2017年07月30日

アトラクション 制圧(原題:Attraction)

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監督:フョードル・ボンダルチュク
出演:イリーナ・ストラシェンバウム(ユリア)、アレクサンドル・ペトロフ(チョーマ)、リナル・ムハメトス(ヘイコン)

流星群が見えるという日。北欧の上空に突如未確認飛行物体・宇宙船が出現した。ロシアの首都モスクワに近づき、重ねての警告にも応答はない。領空を犯し接近してくるそれを迎撃すると、高層の建物をなぎ倒し墜落する。その間市民たちは逃げるところもなく、なんの防御もできなかった。
軍の大佐の娘ユリアは、厳しい父の目を盗んでボーイフレンドのチョーマとベッドの中だった。倒壊した建物に宙づりになるが九死に一生を得る。ロシア政府は戒厳令を発布し、多数の被害を出した宇宙船を取り囲む。異星人はあちこちに散り、母船に帰還しようとしていた。

2005年の戦争映画『スターリングラード』のフョードル・ボンダルチュク監督の新作SF作品。「カリコレ2017/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017」(17年7月15日〜8月18日)上映作品のひとつ。トップレベルの視覚効果スタッフ、アーティストを集めて完成した大作です。CGとわかっていても「うわあぁ」です。
これを観ると某国のミサイル攻撃に備えて屋内待機とか言ってるのは「無理×無駄」としか思えません。何かあったとき民衆にはなんの選択肢もありません。遠隔地からボタン一つでピンポイント爆撃ができるという映像はいやになるほど見て来ました。各大国トップの皆様には知恵を絞って地球人同士の対話につとめていただきたいものです。地球はひとつしかないんですから。
さて宇宙人の話でした。ユリアは宇宙人に遭遇し、会話をすることができました。地球に降り立ったというだけでも、地球人より数段優れた能力と知性があると思うべきですよね。地球人はまだ生物のいる星を見つけていませんし、『メッセージ』(2016)のようなコンタクトもとれません。
粗暴で俺様な彼氏のチョーマよりヘイコンが素敵だったので、ユリアのロマンスが許せます。(白)


2017年/ロシア/カラー/シネスコ/117分
配給:プレシディオ
(C)Art Pictures Studio
http://www.attraction-movie.com/
★2017年8月8日(火)新宿シネマカリテほか全国順次公開
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2017年03月31日

ハードコア  原題:HARDCORE HENRY

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製作・脚本・監督:イリヤ・ナイシュラー
出演:シャールト・コプリー(『第9地区』)、ダニーラ・コズロフスキー、ヘイリー・ベネット、ティム・ロス

目を覚ますと、そこは近未来的な研究室。
「ヘンリー、準備はいい?」と呼びかける美しい女性研究者エステル。
事故にあい、記憶と声、そして左側の手足を失ってしまった身体に、新しい身体の一部となる機械が接合されていく。声帯の処置にかかろうとした時、突然警報が鳴り、何者かが侵入してきて研究者たちを次々と惨殺していく。エステルと二人で研究室から脱出ポッドを使って離脱。二人はモスクワのハイウェイに墜落する・・・

次々に起こる事態に対処していく姿は、なんだかゲームのよう。
監督のイリヤ・ナイシュラーは、ロシアのパンクロックバンド「バイティング・エルボーズ」のフロントマン。映画製作者としては無名の方。
不思議な世界が体験できること、請合います! (咲)


2016年/ロシア・アメリカ/96分/DCP5.1ch/ビスタ/英語・ロシア語
配給:クロックワークス
公式サイト:http://hardcore-eiga.com/
★2017年4月1日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
posted by sakiko at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月24日

神聖なる一族24人の娘たち   原題:Nebesnye zheny lugovykh mari  英題:Celestial Wives of the Meadow Mari

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監督: アレクセイ・フェドルチェンコ
出演:ユーリア・アウグ、ヤーナ・エシポビッチ、ダリヤ・エカマソワ、オリガ・ドブリナ

500年もの間、ロシア西部のヴォルガ河畔で独自の言語と文化を保ってきたMari(マリ)人たち。ロシア連邦の中でも際立って特異な民族で、どこにもない宗教や世界観を持つ彼らの住むマリ・エル共和国は、まるで魔法のような世界。
10代から老婆まで、O(オー)で始まる名前の24人の女性たちが、「生」や「性」にまつわる自分の物語を語る。
理想の夫を選ぶ目を養うためにキノコの形を丹念に調べるオシュチレーチェ、か細い身体を豊満にするための儀式を受けるオシャニク、夫の股間の匂いを嗅いで浮気の確証を得ようとするオーニャ、夫に恋した森の精霊に呪いをかけられてしまうオロプチー・・・

マリ人のことを初めて知り、興味津々でした。ウラル語族系民族で、「マリ」という語には、《夫、男》という意味があるそうです。マリ語は、フィンランド語やハンガリー語と同系統のフィン・ウゴル系。伝統的に、人間と自然とが密接に繋がっていると考える自然崇拝とのことで、日本人にも相通じるところがあるような気がします。

アレクセイ・フェドルチェンコ監督は、民俗学者で作家のデニス・オソーキンと組み、マリの伝承や慣習をモチーフに女性たちの物語を作り上げ、マリ・エル共和国に移り住んで1年かけて撮影。四季折々の風景の中で女性たちが語る話には、ちょっと大胆な性にまつわる話もあって、実におおらか。
O(オー)で始まる名前にこだわったのは、“O”という文字が、車輪のような形で、太陽のようにも見え、なんといっても単純に美しいからだそう。
なんとも摩訶不思議な世界でした。 (咲)


配給:ノーム
2012年/ロシア/106分/カラー/DCP
公式サイト:http://24musume-movie.net/
★2016年9月24日(土) シアター・イメージフォーラム他、全国順次ロードショー

posted by sakiko at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月01日

裁かれるは善人のみ(原題:Leviathan)

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監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ、オレグ・ネギン
撮影:ミハイル・クリシュマン
音楽:フィリップ・グラス
出演:アレクセイ・セレブリャコフ(コーリャ(ニコライ)・セルゲーエフ)、エレナ・リャドワ(リリア)、ウラジーミル・ウドビチェンコフ(ディーマ(ドミトリー)・セレズニョフ)、ロマン・マディアノフ(ヴァディム・シェレヴャト市長)、セルゲイ・ポホダーエフ(ロマ)

ロシア北部の小さな街。コーリャは父祖の代から住んできた海に面した土地で自動車の修理工場を営んでいる。妻に先立たれた後、若い後妻を娶って息子と3人で暮らしている。工場と住宅のあるこの土地を市長は再開発のために手に入れたがっていた。がんとして譲らないコーリャに手を焼いた市長は、権力をかさにあらゆる手を使ってくる。モスクワから旧友の弁護士を呼び寄せ、市長の弱点を握って攻勢に出ようとしたコーリャだったが。

アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品。2004年の『父、帰る』の後、10年の間を置いて『エレナの惑い』と『ヴェラの祈り』が続いて公開されています。どれにも共通する、苦いコーヒーを飲み干したような感じが残る作品です。それなのに最後まで目を背けさせない力があり、理不尽な世の中にため息をつきつつも、画面にひきつけられます。
大きなクジラの骨が残る海岸にびょうびょうとした風が吹きすさび、こちらまで寒くなって暖かいものが食べたくなります。ポトフかおでんの用意をしてから観るのをおススメ。(白)


2014年/ロシア/カラー/シネスコ/140分
配給:ビターズ・エンド
(C)2014 Pyramide / LM www.bitters.co.jp/zennin
http://www.bitters.co.jp/zennin/
★2015年10月31日(土)より新宿武蔵野館他、全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 16:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月19日

草原の実験   原題:ISPYTANIE

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監督/脚本:アレクサンドル・コット
製作:イーゴリ・トルスツノフ
出演:エレーナ・アン、ダニーラ・ラッソマーヒン、カリーム・パカチャコーフ、ナリンマン・ベクブラートフーアレシェフ

草原の一軒家。父は娘を分かれ道で車から降ろす。馬で迎えにくるカザフの青年。ある日、娘が双眼鏡を覗くと何台もの軍用車が通っていく。父が制服の男たちに囲まれる。やがて、父の死。荷物をまとめ家を去る娘。鉄条網で行く手を阻まれる。白人の青年が娘に恋をする。カザフの青年と取っ組み合い。勝者と手を繋ぐ娘の前で空の色が変わる・・・

昨年の東京国際映画祭のコンペティション部門で上映され、『遥かなる家』(『僕たちの家(うち)に帰ろう』のタイトルで8月29日公開)と共に、一般公開されるといいなと思った作品。
カザフスタンで実験といえば核実験でしょうと、結末は見えていましたが、台詞を廃した表現の豊かさと映像美に圧倒されました。
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映画祭の折の記者会見でアレクサンドル・コット監督は、台詞の一切ない作品故、顔だけで語れる人をキャスティングし、編集で退屈しないよう繋いだと語りました。14歳の娘役は素人。とにかく美しく、それだけでも映画は成功!
注意したのは核爆発の色。下手をするとアニメのようになる。アメリカ人が撮った美しい映像にならないよう現実に近い色にしたそうです。
てっきりカザフスタンで撮影したのだと思っていたら、機材を持ち込むのが大変なため、ウクライナのクリミヤ半島で撮影したとのことです。映画は魔術!(咲)


2014年/ロシア/96分/カラー/シネスコ
配給:ミッドシップ
公式サイト:http://sogennojikken.com/
★2015年9月26日(土)よりシアター・イメージフォーラム ほか全国順次ロードショー

◎エレーナ・アンさん舞台挨拶予定◎
9/26(土)10:10/12:10/19:10 の回上映後@シアター・イメージフォーラム
※12:10の回上映後の舞台挨拶は東京国際映画祭 矢田部吉彦プログラミング・ディレクターが司会を務めます。
posted by sakiko at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする