2015年09月05日

ピエロがお前を嘲笑う(原題:Who Am I - No System Is Safe)

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監督・脚本:バラン・ボー・オダー
楽曲提供:ボーイズノイズ、ロイヤル・ブラッド
出演:トム・シリング(ベンヤミン)、エリアス・ムバレク(マックス)、ハンナー・ヘルツシュプルンク(マリ)、トリーヌ・ディルホム(ハンナ・リンドバーグ)、ボータン・ビルケ・メーリング(ステファン)、アントニオ・モノー・Jr.(ポール)

一人の青年が警察に出頭してきた。天才ハッカーとして世間を騒がせ、殺人事件に関与を疑われて指名手配になっているベンヤミン本人だった。彼が指名した捜査官ハンナ・リンドバーグは、事件の顛末を聞かされる。
高校生のころのベンヤミンは内向的で、意中のマリに声をかけることもできず一人パソコンに向かう日々だった。女子大生になったマリに再会したベンヤミンは、自分を覚えていてくれたことに感激し、マリのために試験問題を盗もうとする。マリが参加したパーティでマックスと知り合い、ベンヤミンのハッカーの才能を認めたマックスはハッカー集団「CRAY」を結成する。彼らが手当たり次第に楽しむハッキングは、ほかのハッカーたちにも知られるようになったが、軽率な行動が殺人事件を起こしてしまう。

バラン・ボー・オダー監督の作品はこれが初めての公開。DVDでは『23年の沈黙』が出ているようです。若い俳優たちもほとんど馴染みがありませんので、どっぷりストーリーにはまれます。テンポの良い脚本、散りばめられたトリックに観客も振り回され、特に若い方々に受けそうな音楽にのって、ラストまで走っていきます。
ハッカーの犯罪を扱った映画は数多いですが、現実での進化が早いので、技術については少し前の作品は既に古いのでしょう。スマホがこれだけ普及するなんて以前は想像もしませんでしたよね。機器が進歩しても扱う人間自体はそう変わらないので、ドラマがよく描けていれば映画はいつまでも鑑賞に堪えます。(白)


2014年/ドイツ/カラー/シネスコ/106分
配給:ファントム・フィルム
(C)Wiedemann & Berg Film GmbH & Co. KG, SevenPictures Film GmbH 2014; Deutsche Columbia Pictures Filmproduktion GmbH
http://pierrot-movie.com/
★2015年9月12日(土)新宿武蔵野館他全国ロードショー
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2015年04月11日

アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)(原題:Die Alpen - Unsere Berge von Oben)

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監督:ピーター・バーデーレ、ゼバスティアン・リンデマン
ナレーション:小林聡美

アルプス山脈を空中から撮影したドキュメンタリー。空高く飛ぶ鳥の目で壮大なアルプスを見ることができます。使用しているのは高解像度ズームのカメラ。ヘリコプターのゆれもものともせず、地上の動物も気づかれることなく撮影可能です。材料が多かったからか、切り替えが早い感じがしました。すばらしいパノラマをもう少しゆっくりと観たかったです。(白)

2013年/ドイツ/カラー/93分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)VIDICOM 2013
http://alps-tenkuu.com/
★2015年4月18日(土)より、シネスイッチ銀座ほかにて公開、全国順次ロードショー
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2015年03月15日

陽だまりハウスでマラソンを(原題:Sein letztes Rennen)

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監督・脚本:キリアン・リートホーフ
出演:ディーター・ハラーフォルデン(パウル・アヴァホフ)、タチア・ザイプト(マーゴ・アヴァホフ)、ハイケ・マカッシュ(ビルギット・アヴァホフ)

メルボルンオリンピックのマラソンで金メダルを獲得した元アスリートのパウルは、妻のマーゴと郊外の家で穏やかな暮らしを楽しんでいた。マーゴが倒れたのをきっかけに、多忙な娘を煩わさないよう住み慣れた家から老人ホームに夫婦で移ることにした。
我が家と違って何もすることのないホームの生活はパウルには退屈で、子どもだましのようなイベントも腹立ちの種。がまんも限界にきたパウルは自主トレーニングを始め、もう一度マラソンに挑戦すると宣言。はじめは呆れたマーゴもサポートに回り、入居者たちも2人を応援するようになった。ホームの職員たちは規律が乱れると規則を振りかざし、マラソン出場を阻止しようとする。

いくつになっても、挑戦することを諦めないパウルの姿に力づけられます。主演のディーター・ハラーフォルデンはドイツでは有名なコメディアンだそうです。この作品で78歳の史上最高齢でドイツ映画祭最優秀主演男優賞を受賞しました。撮影に入る前にトレーニングを始め、体重を落とし、万全の備えをしたとか。役のために始めたランニングは今でも続けているそうです。すごい。
キリアン・リートホーフ監督は、高齢の男性が走ることでウツを克服したという記事を読んで、長い時間をかけて脚本を練っていかれたそうです。高齢者の介護、住まい、施設の問題点、家族や友人との関わりなど身近なエピソードを盛り込んで、国は違っても共感できる内容です。
2014年6月に公開された『人生はマラソンだ!』はメタボな中年男性たちが、車の修理工場を潰さないために走るストーリーでした。男の夢や挑戦を支え、応援するチャーミングな女たちにも注目してお楽しみ下さい。(白)


2013年/ドイツ/カラー/シネスコ/105分
配給:アルバトロス・フィルム
http://hidamarihausu.com/
★2015年3月21日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月06日

あと1センチの恋(原題:Love, Rosie)

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監督:クリスチャン・ディッター
脚本:ジュリエット・トウィディ
原作:セシリア・アハーン「愛は虹の向こうに」
出演:リリー・コリンズ(ロージー)、サム・クラフリン(アレックス)、

イギリスの片田舎に住むロージーとアレックス。6歳のときからの幼なじみで大親友の彼らは、いつでもなんでも一緒。それぞれに恋人ができても打ち明けられる仲だった。将来は二人でアメリカのボストンに進学することを夢見てきた。しかし、ロージーがクラスメートのモテ男と一夜を共にし、妊娠してしまったことから二人は初めて離れ離れになる。ロージーは地元に残り、アレックスは一人ボストンへと旅立った。

原作はアイルランドのセシリア・アハーン。21歳で発表しベストセラーとなった処女作「P.S.アイラヴユー」(2007年に映画化)の翌年に書かれたこの原作は、将来について迷っていた自身の気持ちがロージーに投影されているそうです。白雪姫を演じたリリー・コリンズができちゃった婚の母親とは!大きくなった娘のほうがずっと大人っぽく見えます。
ずっと仲がいいのに、友達以上恋人未満から抜け出せず、すれ違いを繰り返す若い二人に、共感する人が多いことでしょう。いやいやずっと親友でいられるのが一番よ、と思うのは酸いも甘いも噛み分けてからかも。すれ違いがじれったいですが、そううまく行かないのが世の常。デート映画にぴったりです。(白)


2014年/ドイツ・イギリス合作/カラー/103分
配給:ファントム・フィルム
(c)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH
http://1cm-movie.com/

★2014年12月13日(土)新宿武蔵野館ほかにてロードショー
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2014年09月21日

悪童日記(原題:A nagy fuzet)

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監督:ヤーノシュ・サース
原作:アゴタ・クリストフ「悪童日記」(早川書房刊)
出演:アンドラーシュ・ジェーマント(双子)、ラースロー・ジェーマント(双子)、ピロシュカ・モルナール(祖母)、ウルリッヒ・トムセン(将校)、ウルリッヒ・マテス(父)

双子の僕たちは両親と街で暮らしていたが、戦争が激しくなってきたので田舎にいるおばあちゃんの家に預けられることになった。お母さんのお母さんがいたなんて今まで聞いたこともなかったのに。お父さんは「日記をつけるように」とノートを渡して戦場に行き、お母さんは「勉強をやめてはいけない」「生き延びるのよ」と僕たちを置いて行ってしまった。
僕たちは“おばあちゃん”と呼ぶ。おばあちゃんは村で“魔女”と呼ばれ、僕たちを“メス犬の子ども”と呼び、言いつけられた仕事をしてやっと食べさせてくれた。おばあちゃんは僕たちをすぐにぶつ。村では誰もが蹴ったり殴ったりするので、僕たちは強くなって生き延びられるように訓練を始めることにした。

戦争場面を描かない戦争映画。原作は双子の目線で描かれた日記で、目に入ったこと聞いたこと、自分たちがしたことだけが書かれ、映画も日記が影の主役です。
監督が出会ったのは奇跡だという双子は、ハンガリーの貧しい地域の出身で、この役を体現するのにうってつけの目力とハンサムぶり。監督がめざしたとおり余計なものがなく、シンプルでとても力強い作品でした。ヤーノシュ・サース監督の名前はお初ですが、この作品ですっかり刻み込まれました。
原作の同名小説は、ハンガリー出身の作家アゴタ・クリストフが母国語ではないフランス語で書き、51歳にして初めて出版したもの。「ふたりの証拠」「第三の嘘」との3部作で、世界的なベストセラーとなっています。ぜひ読んでみようと思います。
ハンガリーの映画の公開は数少ないですが、『ニーチェの馬』(2011/タル・ベーラ監督)『人生に乾杯!』(2007)『タクシデルミア ある剥製師の遺言』(2006)といくつか観ていました。どれも強く残って忘れられません。(白)


2013年/ドイツ、ハンガリー合作/カラー/111分/シネスコ
配給:アルバトロス・フィルム
(C) 2013 INTUIT PICTURES - HUNNIA FILMSTUDIO - AMOUR FOU VIENNA - DOLCE VITA FILMS
http://akudou-movie.com/

★2014年10月3日(金)TOHOシネマズ シャンテ、新宿シネマカリテ他全国順次公開
posted by shiraishi at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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