2017年02月04日

世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方  原題:Quatsch und die Nasenbarbande

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監督: ファイト・ヘルマー (『ゲート・トゥ・ヘヴン』)
出演 子どもたち:ノラ・ボーネル、ジャスティン・ウィルケ、シャーロット・ルービッヒ、ピーター・ディヤン・ブダク、ヘンリエッテ・クラトチウィル、マティス・ミオ・ワイゼ
大人たち:ファビアン・ブッシュ(『帰ってきたヒトラー』)、ベンノ・フェルマン(『戦場のマリア』『アイガー北壁』『ソハの地下水道』)、クリスチャン・ハーティング(『サウルの息子』)、ウド・シェンク(『ヒトラー暗殺、13分の誤算』、アレクサンダー・ジェーア(『カルロス』)

ドイツの美しい村ボラースドルフ。
4歳の子どもたち、リーケ、マックス、レネ、ポール、スーゼ、ベンの6人はアカハナグマのクアッチと一緒にいつも楽しく遊んでいました。
ある日、消費者調査会社“銀色団”が、ドイツのど真ん中にある、この村を新商品のモニター村にしようと乗り込んできます。市長はじめ大人たちは皆、その申し出に大喜び。
村の老人たちは、さまざまな分野で初めてのことを成し遂げてきた、特別で、ちょっと変わった人ばかりでした。でも、平凡で平均的な村での調査を目指していた銀色団には、そんな老人たちは邪魔な存在です。彼らを老人ホームに追いやってしまいます。
「大好きなおじいちゃんやおばあちゃんを救え!」
6人の子どもたちは幼稚園を脱走して、大親友のクアッチと一緒に“ハナグマ・ギャング団”を結成し、救出作戦を開始します。
「この村はフツー過ぎてモニター村にされちゃった。村を特別にすれば、おじいちゃんやおばあちゃんが帰ってくる!」
そう考えた子どもたちは、あの手この手で村から世界新記録を出そうとがんばります。なかなかうまくいかなくて、あきらめかけたとき、天才クアッチが、画期的なアイディアを思いつきます。それは、“世界でいちばんのイチゴミルク”を作ること!

清掃車の高い運転台に乗り込む子どもたち。道路を暴走するうち横転。トラクター、汽車、蒸気船、消防車・・・と、連鎖的に事故を起こして村のインフラも建物も破壊してしまいます。
フツ〜でなくなってしまう村!
いろんな乗り物が出てきて事故を起こすのは、実は監督の当時4歳の息子さんのアイディア。脚本にちゃんと息子さんの名前もクレジットされています。
あちこち壊されたり、美味しいイチゴミルクがたっぷり作られたり、子どもたちにとって、わくわくする楽しい場面がいっぱい。
一方、大企業の陰謀に立ち向かうというテーマは、大人にとっても痛快。
大人も子どもも楽しめる映画です。(咲)


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ファイト・ヘルマー監督インタビュー


2014年/ドイツ/83分/カラー/1:1.85 ビスタサイズ
配給:エデン、ポニーキャニオン
公式サイト:http://www.sekaideichiban.com
★2017年2月11日(土・祝)より、109シネマズ二子玉川他全国にて元気にロードショー!


posted by sakiko at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月19日

ブレイク・ビーターズ   英題:Dessau Dancers

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監督:ヤン・マルティン・シャルフ
出演::ゴードン・ケメラー、ゾーニャ・ゲルハルト、オリバー・コニエツニー、セバスチャン・イェーガー

1985年夏、東ドイツ、デッサウ。19歳のフランクは、母を亡くし父と二人暮らし。ある日、西ドイツのテレビで観たダンスが人生を変える。翌日、親友アレックスとアメリカ映画『ビート・ストリート』を観に行き、ブレイクダンスの虜になった二人は路上で踊る。が、アメリカ生まれの非社会主義的なものとして国家警察に逮捕されてしまう。
「ブレイクダンスは虐げられた人々の反抗運動から生まれた反資本主義的なもの」とフランクは主張し、釈放される。
路上でのブレイクダンスの流行に頭を痛めていた国家娯楽芸術委員会は、フランクとアレックスに、ミヒェル、それに元オリンピック代表の女性体操選手マティナの4人でチーム"ブレイク・ビーターズ"を結成させる。人民芸術集団として、ブレイクダンスを社会主義化する狙いだった。東ドイツ中を巡業した4人は、たちまち人気者になる。一方で、国家体制の操り人形だとして軽蔑する目もあった。ある日、テレビの生番組に出場することになったフランクたちは、思いがけない行動にでる・・・

まさに国家への反旗を翻したブレイク・ビーターズ! 痛快な一作。
自由や夢を求める人たちの思いを、国家権力が統制しようとしても、ゆがんだ姿になってしまうことを見せつけてくれます。ブレイクダンスを社会主義化するという発想に驚かされますが、これは実際にあったこと。
本作は、それと共に、母親を亡くした息子と、妻を亡くした父親が、肉親を亡くした悲しみを徐々に乗り越えて、二人の間のわだかまりも解けていく様も見せてくれます。苦虫をかみつぶしたような表情だったお父さんに笑みが浮かぶ瞬間をお見逃しなく! (咲)


2014年/90分/ドイツ/カラー/DCP/5.1ch
後援:ドイツ連邦共和国大使館 日本ストリートダンス協会
配給:アニモプロデュース
公式サイト:http://www.break-beaters.jp
★2016年6月25日(土) ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月18日

帰ってきたヒトラー(原題:Er ist wieder da)

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監督・脚本:デビッド・ヴェンド
原作:ティムール・ベルメシュ
撮影:ハンノ・レンツ
出演:オリヴァー・マスッチ(アドルフ・ヒトラー)、ファビアン・ブッシュ(ファビアン・ザバツキ)、クリストフ・マリア・ヘルプスト(クリストフ・ゼンゼンブリンク)、カッチャ・リーマン(カッチャ・ベリーニ)

アドルフ・ヒトラーは連合国軍に追いつめられて自殺した・・・はずだったが、天国でも地獄でもなく草むらで目が覚めた。何が何だかわからないまま、ようすの違う見覚えのない街を歩き、新聞の日付を見て今は2014年だと知って驚愕する。
テレビマンのファビアンは、いきなりリストラされて途方に暮れていたとき、ヒトラーとそっくりな男を見つけた。彼と街の人とのやりとりを撮影し上司に見せると採用され、その外見と物腰、演説のたくみさでたちまちのうちに人気者となっていった。

現代にヒトラーを蘇らせ、人心をつかむ才能をまたもや発揮させていくというティムール・ヴェルメシュのベストセラーが原作です。ドイツ国内で250万部を売上げ、42言語に翻訳され日本では河出文庫から発刊されています(400pもある厚い本!)。ヒトラーの一人称で語られるこの小説を映画化するにあたり、ヴェンド監督はオリヴァー・マスッチ演じるヒトラーが、街の人々と会話していく様子をドキュメンタリーのように撮影しました。拒否反応を示す人ばかりでなく、多くの人がこの偽ヒトラーを歓迎したそうです。笑って終わりではなく、強い指導者を望むという本音が出るあたり、今の日本の現状とよく似ていて笑っていられなくなります。テレビ番組も実際にあるものを模した作りで司会者もそのまま。テレビ番組に出演し、新しい機器やインターネットを知り、「これは(扇動・洗脳に)使える」と思うところにゾッとしました。ヒトラーをどこまで笑えるか、というこの映画を作ったドイツって大人の国!これを見た人は周りの人と話さなくちゃ。日本には「ナチスを手本に」と言った政治家もいるんですから。参院選もすぐだしね。(白)

2015年/ドイツ/カラー/ビスタ/116分
配給:ギャガ
(C)2015 Mythos Film Produktions GmbH & Co. KG Constantin Film Pro duktion GmbH Claussen & Wobke & Putz Filmproduktion GmbH
http://gaga.ne.jp/hitlerisback/
★2016年6月17日(金)よりTOHOシネマズシャンテほかにてロードショー
posted by shiraishi at 16:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月22日

君がくれたグッドライフ(原題:HIN UND WEG TOUR DE FORCE)

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監督:クリスティアン・チューベルト
脚本:アリアーネ・シュレーダー
撮影:ニョ・テ・チャウ
出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ(ハンネス)、ユリア・コーシッツ(キキ)、ユルゲン・フォーゲル(ミヒャエル)、ミリアム・シュタイン(ザビーネ)、フォルカー・ブルッフ(弟フィン)、ヴィクトリア・マイヤー(マライケ)、ヨハネス・アルマイヤー(ドミ)、ハンネローレ・エルスナー(イレーネ)

ハンネスとキキの夫婦は、この15年、6人の仲間たちと毎年自転車旅行に出かけている。ハンネスが決めた今年の行き先はベルギー。恒例の課題ゲームは右隣の人にメモを渡すことになっている。実行するまで口外厳禁。ハンネスは兄の家に立ち寄り、仲間と母親や弟たちとの食事中、今度の旅の目的を打ち明ける。
ハンネスの父はALS(筋萎縮性側索硬化症)を患って亡くなっている。このほどハンネスにも発症し、余命を宣告されたのだった。尊厳死が認められているベルギーまで最後の旅をしたいという。

ドイツで製作され、世界各国の映画祭で話題になった作品。愛する妻や仲間たちと最後まで一緒に楽しみ、送られたいと願うハンネス。ALSは10万人に一人という進行性の難病で、筋肉の動きを司る神経に障害がおきるのだそうです。一度発症したら今のところ有効な治療法が見つかっていないとか。このハンネスは父が亡くなるまでをつぶさに見てきたので、父のようになるよりも、と自分の最期を選択します。「なぜ戦わないのか」と弟は怒りをぶつけ、母は「パパのそばにいるだけで幸せだった」と泣きます。親しい仲間たちもショックを受けますが、旅を続けることにします。ハンネスを見守りながら仲間の絆はさらに固く結ばれていきます。
生き物は生まれたら皆死へ向かって進んでいるのですが、私を含めたいていの人は普段気にしていません。自分が病気にかかったり、身近な人の死にあったりして意識することがほとんどでしょう。毎年のように尊厳死についての映画が公開されています。自分ならどうしたいかと考えると、より良い最期を選びたいという人が増え、終末医療はこれから変わっていきそうな気がします。(白)


2014年/ドイツ/カラー/シネスコ/95分
配給:ショウゲート
(C)2014 Majestic Filmproduktion GmbH / ZDF
http://goodlife-movie.com/
★2016年5月21日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかロードショー
posted by shiraishi at 13:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

もしも建物が話せたら   原題:Cathedrals of Culture

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製作総指揮:ヴィム・ヴェンダース
監督:ヴィム・ヴェンダース、ミハエル・グラウガー、マイケル・マドセン、ロバート・レッドフォード、マルグレート・オリン、カリム・アイノズ

WOWOWの国際共同制作ドキュメンタリー第1弾
「もしも建物が話せたら、彼らは何を語るだろう?」というテーマで6人の監督たちが、有名な建物たちに語らせます。

ベルリン・フィルハーモニーコンサートホール(ドイツ・ベルリン)
監督:ヴィム・ヴェンダース
*まだ冷戦時代の1963年に、西ベルリンの端、東を刺激する位置に建てられて50年。
オーケストラをホールの中心に配置した初めてのホール。

ロシア国立図書館(ロシア・サンクトペテルブルク)
監督:ミハエル・グラウガー
*1795年に皇帝エカチェリーナ2世によって建てられた図書館。宗教が弾圧されていた時代には隠されていたキリスト教関係の貴重な書物が、今や最前列に並ぶ。

ハルデン刑務所 (ノルウェー・ハルデン)

監督:マイケル・マドセン
*高い壁に囲まれた広々とした敷地の中には何でも揃い、小さな村のよう。小奇麗な個室に、こんな刑務所なら入ってもいいと思うほど。でも、凶悪犯の独房は、やはり凄まじい。
教会に絨毯が何枚も敷かれていって、最後には十字架の置いてある祭壇も絨毯で隠されました。モスクに早変わり! 思えば、絨毯の向きが斜めでした。(メッカの方向に向いて敷かれたのですね!)

ソーク研究所 (アメリカ・ラホーヤ)
  
監督:ロバート・レッドフォード
*建築家ルイス・I・カーンによって設計された、青い海と空に映える美しい対象形の建物。カリフォルニア大学サンディエゴ校のキャンパスの隣に位置する生物医学系の研究所。この美しい環境が、多くのノーベル賞学者を生み出したのですねぇ。
ロバート・レッドフォードが、ここを選んだのは、自身が11歳の時に罹ったポリオのワクチンを発見したジョナス・ソークによって創設された研究所だから。

オペラハウス (ノルウェー・オスロ)
 
監督:マルグレート・オリン
*フィヨルドの淵に建つオスロの新しいオペラハウスは、まるで海面からそそり立つ氷山のよう。緩やかなスロープになった屋根の上を歩く人、バレエの練習をする人・・・ なんだかとても開かれた空間。
★『バレエボーイズ』(ケネス・エルヴェバック監督、日本公開2015年8月29日)の3人の少年たちが練習していたのが、このオペラハウス。あの3人も、屋根の上で踊ったことがあるのかなぁ〜
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(C)Oystein Mamen

ポンピドゥー・センター (フランス・パリ) 
監督:カリム・アイノズ
*むき出しのパイプとガラス面で構成された外観は、製油所の様、ジャングルジムの様という人たちも。「私はカルチャー・マシン」と語らせているように、ここは現代美術、現代音楽、ダンス、映画などの複合的な文化施設。図書館もある。ここから遠くに見えるエッフェル塔だって、出来た当時は異質な建造物と思われたが、今やパリのシンボル。このいかついポンピドゥー・センターも、20世紀のパリを象徴する建物として親しまれるようになるのでしょう。

製作・提供:株式会社WOWOW
配給・宣伝:アップリンク
2014年/ドイツ、デンマーク、ノルウェー、オーストリア、フランス、アメリカ、日本/165分/英語/Color/16:9/DCP
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/tatemono
★2016年2月20日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開
posted by sakiko at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする