・・と、男の子たちが大好きな要素がぎっちりつまっています。
トム・ハーディは、ほぼ一人で出ずっぱりの『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』が6月27日、『チャイルド44 森に消えた子供たち』が7月3日公開と主演作品が続きます。善悪どちらにも染められる自由度(演技力も)の高い俳優です。要注目!(白)


2015年/オーストラリア/カラー/シネスコ/120分/2D,3D、IMAX
配給:ワーナー・ブラザース
(c)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/

★2015年6月20日(土)より全国公開
posted by shiraishi at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

プリデスティネーション(原題:Predestination)

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監督・脚本:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
原作:ロバート・A・ハインライン「輪廻の蛇」(早川書房刊)
撮影:ベン・ノット
音楽:ピーター・スピエリッグ
出演:イーサン・ホーク(バーテンダー)、サラ・スヌーク(ジョン)、ノア・テイラー

1970年。連続爆弾魔フィズル・ボマーの凶行に世間が慄いているとき、とあるバーに青年ジョンがやってくる。バーテンダーに酒代を賭けて、自分の数奇な物語を聞かせた。元はジェーンという“女の子”として生まれ、孤児院で育った。18歳のときに出会った男と恋したが彼は姿を消し、未婚のまま子どもを産むことになった。出産の際、赤ん坊と自分の命を救うため医師が両性具有だった自分を“男”として生き残らせたのだという。バーテンダーは長い物語を聞き終え、「その男に復讐したくはないか」とジョンに尋ねる。自分がタイムエージェントだと明かしたバーテンダーは、ジョンを連れて1963年へと飛んだ。

『デイブレイカー』(2010年)に続き、双子の兄弟監督マイケル&ピーター・スピエリッグトとイーサン・ホークがタッグを組んだ作品。前作は出演を快諾してくれたイーサン・ホークのおかげで、キャストが集まり映画化にはずみがついたそうです。今回もきっとそのご縁なのでしょう。
大好きなタイムトラベルもので、それにつきもののタイムパラドックスを扱っています。固唾を飲んで見つめました。登場人物が少ない分、演じるイーサン・ホークとサラ・スヌークはものすごく大変だったと思いますが、やりがいもあったはず。
原題の「Predestination(プリデスティネーション)」の意味は「宿命」。これと原作の短編「輪廻の蛇」のタイトルでおおよその予想がつくかもしれませんが、この時空を越えた複雑な物語を脚本化・映像化した兄弟監督、今後も目が離せません。1940年〜1990年代を移動するため、その時代を感じさせる衣装や美術にも注目です。撮影監督も時代ごとに色や質感を変えていたそうです。観終ったら「え〜!」と感嘆、もう一度観直したくなります。(白)


2014年/オーストラリア/カラー/シネスコ/97分
配給:プレシディオ
(C)2013 Predestination Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Screen Queensland Pty Ltd and Cutting Edge Post Pty Ltd
http://www.predestination.jp/
★2015年2月28日(土)新宿バルト9他にて全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月25日

美しい絵の崩壊(原題:Two Mothers)

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監督:アンヌ・フォンテーヌ
脚本:クリストファー・ハンプトン
キャスト:ナオミ・ワッツ(リル)、ロビン・ライト(ロズ)、ゼイビア・サミュエル(イアン)、ジェームズ・フレッシュビル(トム)、ベン・メンデルソーン(ハロルド)

ロズとリルは幼いときからの親友。それぞれ伴侶を得た二人は同じ入り江を望む近所で暮らし、同い年の息子を授かった。ロズの息子トムと、リルの息子イアンも母達と同じように親友となり、美しい若者に成長する。早くに父を亡くしたイアンは、家族ぐるみでつきあううちにロズに強い恋心を抱くようになる。
ロズの夫ハロルドはシドニーの大学で講義をすることになり、トムの教育のためにも引越しをしようと提案する。入り江の暮らしとギャラリーの仕事から離れがたいロズは、いったん夫だけをシドニーに送り出すことにした。ある晩悪酔いしたトムの介抱のため泊まったイアンは、ロズへの気持ちが抑え切れずついに一線を越えてしまう。

美しい母親とその息子たち。海辺で戯れる4人はまるで絵のようなのですが、いつしか禁断の愛へと突き進んでしまいます。若い男の子はともかく、母親がそれではいけません。しかし愛は理性を吹き飛ばし、あ〜らら〜という展開に。ついていけるやいなや。
『ココ・アヴァン・シャネル』(2009年)を送り出したアンヌ・フォンテーヌ監督が切り取るシーンは、ファッション雑誌のグラビアのようです。それに加えて俳優達の品が、猥雑なスキャンダルにならずにとどめている気がします。一番幸せになったのは、1人放り出されたロズの夫ハロルドでした。(白)


配給:トランスフォーマー
2013年/カラー/オーストラリア・フランス合作/111分/シネスコ

2012 HOPSCOTCH FEATURES PTY LTD, THE GRANDMOTHERS PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SCREEN NSW, CINE-@, MON VOISIN PRODUCTIONS, GAUMONT, FRANCE 2 CINEMA.

★5月31日(土)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、横浜ブルク13ほかにてロードショー
posted by shiraishi at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月26日

『ソウルガールズ』 原題:The Sapphires

オーストラリアの先住民、アボリジニー初の女性4人組ボーカルグループ<サファイアズ>の実話を元にした作品。公開はすでに始まっていますが、お薦めの作品なので紹介します。

2014年1月11日(土)公開
ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、109シネマズ川崎、京都シネマ、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸ほかで公開

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(C) 2012 The Sapphires Film Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Goalpost Pictures Australia Pty Ltd, A.P. Facilities Pty Ltd and Screen NSW.

*ストーリー

1968年頃のオーストラリア、アボリジニー居住区に暮らすゲイル、シンシア、ジュリーの三姉妹と従姉妹のケイは幼い頃より歌が大好きで、カントリーミュージックを歌いながらスター歌手になることを夢見ていた。しかし、地元のコンテストに出場しても、根強い差別意識から露骨に落選させられる(1975年の人種差別禁止法によって、白豪主義の時代は終わっていたのだが)。
彼女たちは、なんとかこの状況から抜け出てミュージシャンとして活躍したいと思っていたが、このコンテスト会場で、ソウルミュージック好きの自称ミュージシャン、デイヴと出会い、ソウルミュージックに目覚め、音楽活動を始める。
アメリカの黒人の魂の叫びといわれるソウルミュージック。彼女たちも、オーストラリアでの自分たちの立場に重ね合わせ、思いを歌い上あげる。
ベトナム戦争真っ只中のベトナムへのアメリカ軍兵士慰問の音楽の旅。
優しいけど力強いサファイアズの歌は、たちまち兵士たちの人気に。
アボリジニーたちが暮らす原野の中の居住区、白人との混血児を隔離した政策、その中で生きる人々の姿も描かれ、オーストラリアの現代史が伝わってくる。
差別を乗り越え、歌手になる夢を実現した<サファイアズ>の姿は、見る人へ力強いメッセージを投げかけてくる。

*映画を観て

アボリジニーの歌が大好きな少女たちが、歌手を目指して人生を切り開いていく姿が勇気を与えてくれる。久しぶりに感動する作品でした。

1990年、私が初めて行った海外がオーストラリア。西オーストラリアのパースという町に住む友人を訪ねて、2週間の滞在をした。その時、オーストラリアではカントリーミュージックがかなり歌われていた。そして、カウボーイハットにジーンズなどカウボーイスタイルの人が街を歩いていた。なんだかアメリカ西部の街にでも来てしまったような感じがしたのを覚えている。私もカントリーミュージック好きで、1970年代にはよくカントリーミュージックのライブハウスに通っていたので、とても懐かしく嬉しかったのを覚えている。
なので、この作品を見たとき、アボリジニーの少女たちまでもがカントリーミュージックにあこがれていたんだと驚いた。そんな彼女たちが、ソウル音楽と出会って、自身のアイデンティティに目覚めるシーンはジーンとした。
それにしても、ここに描かれた主な活躍の場はベトナム戦争の真っ只中のベトナムのアメリカ軍前線基地(オーストラリア軍ではなかった)。ベトナムでの軍事慰問から帰ってからのオーストラリアでの活躍は描かれていなかったけど、どうだったのだろうか。
ソウルフルな彼女たちの歌声の数々が流れ、とても素晴らしい音楽映画だった。それに、オーストラリアでのアボリジニーへの差別の実体も描かれ、『裸足の1500マイル』でも描かれた、白人との混血児を親から離した政策のことも改めて思い出した。
1990年のパースの街では、アボリジニーのストリートミュージシャンが、ディジリドゥというアボリジニー独特の尺八を大きくしたような楽器を吹いている姿が印象的だったけど、その当時も差別のため、アボリジニーはなかなか仕事に就けない状態だった。

そして、保護政策という名の給付金で生活するアボリジニーの人たちのアルコール中毒が問題になっていた。もう23年も前のことだけど、今はどうなのだろうか…。(暁)


監督:ウェイン・ブレア
製作:ローズマリー・ブライト カイリー・デュ・フレズネ
製作総指揮:ボブ・ワインスタインハーベイ・ワインスタイン


キャスト
デイヴ役:クリス・オダウド
ゲイル役:デボラ・メイルマン
ジュリー役:ジェシカ・マーボイ
ケイ役:シャリ・セベンズ
シンシア役:ミランダ・タプセル


製作年 2012年/オーストラリア /配給 ポニーキャニオン/98分
『ソウルガールズ』公式HP http://soulgirls.jp/

posted by akemi at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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