2018年10月21日

マイ・プレシャス・リスト(原題:CARRIE PILBY)

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監督:スーザン・ジョンソン
原作:カレン・リスナー(Caren Lissner)著(2003年)
出演:ベル・パウリー、ガブリエル・バーン、ネイサン・レイン、ヴァネッサ・ベイアー、ジェイソン・リッター、ウィリアム・モーズリー、コリン・オドナヒュー

ニューヨークのマンハッタンで暮らすキャリー(ベル・パウリ―)はIQ185、ハーバード大学を飛び級で卒業した天才だが、友達も仕事も持たず、読書ばかりしている【コミュ力(りょく)】ゼロの屈折女子。話し相手はセラピストのペトロフ(ネイサン・レイン)だけ。ある日彼はキャリーにリストを渡し、そこに書かれた6つの課題を1か月間でクリアするように告げる。「何のために?」「それで問題はすべて解決するの?」半信半疑ながらも、まずは金魚を2匹飼い始め、昔好きだったチェリーソーダを飲み、新聞の出会い広告でデート相手を探し…と1つずつ項目を実行していくキャリー。そして、人と関わり打ち解けたり傷ついたりする中で、徐々に自分の変化に気づいていく。キャリーは果たしてリストを全てクリアして、幸せを手にすることができるのか――?

セラピストがキャリーに出した課題は次の6つ。
・ペットを飼う
・子供の頃に好きだったことをする
・デートに出かける
・友達を作る
・一番お気に入りの本を読む
・誰かと大晦日を過ごす
こんなことで本当に幸せになれるのか。疑問を感じるキャリーだが、人と関わるうちに仲間と呼べる存在を得て、多様な価値観を受け入れられるようになっていく。キャリーを演じたベル・パウリーはストーリーが進むにつれて笑顔が増え、感情表現も豊かに。これも人と関わるようになったからか。一人でいたら笑えない。「ちょっとやってみようかな」という気がしてくる。
ところで、キャリーが人とコミュニケーションが取れないのは、すべて本人のせいだろうか。IQが高く、飛び級でハーバード大学を卒業した天才は私たちとは違うと、こちらも壁を作っているのかもしれない。多様な価値観の受け入れが必要なのは私たちにもいえること。誰に対してもフラットな気持ちを持つことがコミュニケーションの基本と、作品は見ている者にも気づきを与えてくれる。(堀)


2016/アメリカ/英語/カラー/ビスタ/98分
配給:松竹
(C) 2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. http://my-precious-list.jp/
★2018年10月20日(土)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
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2018年10月20日

デス・ウィッシュ(原題:Death Wish)

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監督:イーライ・ロス
脚本:ジョー・カーナハン
出演:ブルース・ウィリス、ビンセント・ドノフリオ、エリザベス・シュー、カミラ・モローネ、ボー・ナップほか

犯罪が多発し、警察の手に負えない無法地帯と化した街、シカゴ。救急救命の患者を診る外科医ポール・カージー(ブルース・ウィリス)は、毎日犯罪に巻き込まれた患者の生死に立ち会っていた。裕福で幸せな家庭だけが彼の平穏の地だった。しかし、ポールが留守のうちに家族は何者かに襲われ、妻は死に、娘は昏睡状態になってしまう。ポールの願いも空しく警察の捜査は一向に進展をみせなかった。怒りの頂点に達したポールは、犯人を抹殺するべく自ら銃を手に取り、危険な街へと繰り出し始める―。

ブライアン・ガーフィールドの「狼よさらば」を原作に、1974年にチャールズ・ブロンソンが主演を務めた伝説の同名映画のリメイク版。主人公ポール・カージーの職業は原作では会計士だが、『狼よさらば』ではチャールズ・ブロンソンが演じることで建築士になり、本作ではシカゴで救急患者を診る外科医とされた。ポールを演じるブルース・ウィリスは外科医より、殺し屋の方がしっくりくると思っていたが、意外に白衣(手術着は青緑だが)も似合っていた。また、これまで他の作品でさんざん銃を扱ってきたブルース・ウィリスが初めて拳銃を手にしたときに見せた動揺は何とも愛いらしい。ネットで銃の扱いを調べて、構造を確認したり、悪人を断罪する様子がネットで話題になり、神扱いされるあたりは、現代ならではだろう。
妻を殺し、娘を昏睡状態に陥らせた憎き犯人に罰を下すため、夜な夜な街に繰り出す。犯人の手がかりを知る人物から情報を聞き出すため、医学知識を使って死なないギリギリのラインで苦しみを与える。この演出は『ノック・ノック』でキアヌ・リーブスをいたぶりまくったイーライ・ロスらしい。
物語の着地点は見事。これで処刑人から足を洗って、外科医に専念できるだろうが、ファンとしてはぜひ続編が見たい。(堀)


2018年/アメリカ/カラー/デジタル/英語/107分
配給:ショウゲート
(C) 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved. http://deathwish.jp/
★2018年10月19日(金)全国公開
posted by shiraishi at 02:48| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月15日

ピッチ・パーフェクト ラストステージ(原題:Pitch Perfect 3)

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監督:トリッシュ・シー
原作:ミッキー・ラプキン
原案・脚本:ケイ・キャノン
脚本:マイク・ホワイト
音楽:クリストファー・レナーツ
出演:アナ・ケンドリック(ベッカ)、レベル・ウィルソン(ファット・エイミー)、ヘイリー・スタインフェルド(エミリー)、ブリタニー・スノウ(クロエ)、アンナ・キャンプ(オーブリー)、ハナ・マエ・リー(リリー)、エスター・ディーン(シンシア・ローズ)、クリッシー・フィット(フロー)、ルビー・ローズ(カラミティ)

バーデン大学で結成された伝統あるアカペラグループ「バーデン・ベラーズ」。メンバーたちはこれまで歌うことの楽しさを分かち合い、数々のコンテストにも挑戦してきた。世界大会優勝で有終の美を飾り、大学を卒業して数年。輝かしい日々はいつのまにか遠のき、キャリア、恋、友情、家族と思い通りにならない現実の中にいる。そんな彼女たちにUSO(米軍慰問団)の海外ツアーでベラーズ再結成のチャンスが訪れる。しかもDJに認められれば、彼のツアーに前座として加わることができるのだ。すっかりその気で盛り上がるメンバーだったが、同じ目的のバンドが現われる。その実力ハンパなかった。

ずっと楽しみに観てきたこのシリーズ。相変わらず強気で元気なメンバーたち?かと思いきや、あちこちで挫折を経験していました。現実は甘くありません。エイミーはいつも騒ぎのネタを提供しますが、今回も期待どおり。うーん、しかしながら逮捕されるレベルですよ。
ライバルになるガールズバンドにかっこいいお姐さんが!『ジョン・ウィック:チャプター2』『トリプルX:再起動』などに顔を見せていたルビー・ローズでした。シリーズ最終ということで、海外ロケやら爆発やら派手ですが、やはり聞かせどころ、見せどころはアカペラのパフォーマンス。これだけ歌えたら、何も胸の谷間を見せる衣装でなくてもと思うのですが、男性ファンへサービス?
本作のメガホンをとったトリッシュ・シー監督は、元はプロのダンサーと振付師だったそうで、06年に実弟のロックバンドのMVの監督としてデビューしています。それが07年のグラミー賞で「ベスト・ショート・フォーム・ミュージックビデオ」賞を獲得。メジャーに躍り出ました。この作品にぴったりの女性監督さんですね。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/93分
配給:パルコ、シンカ
(C)2017 UNIVERSAL STUDIOS
http://pitchperfect-last.jp/
★2018年10月19日(金)TOHoシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
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2018年10月14日

バーバラと心の巨人(原題:I Kill Giants)

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監督:アナス・バルター
原作:ジョー・ケリー、ケン・ニイムラ
脚本:ジョー・ケリー
音楽:ローラン・ペレズ・デル・マール
出演:マディソン・ウルフ(バーバラ)、イモージェン・プーツ(カレン)、シドニー・ウェイド(ソフィア)、ロリー・ジャクソン、ゾーイ・サルダナ(モル先生)

“ウサギの耳”を頭につけた風変わりな眼鏡っ子のバーバラ。学校では浮いていていじめっ子の格好のターゲットだが、そんなもの全然平気。バーバラには「巨人からこの町を守る」という大きな使命があるのだから。兄デイヴからはオタクと馬鹿にされ、家事と仕事で忙しい姉のカレンには、耳を傾ける余裕がない。バーバラは森へ出かけて秘蔵の巨人のエサを木に塗り、浜辺では“罠”の手入れをし、注意深く見回って安全を確認する。不審な行動をする彼女を、赴任してきたカウンセラーのモル先生がそっと注目している。
イギリスからの転校生のソフィアが、バーバラと友達になりたがっているが無視しているバーバラ。学校でも巨人の予兆を感知し、おまなじないで遠ざけるのに忙しいのだ。ちょっかいを出してきたいじめっ子をソフィアが撃退したのをきっかけに、バーバラも心を開きはじめる。ソフィアは巨人の話を半信半疑で聞きながらも、なにかとバーバラの力になろうとする。

原作はDCコミックス。文章担当のジョー・ケリーがこの脚本も書いています。作画担当のケン・ニイムラはスペイン人の母と日本人の父を持つハーフ。コミックスは2008~2009年に発行され、2012年に外務省主催・第5回国際漫画賞では最優秀賞受賞を獲得。邦訳版も小学館から出ています。思春期の少女の不安定な心を男性コンビが描いたのかとホー。大人の女性は不可解でもその前なら共通点が多いのでしょう。悩めるバーバラと違って、いじめる男の子たちのなんとガキっぽいこと。
バーバラがこだわる巨人や、おまじないの言葉、決して足を踏み入れない2階・・・全ての謎はラストへ向かって明らかになります。バーバラを好演したマディソン・ウルフが『死霊館 エンフィールド事件』のヒロインだったと知って、ホラー苦手で避けていたけれど見てみようかと心動いています。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/106分
配給:REGENTS、パルコ
(C)I KILL GIANTS FILMS LIMITED 2017
http://barbara-movie.jp/
★2018年10月12日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 12:09| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月07日

ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ  原題:In Jackson Heights

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監督・録音・編集・製作:フレデリック・ワイズマン

ニューヨーク市クイーンズ区の北西にジャクソンハイツと呼ばれる一画がある。
ここには、中南米各国をはじめ、パキスタン、バングラディシュ、インド、タイ、ネパール、チベットの人々のコミュニティがあり、初期の移民の子孫であるイタリア人、ユダヤ人、アイルランド人と一緒に住んでいる。ニューヨークの平均と比較すると、2015年の統計でヒスパニック系が57%と突出して多く、黒人は3.5%と少ない。
本作は、2014年5月から9週間、この地域の人々にカメラを向けたドキュメンタリー。
通りの出来事、商売(衣料品店、コインランドリー、ベーカリー、レストラン、スーパーマーケット)、宗教施設(モスク、寺院、教会)などで撮影した素材は合計120時間。
その後、10ヶ月かけて編集した本作から見えてくるものは・・・?

本作は、アメリカを代表するドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマンの40作目。コミュニティについて作った作品としては、『アスペン』『メイン州ベルファスト』に次ぐ3番目の作品。

ユダヤの教会であるシナゴーグの集会室が、ユダヤ人のコミュニティだけでなく、ムスリムやほかの様々な団体も利用するコミュニティセンターになっていて興味深い。
また、ジャクソンハイツは、ブロードウェイから7号線一本で行ける便利さから、俳優や芸人が多く移り住み、彼らの多くがゲイだったことからゲイコミュニティも古くから存在する。再開発で、集まる場所が交通の不便な所になることを心配する人たちも。
167の言語が話され、性的マイノリティの人たちも暮らす、まさに世界の縮図のような町。価値観も様々な人々が共存するミラクルな世界に、地球全体がこうであればと!(咲)


2015年9月ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映。

2015年/アメリカ・フランス/189分/カラー/ドルビーデジタル/ヴィスタサイズ
配給:チャイルド・フィルム/ムヴィオラ
(C) 2015 Moulins Films LLC All Rights Reserved
公式サイト:http://child-film.com/jackson/
★2018年10月20日(土)シアターイメージフォーラムほか全国順次ロードショー







posted by sakiko at 19:19| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする