2016年03月14日

あまくない砂糖の話  原題:THAT SUGAR FILM

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監督:デイモン・ガモー 製作:ニック・バジアス
製作総指揮:ポール・ウィーガード 
出演:デイモン・ガモー、ゾーイ・タックウェル=スミス 他

オーストラリアの俳優デイモン・ガモーは、人間は平均1日でスプーン40杯もの砂糖を摂取していることを知り、疑問を持った彼は医療チームと共に自分を実験台にして砂糖を食べ続ける暮らしを始めた。しかも砂糖の多い甘い食べ物ではなく、あえて低脂肪ヨーグルトやシリアルバーなど、いわゆる「ヘルシー食品」と呼ばれる食べ物を60日間食べ続け、体や心がどのように変化していくのか記録していく--。

シリアルや機能性食品と呼ばれる物を私もよく買って食べていたし、カラダに良いイメージを抱いていたが、木端微塵に(涙目)。どうりで痩せないはずだし、どうして、どんな食品にもこんなにも砂糖が使われているんですか?!! 実験を続けた監督も同じような疑問を持ち、肥満大国アメリカへ飛ぶ。ドキュメンタリー映画『フード・インク』でも描かれていたが政治と食品企業の癒着… マクドナルドを食べ続けた『スーパーサイズ・ミー』より、はるかにコワイ砂糖の現実… そして実験を続けるイケメン監督はブヨブヨ太り、イライラ短気人間になっていった(わかりやすい砂糖の害)。でも映画自体はコミカルでカワイイ作りになっていて、なんと言っても監督の奥様がチャーミング!! 肥満が社会問題化しつつあるオーストラリアで驚異的な大ヒットを記録したそうです。 (千)


2015/オーストラリア 配給:アンプラグド
http://amakunai-sugar.com/
★2016年3月19土曜日より渋谷イメージフォーラムほか全国順次公開
(C)2014 Madman Production Company Pty Ltd, Old Mates Productions Pty Ltd, Screen Australia ALL RIGHTS RESERVED


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2016年02月21日

ディバイナー 戦禍に光を求めて  英題:THE WATER DIVINER

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監督:ラッセル・クロウ
出演:ラッセル・クロウ(『グラディエーター』『ノア 約束の舟』)、オルガ・キュリレンコ(『007/慰めの報酬』『オブリビオン』)、ジェイ・コートニー『ダイ・ハード/ラスト・デイ』『ターミネーター:新起動/ジェネシス』、イルマズ・アルドアン

1915年12月、第一次世界大戦下のトルコ。ガリポリの塹壕に潜むオスマン帝国軍が「アッラー アクバル!」と飛び出していく。軍楽隊もちゃんといる。開戦から7ヶ月 ようやく撤退の時期を迎えたのだ。その間、13万人以上の戦死者を出した激戦だった。
1919年、ガリポリの戦いから4年。オーストラリアの乾いた大地で暮らすディバイナー(水脈を探し当てる職人)のジョシュア・コナー。息子3人がガリポリの戦地から帰らぬことに絶望して妻が自殺してしまう。せめて妻のそばに息子たちの骨も埋葬したいとトルコに向かう。コナーは3ヵ月かけてイスタンブルにたどり着き、ガリポリに行こうとするが、許可を取れと埒が明かない。はたして、息子たちは見つかるのか・・・

コナーがイスタンブルの船着場で、客引きの少年に「お湯も出るしドイツ人もいないよ!」と荷物を奪われるようにして連れて行かれたのはこざっぱりした小さなホテル。少年の母である宿の女主人アイシェは、オーストラリア人と聞いて、「部屋はない」という。オスマン帝国にとって、大英帝国の一員であるオーストラリアは敵だったのだ。そばにいた男が「客は選べない」と諭し、泊めてもらうことになる。この男は夫かと思ったら、後の会話で音楽家の夫はガリポリで戦死していて、アイシェを第二夫人にと迫っている夫の兄とわかる。
また、アイシェの父(義父?)が、「昔、皇帝の痔を治した」とつぶやいていて、一家はオスマン帝国時代、いい暮らしをしていたらしい。

どうしてもガリポリに行きたいコナーだが、ギリシャ軍が攻めてきていることもあって許可が下りない。アイシェが「チャナックからダーダネルス海峡を小船で渡ってガリポリ近くのチャナッカレの町に行ける」と教える。「チャナッカレでは7万人が亡くなって町全体が墓場よ。そんな町に行きたい?」とアイシェがいう。
チャナッカレは、1983年に初めてトルコを訪れた時、最初の夜に泊まった町。海辺の佇まいの美しい町にそんな悲しい歴史があったとは・・・
 こうしてコナーはガリポリにたどり着くが、イギリス軍からは、許可なく来たので帰れと見放される。途方に暮れるコナーに、「死亡日から場所は推測できる」と手を差し伸べたのはオスマン帝国軍のハサン少佐。オーストラリアから参戦したコナーの息子たちにとっては敵方だった少佐が手助けするという物語に、映画を公平なものにする工夫が感じられる。冒頭、塹壕の中で祈りを捧げていたのはハサン少佐だったのだと思い当たる。

コナーが町を歩いている時に、「イギリスは出て行け!」と叫ぶ民族運動のデモを見かける。やがてハサン少佐は民族運動家達とアンカラでのムスタファ・ケマルの総会に赴く。オスマン帝国が終焉を迎え、トルコ共和国建国へと向かっている時代が垣間見られる映画にもなっていて興味深い。
ハサン少佐役のイルマズ・エルドガンは、ゴバディ監督の『サイの季節』で詩人の妻に横恋慕し仲を引き裂いたアクバルを演じたトルコのクルド人俳優。本作では元敵方の兵士の父を思いやるイイ男だ。
アイシェ役のオルガ・キュリレンコは『007/慰めの報酬』や『オブリビオン』が有名だが、私には『故郷よ』(ミハル・ボガニル監督)で演じたウクライナ女性役が印象深い。本作では、なかなか上手なトルコ語を駆使して奮闘している。
本作は、戦地から帰らぬ息子を探す父親の思いを軸に、戦争で敵だった相手を許す心を描いたラッセル・クロウ渾身の作品。
ブルーモスクで祈りを捧げる人々や、少年の割礼を賑やかにお祝いする光景もあって、トルコの文化も味わえる映画となっていて嬉しい。
一方で、塹壕の中で殺し合い、暗くて敵も味方もわからない状況が語られ、いかに戦いが虚しいものかも思い知らされる。(咲)


2014年/オーストラリア・アメリカ・トルコ/英語・トルコ語・ギリシャ語/111分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル
提供:日活
配給:東京テアトル
公式サイト:http://diviner-movie.jp
★2016年2月27日(土)有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー
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2015年07月15日

『奇跡の2000マイル』 原題:『TRACKS』

2015年7月18日(土)より有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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監督:ジョン・カラン 撮影監督:マンディ・ウォーカー
制作:イアン・カニング、エミール・シャーマン
原作:ロビン・デビッドソン 脚本:マリオン・ネルソン
出演:ミア・ワシコウスカ、アダム・ドライバー

1977年、たった一人でオーストラリア西部の砂漠約2000マイル(3000キロ)を横断するという冒険の旅に出たロビン・デヴィッドソン。ラクダと愛犬とともに、1日あたり約32キロのペースで歩き、7ヵ月をかけ踏破した。旅の記録を綴った回顧録「TRACKS」は、およそ18の言語に翻訳され、1981年の発売以来何度も映画化の企画があったが遂に映画化。
オーストラリア各地で大がかりなロケーション撮影を敢行。実際にロビンが辿ったアリス・スプリングスからウルル(エアーズロック)を経由し、インド洋へと至る道程を撮影。険しい岩場、草原、砂漠に35ミリのフィルム・カメラを持ち込んで再現した。砂漠を中心とした映像は、かんかん照りの乾いた砂漠光景だけでなく、朝夕の神秘的な美しさも描かれ、乾いた景色の中にも緑が点在する景色なども描かれ、壮大なロードムービーが完成した。
主人公ロビンを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』のアリス役でブレイクしたミア・ワシコウスカ。ラクダの扱い方も徹底的に学び、旅を再現した。

冒険好き、探検好きな私だけど、このオーストラリアを横断した実話のことは全然知らなかった。このことを映画で知り、びっくりした。それにオーストラリアにラクダがいるとは思わなかったので「オーストラリアにラクダがいるの?」と二度びっくり。もともとはいなかったけど、開拓時代に荷物の運搬のために輸入したらしい。その後、車の発達と共に、ラクダは必要なくなり、砂漠に放したラクダが野生化したらしい。
それにしても、ラクダに荷物を背負わせての旅というのは正解。テントや食料、食事を作るための道具など、一切合切背負ったら40sくらいはいく。これを背負って歩いたら、たまらない。私も35s以上を背負って山登りしたことあるけど、背負うだけで大変。これで、何ヶ月もなんて耐えられない。でも、これを背負ってアメリカを1600kmも歩いて縦断した人もいる。その旅を描いた『わたしに会うまでの1600キロ』も8月28日に公開される。どちらも女性一人で歩いたまさに冒険実話。
でも、両作とも帽子はかぶらず、短パンだったり、肩からの肌を露出させて歩いているシーンもあり、これって本当?って思ってしまった。かんかん照りの太陽の下、こんな格好で歩くなんて信じられない。肌は大荒れだよね。それとも映画的演出?
私の友人は(日本人とオーストラリア人)、オーストラリア西部のパースというところに住んでいるけど、1989年頃、オーストラリア東部からパースまで、車で6000kmくらい移動した。その時は2週間くらいかかったと言っていた。それを考えると徒歩で7ヶ月も歩くなんてすごい! オーストラリアはオオカミや熊などはいないのかな? だから女性一人でもやってみようと思ったのか。
オーストラリアには『裸足の1500マイル』という作品もあった。政府の政策によって連れ去られたアボリジニーと白人の混血の女の子たちが、母の元まで歩いてもどる物語だったけど、これも感動的な物語だった(暁)。
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コピーライトマーク 2013 SEE-SAW (TRACKS) HOLDINGS PTY LIMITED, A.P. FACILITIES PTY LIMITED, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, SCREEN NSW AND ADELAIDE FILM FESTIVAL

公式HP http://www.kisekino2000mile.com/
2013年/ オーストラリア /112分
配給:ブロードメディア・スタジオ
posted by akemi at 19:18| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月20日

マッドマックス 怒りのデス・ロード(原題:Mad Max: Fury Road)

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監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラソウリス
撮影:ジョン・シール
音楽:ジャンキー・XL
出演:トム・ハーディ(マックス)、シャーリーズ・セロン(フュリオサ)、ニコラス・ホルト(ニュークス)、ヒュー・キース=バーン(イモータン・ジョー)、ゾーイ・クラビッツ(トースト)

地球は汚染され、水や食料をはじめ資源が尽きかけ、荒廃した砂漠がひろがる。愛する妻子を救えなかった元警官のマックスはいまや本能だけで生きていた。武装集団ウォーボーイズの襲撃を受け、砂漠を支配するイモータン・ジョーの砦に拉致された。同じ頃ジョーの右腕だった女戦士フュリオサの裏切りが発覚する。フュリオサは貴重な燃料や水のタンクと一緒に、ジョーが囲っている5人の妻たちも連れ出していた。怒り心頭のジョーはウォーボーイズを率いてフュリオサを追撃する。ジョーに心酔するニュークスは、屈強なマックスを自分の「輸血袋」として車に固定し、戦闘に躍り出ていく。

メル・ギブソン主演の第1作『マッド・マックス』(1979年)以来、2,3と続編を製作、長い時間を経てようやく4作目が公開になりました。ジョージ・ミラー監督は70歳と年を重ねましたが、この最新作の切れ切れアクションといったら、目が丸くなります。一応ストーリーはあるものの、全編アクション、アクションまたアクション。それもカーチェイスしながらです。
悪役イモータン・ジョーの悪魔のようなカリスマっぷり、スピードもMAXの改造車と爆音、マックスに負けないほど男前なフュリオサ(シャーリーズ・セロン汚しても美人)、女神のような5人の妻・・・と、男の子たちが大好きな要素がぎっちりつまっています。
トム・ハーディは、ほぼ一人で出ずっぱりの『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』が6月27日、『チャイルド44 森に消えた子供たち』が7月3日公開と主演作品が続きます。善悪どちらにも染められる自由度(演技力も)の高い俳優です。要注目!(白)


2015年/オーストラリア/カラー/シネスコ/120分/2D,3D、IMAX
配給:ワーナー・ブラザース
(c)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/

★2015年6月20日(土)より全国公開
posted by shiraishi at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

プリデスティネーション(原題:Predestination)

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監督・脚本:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
原作:ロバート・A・ハインライン「輪廻の蛇」(早川書房刊)
撮影:ベン・ノット
音楽:ピーター・スピエリッグ
出演:イーサン・ホーク(バーテンダー)、サラ・スヌーク(ジョン)、ノア・テイラー

1970年。連続爆弾魔フィズル・ボマーの凶行に世間が慄いているとき、とあるバーに青年ジョンがやってくる。バーテンダーに酒代を賭けて、自分の数奇な物語を聞かせた。元はジェーンという“女の子”として生まれ、孤児院で育った。18歳のときに出会った男と恋したが彼は姿を消し、未婚のまま子どもを産むことになった。出産の際、赤ん坊と自分の命を救うため医師が両性具有だった自分を“男”として生き残らせたのだという。バーテンダーは長い物語を聞き終え、「その男に復讐したくはないか」とジョンに尋ねる。自分がタイムエージェントだと明かしたバーテンダーは、ジョンを連れて1963年へと飛んだ。

『デイブレイカー』(2010年)に続き、双子の兄弟監督マイケル&ピーター・スピエリッグトとイーサン・ホークがタッグを組んだ作品。前作は出演を快諾してくれたイーサン・ホークのおかげで、キャストが集まり映画化にはずみがついたそうです。今回もきっとそのご縁なのでしょう。
大好きなタイムトラベルもので、それにつきもののタイムパラドックスを扱っています。固唾を飲んで見つめました。登場人物が少ない分、演じるイーサン・ホークとサラ・スヌークはものすごく大変だったと思いますが、やりがいもあったはず。
原題の「Predestination(プリデスティネーション)」の意味は「宿命」。これと原作の短編「輪廻の蛇」のタイトルでおおよその予想がつくかもしれませんが、この時空を越えた複雑な物語を脚本化・映像化した兄弟監督、今後も目が離せません。1940年〜1990年代を移動するため、その時代を感じさせる衣装や美術にも注目です。撮影監督も時代ごとに色や質感を変えていたそうです。観終ったら「え〜!」と感嘆、もう一度観直したくなります。(白)


2014年/オーストラリア/カラー/シネスコ/97分
配給:プレシディオ
(C)2013 Predestination Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Screen Queensland Pty Ltd and Cutting Edge Post Pty Ltd
http://www.predestination.jp/
★2015年2月28日(土)新宿バルト9他にて全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする