2016年10月23日

彷徨える河   原題:El abrazo de la serpiente  英題:EMBRACE OF THE SERPENT

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監督・脚本:シーロ・ゲーラ
出演:ヤン・ベイヴート、ブリオン・デイビス、アントニオ・ボリバル・サルバドール、ニルビオ・トーレス
アマゾン流域の奥深いジャングルの侵略者によって滅ぼされた先住民族の村。シャーマンのカラマカテは、唯一の生き残りとして孤独に生きている。ある日、重い病に侵されたドイツ人民族誌学者がカラマカテを頼ってやってくる。白人を嫌うカラマカテは治療を拒否するが、ようやく病を治す幻の聖なる植物ヤクルナを探しにカヌーを漕ぎ出す。
数十年後、ヤクルナを求めてアメリカ人植物学者がカラマカテを訪ねてくる。孤独に過ごしてきた彼は記憶や感情を失っていたが、アメリカ人の訪問によって再び旅に出る・・・

本作は、20世紀初頭と中盤にアマゾンに足を踏み入れた実在する2人の白人探検家の手記に触発されて作られた物語。
アマゾン先住民の生き残りで呪術をあやつるカラマカテの元を、異なる時代に訪れた二人の探検家。美しく詩情溢れる映像で二つの時代を交錯させながら描かれている物語。観ていて私自身が呪術にかかったような気分になりました。
「西洋文明」が、ずたずたにしてしまったアマゾンの伝統文化。何が文明なのかを考えさせられました。(咲)


コロンビア初のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品
2015年/コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン/B&W+color/2.35:1/124分
配給:トレノバ / ディレクターズ・ユニブ
後援:コロンビア共和国大使館
公式サイト:http://www.samayoerukawa.com/
★2016年10月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
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2015年11月13日

料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命 原題:Buscando a Gaston

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出演:ガストン・アクリオ[ Astrid&Gastón Casa Moreyra(ペルー)]
レネ・レッゼピ[ NOMA(デンマーク)]
マッシモ・ポットゥーラ[ OSTERIA FRANCESCANA(イタリア)]
アレックス・アタラ[ D.O.M(ブラジル) ]
アンドニ・アドゥリッス[ MUGALITZ(スペイン) ]

料理は、星の数より笑顔の数だ

ペルーを代表する料理人、ガストン・アクリオ。自国のすばらしい文化を世界へ発信する、という彼の夢とミッションは、ペルーの食文化に一大革命をもたらした。
本作は、その革命の神髄に迫る、ペルーの心と魂が綴る魔法の旅。

家族の薦めでロースクールに入学するも、料理への情熱を捨てられなかったガストン。パリのル・コルドン・ブルーで料理を学ぶ。その間に出会った妻を伴い、1994年、25歳の時にペルーに戻り、レストランを開く。当初はフレンチスタイルの料理を提供していたが、徐々にペルーの食材を使った料理の研究を始める・・・

2年にわたり、ペルーを代表する料理人ガストン・アクリオと彼のチームを追って世界を駆け巡ったパトリシア・ペレズ監督。この旅を通じて、彼女はガストンの持つ夢や哲学、そしてペルー料理の持つ不思議な魅力、背景にある歴史や文化等々、一皿には盛り切れないストーリーに気付いたといいます。
料理で国を変えたとまで称されるガストン・アクリオですが、いつも笑顔を絶やさない彼のまわりには、ほんわかとした空気が漂っています。この笑顔が美味しい料理を生み出しているのだなぁ〜と思います。
私がペルー料理と初めて出会ったのは、20代後半、京都でのこと。白いインカ・コーラはすごく印象に残っているのですが、あとは豆料理の薄っすらとした記憶くらい。東京では乃木坂に「ナスカ」というお店があって、たまたま最近ランチをしたことがあります。いつかペルーでガストン・アクリオの料理を味わってみたいものです。
ガストンからは、なにごとも情熱が大事だと教えられました。夢に向かって前進あるのみ!(咲)


配給:スタイルジャム
ペルー・アメリカ/2014/75min/カラー/ドキュメンタリー
公式サイト:http://www.gaston-movie.jp
★2015年11月14日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
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2014年06月08日

リアリティのダンス 原題:La Danza de la Realidad 英題:The Dance Of Reality

監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:ブロンティス・ホドロフスキー(『エル・トポ』)、パメラ・フローレス、クリストバル・ホドロフスキー、アダン・ホドロフスキー 音楽:アダン・ホドロフスキー
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1920年代、軍事政権下のチリ。北部ボリビア国境近くの炭鉱の町トコピージャで、幼少のアレハンドロは、厳格な父と、元オペラ歌手の母と暮らしていた。父はウクライナから移住してきたユダヤ人で「ウクライナ商会」を営んでいる。鷲鼻で金髪のアレハンドロ少年は、学校でピノキオと呼ばれ、いじめられていた。母は息子を自分の父の生まれ変わりと信じていて、床屋で息子が金髪を短く切られてしまったことを狂ったように嘆く。
ある日、共産党員の父は独裁政権に反対し、大統領暗殺に挑む・・・
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4月24日 来日記者会見で「私の東洋好きがわかるでしょう」と奥様のパスカルさんを紹介したホドロフスキー監督。パスカルさんは、衣装デザインとして映画製作に参加。

幼少期を過ごしたトコピージャで撮影を敢行した自伝的作品。80年前とほとんど変わらない街並みで、唯一焼けてなくなっていた両親の「ウクライナ商会」を再現。
権威主義的な父親を演じたのは、ホドロフスキー監督の息子ブロンティス。監督は、息子に父の姿を観て憎むという得難い経験をしたと語っています。
また、アレハンドロ少年の金髪を切った日本人の床屋で、監督の同級生。
住んでいた幼少期には、よそ者と感じていた町で、撮影を通じて英雄扱いされることになった監督。両親への思いや、故郷への思いにあふれた幻想的な1作。
手や足を失った男の人たちが出てきて、炭鉱の町で事故の犠牲になった人たちが大勢いることに思いがいたりました。(咲)


2013 年/チリ・フランス/130 分/スペイン語/カラー/1:1.85/DCP
配給:アップリンク/パルコ
★2014年7月12日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンクほか、全国順次公開
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/dance/
posted by sakiko at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 南米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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