2018年02月04日

ロープ 戦場の生命線   英題:A PERFECT DAY

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監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア
出演:ベニチオ・デル・トロ、ティム・ロビンス、オルガ・キュリレンコ、メラニー・ティエリー

1995年、停戦直後のバルカン半島。
とある山間の村で、唯一の井戸に死体が投げ込まれ、水が汚れてしまう。
“国境なき水と衛生管理団”のマンプルゥたちは、なんとか死体を引上げようと試みるが、死体があまりに巨漢でロープが切れてしまう。死体が腐敗しないうちに一刻も早く引き上げないと、水の浄化ができなくなってしまう。
マンプルゥは、ベテラン職員のビー、紛争地帯に初めて派遣されてきた新人女性ソフィー、現地通訳ダミールの4人でチームを組んで活動していた。二組に分かれ、1本のロープを求めてさまよう。停戦合意したとはいえ、この地帯にはまだ武装解除が徹底しておらず、さらに、あちこちに地雷が埋まっている危険地帯。果たして、ロープを見つけ、無事死体を引き上げることはできるのか・・・

最初に見つけたのは国旗を掲揚しているロープ。でも、この国旗を降ろさせてしまっては、その地に危険が及びます。欲しくても貰うわけにいきません。
マンプルゥは、道中、銃を持った不良少年グループに襲われてサッカーボールを奪われてしまった少年ニコラを助けます。ニコラが家にロープがあるというので、彼の案内で家に行くのですが、そこで衝撃の場面を見てしまいます。

戦争が人々にもたらす厳しい現実を、時にユーモアを交えて描いた作品。争いごとがなければ、人々は笑顔で平穏な人生を送れることをつくづく感じさせてくれます。
世界の各地で絶えない争い。その中で、危険を顧みず人々のために働く人たち。頭がさがります。“国境なき水と衛生管理団”の新人女性職員ソフィーを演じたメラニー・ティエリーや、本部職員で現地視察にやってくるカティヤを演じたオルガ・キュリレンコが、実にカッコよく活動家を体現しています。(咲)


2015年/スペイン/106分/カラー/シネマスコープ/英語・セルビア語・スペイン語・フランス語・ボスニア語
配給:レスペ   提供:レスぺ、中央映画貿易
★2018年2月10日(土)新宿武蔵野館、渋谷シネパレスほか全国順次公開




posted by sakiko at 21:47| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月28日

THE PROMISE/君への誓い 英題:THE PROMISE

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監督:テリー・ジョージ(『ホテル・ルワンダ』)
出演:オスカー・アイザック、シャルロット・ルボン、クリスチャン・ベイル、ジェームズ・クロムウェル、ジャン・レノ

1914年の南トルコの村シルーン。医師を志すアルメニア人の青年ミカエル(オスカー・アイザック)は、裕福な家の娘マラル(アンジェラ・サラフィアン)と婚約。彼女の持参金を学資にして、オスマン帝国の首都コンスタンチノープルの医科大学に入学する。
ミカエルは父の従弟メスロブ(イガル・ノール)の邸宅に下宿する。メスロブの娘の家庭教師アナ(シャルロット・ルボン)や、彼女の恋人でアメリカ人ジャーナリストのクリス・マイヤーズ(クリスチャン・ベイル)と親しくなる。
第一次世界大戦が始まりトルコも参戦。招集を受けたミカエルは医学生として徴兵免除を申請するが、アルメニア人だからと受け付けてもらえない。大学で親しくなった大物政治家の息子エムレが役人に賄賂をつかませて救ってくれる。
戦意高揚とともにトルコ人の民族主義が高まり、アルメニア人への差別が横行し始める。ミカエルとアナは、アルメニア人を狙う暴徒の群れと遭遇。怪我を負ったミカエルはアナと一緒に近くのホテルに避難。いつしかお互いに心を寄せていた二人は、その夜、初めて結ばれる。東トルコの取材から戻ったクリスは、アナの心がミカエルに向いていることに気づきながら、東トルコで目にしたアルメニア人弾圧の事実を世界に発信することに力を注ぐ。
その後、多くのアルメニア人が拘束され、ミカエルもその一人として強制労働に就かされる。なんとか脱走し、故郷の村に戻るが、老人と女子供しか残っていない。マラルと結婚し、山中の小屋に潜伏する・・・

第一次世界大戦中の1915〜16年にオスマン帝国統治下で起こったアルメニア人の悲劇を背景にした4人の男女の友情や愛憎を描いた壮大な物語。
テリー・ジョージ監督が『ホテル・ルワンダ』製作中に知ったアルメニア人の追放問題。現在のトルコ共和国政府は、戦争中の悲劇として、大虐殺を認めていません。真実は当事者のみ知ることですが、私自身、東トルコを旅した時に、今は使われていない立派なアルメニア教会をいくつも観ました。そこにアルメニアの人たちが暮らしていた証だと思いました。どういった経緯で、アルメニア人は故郷を追われたのでしょう・・・   
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公開を前に来日したテリー・ジョージ監督にお話を伺いました。この映画を作るのにあたって、細心の注意を払って調査を重ねたことを語ってくださいました。インタビューの詳細は後日お届けします。(咲)


2016年/スペイン・アメリカ/2時間14分/カラー/シネマスコープ
配給:ショウゲート
後援:アルメニア共和国大使館
公式サイト:http://www.promise-movie.jp/
★2018年2 月3日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー





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2017年07月30日

スターシップ9(原題:Orbiter 9)

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監督・脚本:アテム・クライチェ
出演:クララ・ラゴ(エレナ)、アレックス・ゴンザレス(アレックス)、ベレン・ルエダ(シルビア)、アンドレス・パラ(ヒューゴ)

近未来の地球は汚染され、人間は移り住むことのできる新たな星を探している。エレナはあるときから一人旅となった。両親の姿を映像でくりかえし見つめ、スターシップの音声だけを相手に長い旅を続けている。毎日決まったルーティンをこなし健康に気を付けていたが、給気システムに不具合が起きた。酸素不足の救援信号を送ると、その要請にこたえてエンジニアのアレックスが到着する。両親と分かれて以来の人間だった。急速にアレックスに惹かれたエレナは食事をふるまい、作業疲れで眠っているアレックスの部屋に入っていく。

長い間独りぼっちで過ごしていた年頃の女の子の前に、頼りがいのあるイケメンが現れたらそりゃあもうこの展開になりますね。それにしてもエレナのメンタルは強い!!『パッセンジャー』(3月公開)のクリス・プラットはアンドロイドのアーサーがいても孤独に耐えきれなかったではないですか。音声だけを相手に何年も一人ってひどすぎる!と半ば憤慨していたら、なんとストーリーが思わぬ方向へ動いていきました。ネタバレすると面白さ半減なのでここまで。
試写会に登壇したアテム・クライチェ監督も「事前情報や先入観を持たずに観て」と力説。もともとジャンルにとらわれず、初めのスト―リーが転換して身近な問題を現していくストーリーが好きなのだそうです。
人間が住めなくなっている地球は格差社会がさらに進んでいるという設定です。そのロケ先に選んだのがコロンビアの都市メデジン。林立する近代的なビル群の地域と、壊れそうな家が密集する地域とが同居している街が近未来を現すのにぴったりだったとか。初めて訪れたアレックスが顔を見せるシーン、大きな目を見開いて期待いっぱいで見つめるエレナの表情がいいです。よかったね、タイプで>エレナ(白)



2016年/スペイン、コロンビア合作/カラー/95分
配給: 熱帯美術館
(C) 2016 Mono Films, S.L. / Cactus Flower, S.L. / Movistar + / Orbita 9 Films, A.I.E
http://starship9.jp/
★2017年8月5日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
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2017年05月20日

オリーブの樹は呼んでいる   原題:El Olivo/英語題:The Olive Tree

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監督:イシアル・ボジャイン(『ザ・ウォーター・ウォー』)
脚本:ポール・ラヴァーティ(『天使の分け前』『わたしは、ダニエル・ブレイク』)
出演:アンナ・カスティーリョ、ハビエル・グティエレス、ペップ・アンブロス

スペイン、バレンシア郊外。養鶏場で働くアルマは、気の強い、ちょっと変わり者の20歳の女の子。家族の営むオリーブ農園が経営難で、お祖父ちゃんの大事にしていた樹齢2000年のオリーブの樹を、お父さんが売り払ってしまう。食事も喉を通らなくなって、しょんぼりしているお祖父ちゃんの為に、オリーブの樹を取り戻そう! 
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c Morena Films SL-Match Factory Productions-El Olivo La Película A.I.E

アルマは、叔父や同僚のラファに、ドイツの会社と交渉成立したので受け取りに行くと嘘をついて、大きなトレーラー車を借り、ドイツを目指す・・・
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c Morena Films SL-Match Factory Productions-El Olivo La Película A.I.E

樹齢2千年ものオリーブの樹が切られて、環境をアピールする会社のシンボルに飾られている! 
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c Morena Films SL-Match Factory Productions-El Olivo La Película A.I.E

新聞記事でそのことを知って驚いた脚本家のポール・ラヴァーティが、妻であるイシアル・ボジャイン監督に話したことが、この映画の始まりだったそうです。
イシアル・ボジャイン監督は、ビクトル・エリセ監督の『エル・スール』でヒロインを演じるなど女優として活躍した後、監督に転じた、スペインを代表する女性監督。ケン・ローチ監督の『麦の穂を揺らす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』の脚本を担当したポール・ラヴァーティとご夫妻とは、実に名コンビですね。

オリーブの樹が切られるというと、パレスチナの人たちが大事にしてきたオリーブが、イスラエルの入植で無残にも切られていることが頭にまず浮かびます。スペインでは、経営難で切って売られることが増えているのだとか。
無謀にもドイツの会社に乗り込もうとするアルマは、まさに現代のドン・キホーテ。
長い長い年月を生きてきた樹を切ってしまうという愚かさを、ユーモアを交えながら、しっかりと伝えてくれる物語。型にはまらない若者のエネルギーが、社会を変えてくれることも感じさせてくれます。(咲)


2016年/スペイン/99分
配給:アット エンタテインメント 宣伝:ムヴィオラ
公式サイト:http://olive-tree-jp.com/
★2017年5月20日(土)よりシネスイッチ銀座にてロードショー、他全国順次公開
posted by sakiko at 20:19| Comment(0) | TrackBack(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月18日

サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ  原題:Sacromonte, los sabios de la tribu

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監督:チュス・グティエレス
参加アーティスト:クーロ・アルバイシン、ラ・モナ、ライムンド・エレディア、ラ・ポロナ、マノレーテ、ペペ・アビチュエラ、マリキージャ、クキ、ハイメ・エル・パロン、フアン・アンドレス・マジャ、チョンチ・エレディア
他多数

スペイン、アンダルシア地方グラナダのサクロモンテ地区。
この地には、かつて迫害を受けたロマたちが集い、独自の文化が形成されていった。ロマたちが洞窟で暮らしていたことから洞窟フラメンコが生まれ、その力強く情熱的な踊りや歌に、世界中が熱狂した。隆盛をきわめたサクロモンテだが、1963年の水害により全てを失い、人々は住む場所を追われた――。

本作は、伝説のフラメンコ・コミュニティに深く入り込み、激動の時代を生き抜いてきたダンサー、歌い手、ギタリストなどのインタビュー、そしてアンダルシアの乾いた大地を舞台に繰り広げられる詩の朗読、そして力強い舞の数々を通して、大地に根付く魂が紡がれ、代々引き継がれていくさまを描く。

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公開を機に来日されたチュス・グティエレス監督にお話を伺いました。
好奇心旺盛で、とてもパワフル!
インタビュー記事は、こちらでどうぞ!  (咲)

2014年/スペイン語/94分/カラー/ドキュメンタリー/16:9/ステレオ
配給:アップリンク
後援:スペイン大使館、セルバンテス文化センター東京、一般社団法人日本フラメンコ協会
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/sacromonte/
★2017年2月18日(土)より、有楽町スバル座、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
posted by sakiko at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする