2018年01月14日

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(原題:Mein Blind Date mit dem Leben)

5%.jpg

監督:マルク・ローテムント
原作:サリヤ・カハヴァッテ
脚本:ルート・トマ
出演:コスティア・ウルマン(サリヤ)、ヤコブ・マッチェンツ(マックス)、アンナ・マリア・ミューエ(ラウラ)、ヨハン・フォン・ビューロー(クラインシュミット)

サリヤは真面目で成績優秀な青年だったが、先天性の目の病気で視力の95%を失ってしまった。それまで描いていた将来への希望も打ち砕かれたかと思ったが、一流のホテルマンになりたいという夢を諦めることはできなかった。サリヤは5%しか見えないのを隠して、ミュンヘンの5つ星ホテルでの面接に臨んだ。面接に遅れて来たマックスの窮状を救ったことから、彼はサリヤの心強い味方となる。見習いの第一関門を通過したが、今後の研修には多くの課題が待っている。マックスや事情を知ったホテルのスタッフの助けを得て、人一倍の努力を続け研修課題を次々とクリアしていった。

自分の視野が突然狭まっていき、ぼんやりとしか見えなくなってしまったらどうするでしょう。私を含め、殆どの人が目からの膨大な情報を当たり前のこととして受け取っているはずです。こんな風に夢をあきらめずにいられるでしょうか??この映画が実話を基にしているというのに驚きました。ほんとにこんなことができてしまうとは!!
5%しか見えないのに動くということは、周りの状況が全て頭に入っていなければなりません。慣れ親しんだところならともかく、たくさんの人が出入りするホテルで、どうやって?という心配や疑問は是非映画でお確かめください。
悩んだり、苦しんだり、少しも思い通りにならず人生は楽ではありません。それでも諦めないで生きていこうよ、とそっと肩を叩いてもらえる作品です。(白)


2017年/ドイツ/カラー/シネスコ/111分
配給:キノフィルムズ
(C)ZIEGLER FILM GMBH & CO. KG, SEVENPICTURES FILM GMBH, STUDIOCANAL FILM GMBH
http://eiga.com/jump/ks5mm/
★2018年1月13日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 17:00| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はじめてのおもてなし  原題:Willkommen bei den Hartmanns   英題:Welcome to Germany

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監督:サイモン・バーホーベン
出演:センタ・バーガー、ハイナー・ラウターバッハ、フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、パリーナ・ロジンスキ、エリヤス・エンバレク

ミュンヘンの瀟洒な一軒家。教師を定年退職したアンゲリカは、子どもたちも成人して家を出て、大病院の医長を務める夫リヒャルトと二人暮らし。時間を持て余したアンゲリカは、難民を受け入れることを思いつく。子どもたちも帰ってきた日曜日のディナーの場で唐突に発表すると、夫も子どもたちも大反対。アンゲリカは夫を説き伏せ、一緒に難民センターへ面接に行く。二人はディアロというナイジェリアからやって来た亡命申請中の青年を受け入れることを決める。
アンゲリカはディアロにドイツ語を教えたり、一緒に庭仕事したりと、水を得た魚のように生き生きとした毎日を取り戻す。一方、リヒャルトはストレスがたまって、病院で部下にあたりちらし、そろそろ引退をとほのめかされていたのに拍車がかかる。
そんなある日、誤解からディアロが警察沙汰を引き起こしてしまう。家の前には、難民排斥のプラカードを持った者たちまで現われる・・・

今、ヨーロッパ各地で押し寄せる難民を排斥する動きがありますが、本作はそのことに対して声高に物申すものではなく、ディアロという難民を受け入れた家族の一人一人が抱えている問題をコメディータッチで浮き彫りにしていく物語。定年退職後の過ごし方を模索する妻、忍び寄る老いに悩む夫、仕事優先で妻に逃げられ子育てするシングルファーザーの息子、30過ぎても大学を卒業できないでいる娘。観る人によって、誰かしらに共感できる物語。もちろん、難民問題にも目を向けさせてくれます。2016年度ドイツ映画興行収入NO.1を記録したお薦めの一作。(咲)

配給:セテラ・インターナショナル
2016年/ドイツ/ドイツ語/116分
公式サイト:http://www.cetera.co.jp/welcome/
★2018年1月 13日(土) シネスイッチ銀座ほか全国順次公開




posted by sakiko at 09:25| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月07日

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男  原題:DRIES

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監督・脚本・撮影・製作:ライナー・ホルツェマー
出演:ドリス・ヴァン・ノッテン、アイリス・アプフェル、スージー・メンケス

ドリス・ヴァン・ノッテン。
1958年、ベルギー・アントワープ生まれ。アントワープ王立芸術学院ファッション・デザイン科卒のファッションデザイナー。
1989年にアントワープのナツィオナーレ通りにブティックを開いて以降、春夏秋冬、年4回のメンズとレディースのコレクション発表を一度も欠かすことなく続けている。
本作は、2014年9月にパリのグラン・パレで開催された2015春夏レディース・コレクションの舞台裏から、2016年1月にオペラ座で発表した2016/17秋冬メンズ・コレクションの本番直後までの1年間に密着したドキュメンタリー。

ファッションやブランドに疎い私は、ドリス・ヴァン・ノッテンの名前を知りませんでしたが、ミシェル・オバマ前大統領夫人、ニコール・キッドマンなどセレブに愛されるファッション・デザイナー。
広告は一切せず、自己資金だけで活動。小物やアクセサリーは作らず、洋服だけで勝負。
こんな彼のもとには、世界中から素材の布が届くそうです。そして、ドリス自身、良い素材を求めることに余念がありません。インドのコルカタには刺繍工房を構え、駐在員まで置いています。これには、伝統的な手仕事を絶やさないためという彼なりの思いがあるから。インドの手刺繍を施した布で作った服なら、私も欲しい!
取材を拒み続けてきたドリスから、ようやく許可を取り付けた密着取材。
アントワープの邸宅での、ドリスと彼の公私共にパートナーであるパトリックの日常もカメラは映し出します。広大な庭に咲く花が暮らしを彩り、家庭菜園で出来た野菜が食卓を飾ります。心満たされる環境が、人々に愛されるデザインを生み出していることを感じさせてくれました。(咲)


2016年/ドイツ・ベルギー/93分/16.9/5.1ch
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:http://dries-movie.com/
★2018年1月13日(土)よりヒューマントラストシネマ 有楽町、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー




posted by sakiko at 19:04| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

ブルーム・オブ・イエスタディ   英題:The Bloom of Yesterday

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監督:クリス・クラウス (『4分間のピアニスト』)
出演:トラース・アイディンガー、アデル・エネル

ホロコーストの加害者と被害者の孫が出会い、恋に落ちる!
ドイツ人でホロコースト研究者のトトは頑固者。同僚と口論しているそばで教授が急逝。遺された犬のガンジーを引き取り、「ホロコーストを語る会」の開催に向け奔走する。トトの祖父はナチスの戦犯で、その罪ほろぼしに会を成功させたいと思っているのだ。そんな折、フランスからホロコースト研究者の女性ザジがやってくる。祖母がナチスの犠牲者となったユダヤ人で、親族の無念を晴らすために、なんとしても「ホロコーストを語る会」を成功させたいという。二人の目的は違うが、一緒に会の開催に向けてまい進することになる・・・

2016年・第29回東京国際映画祭のコンペティション部門で東京グランプリ(最高賞)およびWOWOW賞を受賞した作品。(映画祭上映時タイトル『ブルーム・オヴ・イエスタディ』)。
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クリス・クラウス監督(左)とカトリン・レンメさん(プロデューサー)

東京国際映画祭上映の折のQ&Aでのクラウス監督談:

ドイツでは、8歳の頃からホロコーストについて学び続けるけれど、加害者の子孫であっても、個人的痛みとして感じていないことがほとんど。被害者側とのぎくしゃくした関係を克服するには、痛みに直接向き合うことが大切です。
また、ドイツでは、ユダヤ人の生き残りはいい人に見せないといけないという風潮がありますが、そのタブーを破って、嫌味なタイプの女性を登場させました。(「ホロコーストを語る会」に登場する経験者の年老いた女性)
コメディータッチで描きながらも、ホロコーストの痛みは持続させた作りにしました。

実は、昨年、東京国際映画祭で、ホロコースト絡みなので興味津々で観た映画なのですが、ブラックユーモアについていけなくて、あまり好きになれなかった作品。
公開を前に試写状をいただいたので、もう一度観てみました。ドイツ流の笑いのツボは、違うなぁ〜と思いつつ、監督が描こうとした思いは、ずっしりと伝わってきました。
ドイツの人たちが、ホロコーストにしっかり向き合う教育を受けてきたからこそ、加害者側にも被害者側にも、公平に思いを寄せることができるのではないでしょうか。
別れた男と女のその後も、この映画のみどころ。どこの世界にもありそうで、ドキッとする人もいるのでは。(咲)


2016年/ドイツ・オーストリア/2時間3分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
配給:キノフィルムズ / 木下グループ
公式サイト:http://bloom-of-yesterday.com
★2017年9月30日(土)Bunkamuraル・シネマ他 全国公開




posted by sakiko at 18:03| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月10日

50年後のボクたちは   原題:Tschick

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監督・共同脚本:ファティ・アキン
脚本:ラース・フーブリヒ
原作:ヴォルフガング・ヘルンドルフ(「14歳、ぼくらの疾走」)
出演:トリスタン・ゲーベル、アナンド・バトビレグ・チョローンバータル

14歳のマイクはクラスメイトのタチアナに片思いしているけれど、臆病者で話しかけることもできない。同級生からは変人扱いされている。おまけに母親はアル中で、父親は浮気中。ある日、チチャチョフ(愛称チック)という転校生がやって来る。ロシアの辺鄙なところから来たらしい。目つきが悪く、変な髪形をしている。隣の席のマイクと目を合わせようともしない。
タチアナの誕生日パーティが近づいたが、マイクとチックのところにだけ招待状が届かない。夏休みになり、アル中の母は病院に入り、父は愛人と旅に出てしまう。一人置き去りにされたマイクのところに、チックがオンボロ車“ラーダ・ニーヴァ”に乗ってやって来て旅に誘う。南へと向かう二人。目指すは、チックの祖父が住んでいるワラキア(ドイツ語で「未開の地」の意)。トラブル続きのハチャメチャな旅が始まった・・・

トルコ移民の両親のもと、ハンブルグで生まれたファティ・アキン監督が、ドイツ国内で220万部以上を売り上げ、26カ国で翻訳されている大ベストセラー小説「14歳、ぼくらの疾走」に惚れ込み、実写映画化した作品。
原作に基づいた作品ゆえ、『そして、愛に帰る』などのようにトルコの香りはしないけれど、本作は、若者のロードムービー『太陽に恋して』にもちょっと通じるところのある作風。
14歳という、ちょっと大人に足を突っ込んで背伸びしたい年代。警官に追いかけられたりもするけれど、思うがまま、やりたい放題の旅は、きっと一生忘れられない思い出になるでしょう。
出会ったイザという女性と3人で、50年後にまたここで会おうと約束します。50年後なんて、ずぅ〜っと先と思うでしょうけど、あっという間。中学3年生の頃の友達とは、それこそ50年来の付き合い。ずっと会ってない同級生に50年ぶりに会っても、あっという間に当時の気分に♪ 大人になってしまうと、大きな出来事も、それがいったい何歳の時のことだったか、あやふやになることもあるけれど、10代に起こった出来事は、鮮明に何歳の時のことか覚えているもの。若いときの経験って大事だなと思う。(咲)


配給:ビターズ・エンド
2016年/ドイツ/93分/ビスタ
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/50nengo/
★2017年9月16日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー




posted by sakiko at 09:08| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする