2018年12月09日

ときめき プリンセス婚活記(原題:The Princess and the Matchmaker)

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監督:ホン・チャンピョ
脚本:イ・ソミ
撮影:イ・ヒョンドク
音楽:キム・ドンキ
出演:イ・スンギ、シム・ウンギョン、ヨン・ウジン、カン・ミンヒョク(CNBLUE)、チェ・ウシク、ミンホ(SHINee)他

英祖 29年(1753年)、王(キム・サンギョン)は深刻な大干ばつから民を救うために、あらゆる策を尽くしていた。だが雨は一向に降らない。困り果てた王は占術に頼り、陰陽の均衡の崩れを元通りにするため、婚期を迎えた娘・ソンファ姫(シム・ウンギョン)と、最高の相性を持つ男性を婿として迎え入れ、婚礼を執り行うことを決断する。姫に相応しい婿を見つけるため、朝鮮最高の監察官(占い師)ソ・ドユン(イ・スンギ)を抜擢。一大婚活プロジェクトが始動した。国中から選りすぐりの花婿候補が集い、占いによって最終的に4人に絞られる。しかしソンファは見ず知らずの男性と結婚する事はできないと、4人の素顔を知るべく、宮中を抜け出して町へ出るのだが、ソ・ドユンに見つかり…

結婚する前に相手の顔を見てみたい。主人公ソンファ姫の気持ちはよくわかる。しかし、文字通り、お姫様育ちで世間を知らないソンファ姫が臆することなく出掛けていくので、見ている方はハラハラが止まらない。そんな姫のピンチに遭遇するのが監察官のソ・ドユン。姫の身分を知らずに助け、2人が反発しあいながらも気になってしまうのは、ラブコメ、お決まりの展開である。『怪しい彼女』『サニー 永遠の仲間たち』で人気を博したシム・ウンギョンがはつらつとした明るさでソンファ姫を好演。イ・スンギも朝鮮最高の占い師を知的に演じた上に、アクションまで披露する。年末の忙しさに疲れたときに、頭を空っぽにして楽しめる作品に仕上がった。(堀)

2018年/韓国/シネスコ/110分
配給:ツイン
(C) 2018 CJ E&M CORPORATION, JUPITER FILM, ALL RIGHTS RESERVED
http://tokipuri.jp/
★2018年12月8日(土)シネマート新宿他にて全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 16:35| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月02日

共犯者たち(英題:Criminal Conspiracy)

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監督:チェ・スンホ
脚本:チョン・ジェホン
撮影:チェ・ヒョンソク
製作:ニュース打破

2008年、〈米国産牛肉BSE問題〉などの報道により国民の支持を失いかけた李明博政権は、メディアへの露骨な政治介入を始める。狙われたのは公共放送局KBSと公営放送局MBC。政権に批判的な経営陣が排除され、調査報道チームは解散、記者たちは非制作部門へと追われた。両局の労働組合はストライキで対抗するが、政権が送り込んだ新しい経営陣は解雇や懲戒を濫発。その結果、政府発表を報じるだけの「広報機関」となった放送局は、〈セウォル号惨事〉で「全員救助」の大誤報を流し、〈崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件〉の隠蔽に加担することになった……。
しかし、それでも諦めないジャーナリストたちがいた。局内に残った記者たちは、さらに激しいストライキに突入。いっぽう、不当解雇されたチェ・スンホ監督たちは、市民の支援で立ち上げた独立メディア「ニュース打破」で調査報道を継続。言論弾圧の「主犯」である大統領と、権力に迎合して韓国の報道を骨抜きにした放送業界内の「共犯者たち」をカメラの前に立たせ、その実態と構造とを明らかにしていく。

テレビ局への露骨な介入がこれでもかと描かれる。狙われたのは受信料収入で運営される公共放送KBSと、政府が出資して民間が運営する半官半民の公営放送MBC。政権から送り込まれた経営陣によって不当解雇や配置転換が繰り返される。言論弾圧が現実にあったのだと思い知らされた。政権寄りの報道で市民の支持は失われ、局内に閉塞感が漂う。お昼休みに局内の廊下で「社長退陣!」と叫び自撮りでネット配信するプロデューサーは、妻に「変人扱いされて辞めさせられたらそれで終わり」と諭される。笑っているうちに、切なくて泣けてきた。監督のチェ・スンホがMBCの元社長に突撃取材で迫る。元社長が質問に答えず、「MBCは民営化しなくてはいけない」と繰り返したのが印象的。権力と放送メディアの距離感、放送労働者の連帯、市民からの支持・信頼…。隣国の出来事として片付けられないことばかりである。(堀)

2017年/韓国/カラー/DCP/105分
配給:東風
(C) KCIJ Newstapa
http://www.kyohanspy.com/
★2018年12月1日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 20:57| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月13日

ファイティン! 原題:챔피언/Champion

10月20日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー

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c2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

監督:キム・ヨンワン
製作:ハン・ドンファン
脚本:キム・ヨンワン
撮影:ユ・ジソン
美術:イ・ハナ
音楽:ナム・デウォン

キャスト
マ・ドンソク:マーク
クォン・ユル:ジンギ
ハン・イェリ:スジン
チェ・スンフン:ジュニョン
オク・イェリン:ジュニ

生まれてすぐにアメリカに養子に出されたマーク(マ・ドンソク)。しかし引き取って育ててくれた親も亡くなり、ひとりぼっちでアメリカで生きてきた。アームレスリングのチャンピオンを目指していた孤独な男マークだが、八百長疑惑によりアメリカのアームレスリング界から追放されて、今はクラブの用心棒で生計を立てていた。マークを金づるにしようと目をつけた自称スポーツ・エージェントのジンギ(クォン・ユル)に反発しつつ、口車に乗せられ、韓国に戻って再びアームレスリングの世界に身を委ねて行くことにした。そしてジンギは、マークの実の母親の連絡先も調べていた。
この情報を知り、生みの母親が住む家に行くが、そこに住んでいたのは、知らなかった妹(スジン)とその子供達だった。子供たちと友達になり、妹とも不器用ながらも距離が近づいていったが、妹は借金を抱えているようだった。そんな中、アームレスリングの世界大会に向けて、韓国代表を選ぶ戦いが始まった。

マークを演じるのは、『新感染 ファイナル・エクスプレス』で注目され、『犯罪都市』で主演を演じ、本国韓国で個性的かつマッチョな風貌で人気上昇中のマ・ドンソク。彼が本格的アームレスリング映画の主演を演じた感動の腕相撲アクションドラマ+存在を知らなかった妹とその子供たちとの「絆」が、大きな感動を与えてくれる。ジンギ役は、『バトル・オーシャン 海上決戦』のクォン・ユル、スジンは『ハナ 奇跡の46日間』のハン・イェリが演じ、芸達者な子役(ジュニョン )は、多くのTVドラマに出演しているチェ・スンフン。 そんな出演者が描く物語。チャンピオンになることを夢見ているマーク。怪しげなスポーツエージェントのジンギ。そしてマークが新しく見つけた家族である妹スジンと子供たち。エネルギッシュなアームレスリングの場面と心温まるストーリーが合わさり、感動の物語が誕生した。

キム・ヨワン監督は「この映画は、マ・ドンソクがアームレスリングをしたら面白いだろうというシンプルなアイデアからスタートしました」と語り、さらに「脚本を執筆中に考えていたことは養子に出された人たちやシングルマザーのことです。社会からの厚い偏見に直面しなければならない人たちについてのストーリーを書くということはとても意義があるとことだと思っていました」と語り、様々な社会的地位に置かれている多様なキャラクターのいる映画を作ったそうです。

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c2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved


貧しさからアメリカに養子に出された韓国人のマーク。弟のような友人ジンギかマークの腕相撲の実力を見込んで韓国に呼ぶ。ジンギはエージェントを気取ってマークを怪しげな人物に売り込むが、相手はイカサマを強要。マークが従わず、トラブルに。
一方、マークはジンギから実の母の家を教えられ探しに出掛ける。そこには若い母と2人の子どもが住んでおり、おばあちゃんは亡くなったという。マークにとって妹と甥、姪。突然の家族に戸惑いながらも、家族との生活に楽しみを見出していく。そして、腕相撲大会での優勝を姪と約束する。
いくつかの腕相撲試合に出た後、全国大会にエントリー。マークは姪との約束を果たすことができるのか。
たかが腕相撲と思うのは間違い。テクニックを要し、世界大会も行われる競技である。ガタイのいい男たちが言葉通り手に汗握る熱い戦いを繰り広げる。思わず身を乗り出してしまった。エンタメ性ばっちり。
一方で、戸惑い、思いに反して傷つけてしまいながら、妹一家と家族となっていく様子に心がほっこり温かくなる。優勝を約束する姪との指切りは、姪の手の小ささが際立ち、可愛らしさに萌えてしまう。姪を演じたオク・イェリン、なかなかの役者だわ!(堀)

私がマ・ドンソクのことを認識したのは『新感染 ファイナル・エクスプレス』。それまでも彼の出演作品を観てはいたけど、あまり印象に残っていない。『新感染 ファイナル・エクスプレス』では心優しい力持ちという典型的な役だったけど、この『ファイティン!』でも「心優しい力持ち」の役だった。彼にはこういう役がよく似合う。さらにこの作品では、子供の頃アメリカに養子に出されて「親に捨てられた」と思い、心に傷を持つ役だった。この国際養子縁組を描いた作品は、これまでも『はちみつ色のユン』や『冬の小鳥』など心に残る作品があったが、『ファイティン!』もそれに加わった(暁)。

主人公マークは養子に出されて、アメリカ育ちという設定で、英語の発音がさすが本格的と思ったら、マ・ドンソクさんご自身、10代の頃に家族でアメリカに渡り、米国籍なのでした。コロンバス州立大学校 体育学科を出ていて、なるほど!と思ったら、なんと、デビューはミュージカル俳優として! 同時に、ボディービルダーとヘルストレーナーとして活動されていて、『ファイティン!』のマーク役は、まさにはまり役。これまで数多くの映画やドラマで、ちょっと笑いを誘う名脇役を務められてきましたが、堂々の主役。
本作で、私が楽しみにしていたのは、クォン・ユルさん。ドラマ「ゴハン行こうよ2」のいかにも坊ちゃん育ちのエリート公務員役を演じた時に、お〜私の好み♪とぞっこんに。今回は、調子のいいスポーツエージェントで、チンピラ風。
お金がなくて、マークが子どもたちを連れてトルチャンチ(満1歳誕生日のパーティ)にちゃっかり潜り込んでご馳走を食べる場面がありました。これもクォン・ユルさん演じたジンギの入れ知恵でした。
生後100日目だけでなく、満1歳を祝う習慣はますますエスカレートして、最近はホテルやレストランでのビュッフェ形式が多いのだそうです。これなら、ご近所さんという顔をして入れそう!  
一方で、韓国では、本作の主人公のように、事情があってやむを得ず養子に出されるケースも多く聞きます。生まれた子どもの運命の明暗を感じさせてくれました。(咲)


公式HP http://fightin.ayapro.ne.jp/about.php
2018年/韓国/韓国語・英語/カラー/スコープサイズ/ステレオ/108分/
日本語字幕:根本理恵  映倫G
配給:彩プロ 宣伝:フリーマン・オフィス






posted by akemi at 23:10| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月03日

7号室   原題:Room No. 7

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監督・脚本:イ・ヨンスン
出演:シン・ハギュン(『JSA』『マイ・ブラザー』)、D.O.( ディオ:ボーイズアイドルグループ「EXO」のメインボーカル)(『あの日、兄貴が灯した光』)

ドゥシク(シン・ハギュン)は10年前、離婚ですべてを失い、人生の再起をかけて個室DVD店を開き、街一番の品揃えを誇っていた。そんな店も時代遅れとなり客足はすっかり途絶え、家賃は滞納、従業員への給料も払えないでいた。一方、給料を貰えないでいるアルバイト店員のテジョン(D.O.)は、麻薬密売人からブツを預かるだけで多額の報酬を払うという話に乗り、預かったスーツケースを店の「7号室」に隠す。
なんとか店を売却したいドゥシクは、アルバイトをもう1名雇って、大繁盛を装う。お蔭で売買契約を希望する相手も現れるが、そんな最中、新人バイトが老朽化した店内で不慮の死を遂げてしまう。ドゥシクは死体を「7号室」に隠し、ドアの前には本棚を置き、誰にも開けられないようにしてしまう。密売人に渡すためブツを取りにきたテジョンは、封印されている「7号室」になんとしてでも入りたい。開けられては困る社長ドゥシクとの壮絶なバトルが繰り広げられる・・・

新入りバイトが死んでしまったのは、不慮の事故だから、警察に届ければ何の問題もないのですが、パニックに陥ったドゥシクは7号室に隠してしまいます。おまけに、そこには置いておけないと姉の店に死体の入ったスーツケースを苦労して移し、さらにまた戻さなくてはいけないという事態に・・・ 演技派シン・ハギュンと、アイドルグループ出身の若手ホープのD.O.との攻防戦が、真剣なだけに、もう笑うしかありません。でも、登場人物それぞれの人生の背景を思うと、笑っていられない社会の不公平を感じてしまいました。(咲)

2017年/韓国/100分
配給:ツイン
公式サイト:http://www.roomno7.com/
★2018年8月4日(土) シネマート新宿ほか全国公開





posted by sakiko at 21:28| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月05日

スウィンダラーズ(原題:The Swindlers)

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監督・脚本:チャン・チャンウォン
撮影:イ・テユン
音楽:パン・ジュンソク
出演:ヒョンビン(ファン・ジソン)、ユ・ジテ(パク・ヒス)、ペ・ソンウ(コ・ソクトン)、パク・ソンウン(クァク・スンゴン)、アン・セハ(キム課長)、ナナ(チュンジャ)

韓国中を騒がせた詐欺師のチャン・ドゥチルが死亡したというニュースが流れるが、詐欺師のファン・ジソンは信じない。ドゥチルの事件を担当していたエリート検事のパク・ヒスに近づき、一緒に真相を暴こうと提案する。パク検事は自らの裏ルートの詐欺師メンバーをジソンと引き合わせる。演技力のコ・ソクトン、ハニー・トラップの仕掛け人チュンジャ、天才ハッカーのキム課長は同じ目標のために、協力する・・・はずだったが、それぞれに違う思惑があった。騙し騙されの攻防の末、勝つのは誰だ?

コンフィデンシャル 共助』が2月に公開されたヒョンビン、そちらでは殆ど笑顔を見せない北朝鮮の軍人役でしたが、こちらでは詐欺師を騙す頭の切れる詐欺師役。クールな検事のユ・ジテ(お久しぶり!)を相手に、いろいろな表情を見せてくれるのでファンは必見です。6人が魅力を最大限に発揮したこの作品、韓国では大ヒットしました。詐欺の手口がいろいろ出てきますが、よい子はマネしないように。これは大物詐欺師を炙り出すためです。みんなが着こなす衣装にもご注目ください。ナナさんが惜しげもなく見せる長い脚に男性はうっとりするでしょう。ペ・ソンウさん、アン・セハさんの衣装は個性が出ています。長身のヒョンビン(184cm)、ユ・ジテ(188)、パク・ソンウン(187)3人のスーツ姿が特に素敵!
観終わった後に、仕掛けや伏線を確かめにもう一度観たくなる作品でした。(白)


2017年/韓国/カラー/シネスコ/116分
配給:クロックワークス
(C)2017 showbox and DOODOONG PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
http://klockworx-asia.com/swindlers/
★2018年7月7日(土)シネマート新宿ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:33| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする