2018年04月15日

さすらいのレコード・コレクター 10セントの宝物 原題 Desperate Man Blues

劇場公開日 2018年4月21日 〜新宿K's cinemanにてロードショー 全国順次公開

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(C)Cube Media 2003

監督 エドワード・ギラン
製作 エドワード・ギラン
撮影 レイ・アーガル
音楽 ロバート・ジョンソン、チャーリー・パットン、サン・ハウス
カーター・ファミリー、ジミー・ロジャーズ
字幕:寺尾次郎 監修:ピーター・バラカン

キャスト
ジョー・バザード
スザンナ・アンダーソン
エディ・ディーン
バーバラ・ブラウン
ジョン・クーパー

さぁ、今日もゴキゲンな音楽を聞きながらレコード・ハンティングに出かけよう!

アメリカ、メリーランド州に暮らすレコード・コレクター、ジョー・バザード。自宅地下室に降りると、そこには壁一面に25000枚の78回転のSPレコードが。発売当時たった10セントで売られていたブルース、カントリー、ブルーグラスなどの貴重なレコードを集め、大事そうに一枚一枚プレイヤーにかけ聴いている。20世紀初頭、ラジオと並んで音楽が人々の手元で聴くことができるきっかけになったのはSPレコードの普及から。
P・P・M、ジョーン・バエズ、ボブ・ディランなどアメリカンフォークソングが世界中に広がっていった1960年代。その前の世代から活躍したウディ・ガスリーやピート・シーガー、ウィーバーズなども、トラディショナルなブルース、カントリー、ブルーグラスから歌を取り入れていった。
ジョー・バザードがハマっているのは、そんな原点の曲である「本物のアメリカン・ミュージック」のレコードを探し、救うことだった! そんなお宝を探して何十年。アメリカ中を捜し歩いてためたレコードコレクション。ロックもヒップホップも大嫌いなガンコなレコード・コレクターのもうひとつのアメリカン・ヒストリー。

監督は、『さすらいのレコードコレクター 10セントの宝物』で私が目指したのは「アメリカが生み出した最も重要な産物だと多くの人がみなしているもの」、そしてアメリカ音楽の源泉に対する関心の高まり、忘れ去られたこの音楽を救い出した一個人、それらについて観客に関心を持ってもらうことですと語っている。
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(C)Cube Media 2003

昔、よく聴いた古いアメリカのブルース、カントリー、ブルーグラスの曲がたくさん流れとても懐かしかった。そして聞き覚えのある人たちの名前もたくさん。映像を観ながら胸が高鳴った。
実は高校時代(1968年頃)フォークソングをやっていて、あの頃流行っていたアメリカンフォークの原点の音楽を探り、その集めた曲を自分たちで歌ったレコードを作りたいと活動していた。その活動は途中で挫折してしまったけど、その頃聴いたような曲がいっぱい流れていて、そんな曲のレコードを集めているコレクターがいるんだと嬉しくなった。でも「ロックやヒップホップは大嫌い」というのが気になった。かなり保守的な人なのかも。今のアメリカの音楽の原点は、彼が集めている音楽たちなのにと思った。(暁)

公式HP
原題 Desperate Man Blues
製作年 2003年
製作国 オーストラリア
配給 スリーピン
上映時間52分



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2017年04月02日

LION ライオン 25年目のただいま(原題:Lion)

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監督:ガース・デイヴィス
原作:サルー・ブライアリー“25年目の「ただいま」”静山社刊
脚本:ルーク・デイヴィス
出演:デヴ・パテル(サルー)、ルーニー・マーラ(ルーシー)、ニコール・キッドマン(スー)、デビッド・ウェンハム(ジョン)、サニー・パワール(サルー幼少期)

インドで生まれたサルーは、オーストラリアの養父母に引き取られ、たっぷりの愛情を注がれて大人になった。恋人と幸福に暮らしていたサル―だったが、あるきっかけで忘れていた古い記憶が蘇る。インドの貧しい田舎町に生まれたサルーは、兄を手伝って石炭拾いをして日銭を稼いでいたが、5歳の時兄とはぐれて回送列車の中に閉じ込められてしまった。長い間走行して着いたのは故郷からはるか遠くの都会コルカタ。言葉も通じず、帰る道もわからないまま放浪した末、施設に入れられ養子縁組でオーストラリアに来たのだった。育ててくれた両親への愛情と感謝はあるけれども、インドで自分を探しているはずの家族に会いたい思いは止められない。サルーはわずかな手がかりを頼りにGoogle Earthでインドの生まれ故郷を探し出そうとする。

実話が元、というのにびっくり!“Google Earth”は世界中どこの街へでも画像がありさえすれば行けるので、大好きです。観光地も楽しいですが、離れている故郷や友人知人の家をときどき見ています。これを昔迷子になった人が利用するなんて!!結果はわかっているのですが、それまでの過程と演じる俳優たちが素晴らしいので、引き込まれて観てしまいました。
デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマンを差し置いて目を奪われるのが、サル―の子ども時代を演じたサニー・パワール。何千人もの候補者の中から見出されたサニー君は、これまで観たいろんな子役の中でもダントツに吸引力があります。たった5歳で迷子になったサルーの心細さ、家族を恋いながら都会でサバイバルする強さと賢さも十二分に見せていました。自分や子供や孫が5歳で同じ目に遭ったら?
サル―の人生は、なんとも数奇で奇跡的でした。エンディングロールもぜひご覧ください。(白)


友人から、Google Earthで故郷を探し出せるかもと言われたサルーは、当時の列車の時速と、乗っていた時間から、探す範囲をまず割り出しました。記憶にあるのは、列車に乗り込んだときに見かけた給水塔だけ。こつこつと、給水塔がそばにある駅をチェックし、なんと、5年かかって列車に乗り込んだ駅を探し当て、ついに実母とも嬉しい再会を果たすことができました。町の名前も自分の名前も、少し間違って記憶したのに、それでも、見つけ出すことができたのは、ほんとにすごい。
タイトル『ライオン』の意味するところや、兄クドゥのその後の人生など、映画の最後に明かされるのでお見逃しなく。

成人したサルーを演じているのは、『スラムドッグ$ミリオネア』での主演が印象的なデヴ・パテル。その後、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』では、ホテルの若きオーナー、『奇蹟がくれた数式』ではインドの数学者、シュリニヴァーサ・ラマヌジャンを演じています。本作では、ぐっと精悍な姿を見せてくれています。(咲)


2016年/オーストラリア/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/119分
配給:ギャガ
(C)2016 Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia
http://gaga.ne.jp/lion/
★2017年4月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー
posted by shiraishi at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月14日

あまくない砂糖の話  原題:THAT SUGAR FILM

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監督:デイモン・ガモー 製作:ニック・バジアス
製作総指揮:ポール・ウィーガード 
出演:デイモン・ガモー、ゾーイ・タックウェル=スミス 他

オーストラリアの俳優デイモン・ガモーは、人間は平均1日でスプーン40杯もの砂糖を摂取していることを知り、疑問を持った彼は医療チームと共に自分を実験台にして砂糖を食べ続ける暮らしを始めた。しかも砂糖の多い甘い食べ物ではなく、あえて低脂肪ヨーグルトやシリアルバーなど、いわゆる「ヘルシー食品」と呼ばれる食べ物を60日間食べ続け、体や心がどのように変化していくのか記録していく--。

シリアルや機能性食品と呼ばれる物を私もよく買って食べていたし、カラダに良いイメージを抱いていたが、木端微塵に(涙目)。どうりで痩せないはずだし、どうして、どんな食品にもこんなにも砂糖が使われているんですか?!! 実験を続けた監督も同じような疑問を持ち、肥満大国アメリカへ飛ぶ。ドキュメンタリー映画『フード・インク』でも描かれていたが政治と食品企業の癒着… マクドナルドを食べ続けた『スーパーサイズ・ミー』より、はるかにコワイ砂糖の現実… そして実験を続けるイケメン監督はブヨブヨ太り、イライラ短気人間になっていった(わかりやすい砂糖の害)。でも映画自体はコミカルでカワイイ作りになっていて、なんと言っても監督の奥様がチャーミング!! 肥満が社会問題化しつつあるオーストラリアで驚異的な大ヒットを記録したそうです。 (千)


2015/オーストラリア 配給:アンプラグド
http://amakunai-sugar.com/
★2016年3月19土曜日より渋谷イメージフォーラムほか全国順次公開
(C)2014 Madman Production Company Pty Ltd, Old Mates Productions Pty Ltd, Screen Australia ALL RIGHTS RESERVED


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2016年02月21日

ディバイナー 戦禍に光を求めて  英題:THE WATER DIVINER

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監督:ラッセル・クロウ
出演:ラッセル・クロウ(『グラディエーター』『ノア 約束の舟』)、オルガ・キュリレンコ(『007/慰めの報酬』『オブリビオン』)、ジェイ・コートニー『ダイ・ハード/ラスト・デイ』『ターミネーター:新起動/ジェネシス』、イルマズ・アルドアン

1915年12月、第一次世界大戦下のトルコ。ガリポリの塹壕に潜むオスマン帝国軍が「アッラー アクバル!」と飛び出していく。軍楽隊もちゃんといる。開戦から7ヶ月 ようやく撤退の時期を迎えたのだ。その間、13万人以上の戦死者を出した激戦だった。
1919年、ガリポリの戦いから4年。オーストラリアの乾いた大地で暮らすディバイナー(水脈を探し当てる職人)のジョシュア・コナー。息子3人がガリポリの戦地から帰らぬことに絶望して妻が自殺してしまう。せめて妻のそばに息子たちの骨も埋葬したいとトルコに向かう。コナーは3ヵ月かけてイスタンブルにたどり着き、ガリポリに行こうとするが、許可を取れと埒が明かない。はたして、息子たちは見つかるのか・・・

コナーがイスタンブルの船着場で、客引きの少年に「お湯も出るしドイツ人もいないよ!」と荷物を奪われるようにして連れて行かれたのはこざっぱりした小さなホテル。少年の母である宿の女主人アイシェは、オーストラリア人と聞いて、「部屋はない」という。オスマン帝国にとって、大英帝国の一員であるオーストラリアは敵だったのだ。そばにいた男が「客は選べない」と諭し、泊めてもらうことになる。この男は夫かと思ったら、後の会話で音楽家の夫はガリポリで戦死していて、アイシェを第二夫人にと迫っている夫の兄とわかる。
また、アイシェの父(義父?)が、「昔、皇帝の痔を治した」とつぶやいていて、一家はオスマン帝国時代、いい暮らしをしていたらしい。

どうしてもガリポリに行きたいコナーだが、ギリシャ軍が攻めてきていることもあって許可が下りない。アイシェが「チャナックからダーダネルス海峡を小船で渡ってガリポリ近くのチャナッカレの町に行ける」と教える。「チャナッカレでは7万人が亡くなって町全体が墓場よ。そんな町に行きたい?」とアイシェがいう。
チャナッカレは、1983年に初めてトルコを訪れた時、最初の夜に泊まった町。海辺の佇まいの美しい町にそんな悲しい歴史があったとは・・・
 こうしてコナーはガリポリにたどり着くが、イギリス軍からは、許可なく来たので帰れと見放される。途方に暮れるコナーに、「死亡日から場所は推測できる」と手を差し伸べたのはオスマン帝国軍のハサン少佐。オーストラリアから参戦したコナーの息子たちにとっては敵方だった少佐が手助けするという物語に、映画を公平なものにする工夫が感じられる。冒頭、塹壕の中で祈りを捧げていたのはハサン少佐だったのだと思い当たる。

コナーが町を歩いている時に、「イギリスは出て行け!」と叫ぶ民族運動のデモを見かける。やがてハサン少佐は民族運動家達とアンカラでのムスタファ・ケマルの総会に赴く。オスマン帝国が終焉を迎え、トルコ共和国建国へと向かっている時代が垣間見られる映画にもなっていて興味深い。
ハサン少佐役のイルマズ・エルドガンは、ゴバディ監督の『サイの季節』で詩人の妻に横恋慕し仲を引き裂いたアクバルを演じたトルコのクルド人俳優。本作では元敵方の兵士の父を思いやるイイ男だ。
アイシェ役のオルガ・キュリレンコは『007/慰めの報酬』や『オブリビオン』が有名だが、私には『故郷よ』(ミハル・ボガニル監督)で演じたウクライナ女性役が印象深い。本作では、なかなか上手なトルコ語を駆使して奮闘している。
本作は、戦地から帰らぬ息子を探す父親の思いを軸に、戦争で敵だった相手を許す心を描いたラッセル・クロウ渾身の作品。
ブルーモスクで祈りを捧げる人々や、少年の割礼を賑やかにお祝いする光景もあって、トルコの文化も味わえる映画となっていて嬉しい。
一方で、塹壕の中で殺し合い、暗くて敵も味方もわからない状況が語られ、いかに戦いが虚しいものかも思い知らされる。(咲)


2014年/オーストラリア・アメリカ・トルコ/英語・トルコ語・ギリシャ語/111分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル
提供:日活
配給:東京テアトル
公式サイト:http://diviner-movie.jp
★2016年2月27日(土)有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 18:43| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月15日

『奇跡の2000マイル』 原題:『TRACKS』

2015年7月18日(土)より有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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監督:ジョン・カラン 撮影監督:マンディ・ウォーカー
制作:イアン・カニング、エミール・シャーマン
原作:ロビン・デビッドソン 脚本:マリオン・ネルソン
出演:ミア・ワシコウスカ、アダム・ドライバー

1977年、たった一人でオーストラリア西部の砂漠約2000マイル(3000キロ)を横断するという冒険の旅に出たロビン・デヴィッドソン。ラクダと愛犬とともに、1日あたり約32キロのペースで歩き、7ヵ月をかけ踏破した。旅の記録を綴った回顧録「TRACKS」は、およそ18の言語に翻訳され、1981年の発売以来何度も映画化の企画があったが遂に映画化。
オーストラリア各地で大がかりなロケーション撮影を敢行。実際にロビンが辿ったアリス・スプリングスからウルル(エアーズロック)を経由し、インド洋へと至る道程を撮影。険しい岩場、草原、砂漠に35ミリのフィルム・カメラを持ち込んで再現した。砂漠を中心とした映像は、かんかん照りの乾いた砂漠光景だけでなく、朝夕の神秘的な美しさも描かれ、乾いた景色の中にも緑が点在する景色なども描かれ、壮大なロードムービーが完成した。
主人公ロビンを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』のアリス役でブレイクしたミア・ワシコウスカ。ラクダの扱い方も徹底的に学び、旅を再現した。

冒険好き、探検好きな私だけど、このオーストラリアを横断した実話のことは全然知らなかった。このことを映画で知り、びっくりした。それにオーストラリアにラクダがいるとは思わなかったので「オーストラリアにラクダがいるの?」と二度びっくり。もともとはいなかったけど、開拓時代に荷物の運搬のために輸入したらしい。その後、車の発達と共に、ラクダは必要なくなり、砂漠に放したラクダが野生化したらしい。
それにしても、ラクダに荷物を背負わせての旅というのは正解。テントや食料、食事を作るための道具など、一切合切背負ったら40sくらいはいく。これを背負って歩いたら、たまらない。私も35s以上を背負って山登りしたことあるけど、背負うだけで大変。これで、何ヶ月もなんて耐えられない。でも、これを背負ってアメリカを1600kmも歩いて縦断した人もいる。その旅を描いた『わたしに会うまでの1600キロ』も8月28日に公開される。どちらも女性一人で歩いたまさに冒険実話。
でも、両作とも帽子はかぶらず、短パンだったり、肩からの肌を露出させて歩いているシーンもあり、これって本当?って思ってしまった。かんかん照りの太陽の下、こんな格好で歩くなんて信じられない。肌は大荒れだよね。それとも映画的演出?
私の友人は(日本人とオーストラリア人)、オーストラリア西部のパースというところに住んでいるけど、1989年頃、オーストラリア東部からパースまで、車で6000kmくらい移動した。その時は2週間くらいかかったと言っていた。それを考えると徒歩で7ヶ月も歩くなんてすごい! オーストラリアはオオカミや熊などはいないのかな? だから女性一人でもやってみようと思ったのか。
オーストラリアには『裸足の1500マイル』という作品もあった。政府の政策によって連れ去られたアボリジニーと白人の混血の女の子たちが、母の元まで歩いてもどる物語だったけど、これも感動的な物語だった(暁)。
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コピーライトマーク 2013 SEE-SAW (TRACKS) HOLDINGS PTY LIMITED, A.P. FACILITIES PTY LIMITED, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, SCREEN NSW AND ADELAIDE FILM FESTIVAL

公式HP http://www.kisekino2000mile.com/
2013年/ オーストラリア /112分
配給:ブロードメディア・スタジオ
posted by akemi at 19:18| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする