2018年02月11日

長江 愛の詩(うた)  原題:長江図 英題:Crosscurrent

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監督:ヤン・チャオ(楊超)
撮影:リー・ピンビン(李屏賓)
出演:チン・ハオ(秦昊)、シン・ジーレイ(辛芷蕾)

父を亡くしたガオ・チュンは、父の後を継いで小さな貨物船「広徳号」の船長となる。黒い魚をいけすに入れ、エサを与えず、魚が死んだら父親の魂は安らぎを得るとの言い伝えに従い黒い魚を捕らえて上海を旅立つ。花火のあがる船着場で、双眼鏡越しに見かけた女性の姿がなぜか心に残る。翌日、ガオは機関室で錆付いた缶の中にある「長江図」と題された手書きの詩集を見つける。20年前の1989年に、ガオの父親が長江を航行しながら綴った詩の数々だった。
やがて、ガオは上海で見かけた女性アン・ルーと出会い、愛を交わすようになる。彼女と出会うのは、なぜか父の詩に書かれた場所。しかも、会うごとに若くなっていく。やがて、三峡ダムを過ぎ、彼女が現われなくなったことにガオは気づく・・・  いったい、彼女の正体は? 

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016の特別招待作品として『長江図』のタイトルで上映された折り、スクリーンで観ることができなくて、DVDルームで拝見。悠久の長江の姿は、小さな画面では画面も暗くて、魅力が半減。いつかスクリーンで観たいと思っていました。
この度、公開が決まり念願が叶いました。映像の魔術師リー・ピンビンによる、息を飲む美しい長江の姿にうっとり。チン・ハオ演じるガオとともに、長江をのぼり、時折現われる美女の謎解きを楽しみました。
三峡ダムが出来、かなり上流の町にも高層ビルが林立し、急速に変わり行く中国の今も目にしました。ガオの父親が詩を綴った1989年というと、天安門事件の起こった年。中国の大きな転換期。詩に綴られた優美な世界も段々失われていくのでしょうか・・・ 
映像に残してくださったヤン・チャオ監督とリー・ピンビンに感謝です。
ぜひ、大画面でご覧ください。(咲)


2016年/中国/115分/DCP
配給:エスピーオー
公式サイト:http://cyoukou-ainouta.jp
★2018年2月17日(土)シネマート新宿、YEBIS GARDEN CINEMA他にて全国順次公開




posted by sakiko at 16:56| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月12日

戦狼/ウルフ・オブ・ウォー 原題 戦狼2 Wolf Warrior II

2018/1/12 FRI TOHOシネマズ六本木ほかにて ロードショー

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(C)Beijing Dengfeng International Culture Communication Co., Ltd. All Rights Reserved.
監督/製作総指揮/ウー・ジン
脚本ウー・ジン、クン・ドン
撮影ピーター・ゴウ
キャスト
ウー・ジン:レン・フォン
フランク・グリロ:ビッグダディ
セリーナ・ジェイド:レイチェル
ウー・ガン:ホー
チャン・ハン:イーファン

中国で大ヒットしたミリタリー・アクションが日本に上陸。監督&主演は『SPL/狼よ静かに死ね』『新少林寺』『ドラゴン×マッハ!』など、第2の李連杰(リー・リンチエ)と言われるアクションスター呉京(ウー・ジン)。アフリカの地で、単独で反乱軍に立ち向かう特殊部隊・戦狼の精鋭レンを熱演する。
アフリカ、マダガスカルの海。一人の男が海賊に襲われた貨物船を救出するところから始まる。男の名はレン。元特殊部隊「戦狼」の精鋭。ある事件から軍籍を剥奪されたレンは、反政府勢力に殺害された恋人ロンの仇を討つべくこの地に渡っていた。しかし、その最中、内戦が勃発。命からがら中国の駆逐艦に避難したレンだが、戦闘地域に自分のアフリカの息子(仲の良い男の子)の母親がいることを知り、また中国の民間人が取り残されているという話を耳にし、単独、戦地に舞い戻る。内地に取り残された人たちを救い出すため反乱軍に雇われた傭兵たちと戦う。傭兵相手に孤軍奮闘する呉京の姿がこれでもか、これでもかと描かれるが、内地の中国資本の工場で戦う仲間を得て、最後は3人で死闘を繰り広げる。
さらに、なぞの病原菌との闘いまで加わり、まさにたたかい満載の作品になっている。
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(C)Beijing Dengfeng International Culture Communication Co., Ltd. All Rights Reserved.

昨年行われた、2017東京・中国映画週間のゴールド・クレイン賞(金鶴賞)で、作品賞、監督賞、主演男優賞を受賞した。
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『SPL 狼よ静かに死ね』で初めて呉京のことを見た時、アクションのあまりのすばやさ、クリアさ、派手さに驚き、「この人、誰?」と思った。並のアクション俳優ではないオーラが出ていた。そうしたら李連杰と同じ武術学校の後輩とのことだった。その後の活躍はあれよあれよという感じだったけど、監督までしていたとは知らなかった。
これまでの彼の作品は、武器は使わず、自身のアクションが見せ場という感じだったけど、この作品では銃や戦車、戦闘機まで出てきて、戦いのシーンの連続でめまぐるしかった。最近の映画は、この作品に限らず、こういう戦闘シーンが多いなと感じる。そして、中国映画でアフリカを舞台にした作品というのは初めて観た。アフリカに進出している中国を実感した。
最後に「中国は国民を救うために全世界に出かけて行く」というような言葉が出てきて、プロパガンダ映画かと引いてしまった。でも、考え方を変えれば、「危険な地域に行くのは自己責任で」という、どこかの政府よりましかもとも思う。(暁)


2017年 中国 配給 KADOKAWA
公式HP
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2018年01月07日

西遊記 ヒーロー・イズ・バック(原題:西遊記之大聖帰来 Monkey King: Hero Is Back)

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監督:田暁鵬(ティエン・シャオポン)
日本語版主題歌:渡梓
日本語吹き替え制作監修:宮崎吾朗
声の出演(日本語吹き替え):咲野俊介(孫悟空/斉天大聖)、羽村仁成(リュウアー)、子安武人(混沌)、麦人(お師匠さま)、遠藤純一(猪八戒/天蓬元帥)、園崎未恵(女妖怪)

妖怪に脅かされる長安。旅の一行が山の妖怪に襲われ、母親は赤ん坊を抱いて崖下へ身を投げた。生き残って川を流されていた男の子は托鉢僧に拾われ、リュウアーと名付け育てられた。親代わりのお師匠様について修行しているリュウアーの憧れは孫悟空。赤ん坊のときに親が持たせてくれたのが孫悟空の人形だったのだ。
町には今も妖怪が出没し、子供をさらっていく。リュウアーは女の子を助けて五行山の洞窟に逃げ込み、何かの封印を知らずに解いてしまった。現れたのは天界で大暴れしたため、お釈迦様に500年もの間、封じられていた孫悟空だった。リュウアーは憧れのヒーローが危機を救ってくれるものと大喜びするのだが。

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孫悟空イラスト入りトレーナー姿の田暁鵬監督(2016年3月)

この作品は2016年に開催された“アニメアワードフェスティバル2016”で上映されました。それまでに観たどの中国アニメとも違っていて、孫悟空のカッコ良さとこどもたちの可愛さに魅了されました。リュウアーはまだ非力ですが、もっと小さな女の子おちびちゃんを守ろうと必死です。自分のことしか考えていなかった孫悟空が心をゆさぶられていく過程に胸が温かくなります。今回また大きなスクリーンで観られるのを一ファンとして喜んでいます。エンドロールも最後までお席でご覧ください。
当時来日した田暁鵬監督にインタビューさせていただきました。田監督は自分のこどもに見せたいアニメを作ったとおっしゃっていました。とても気に入ってくれたそうです。記事は本誌97号に掲載しています。こちらのスタッフ日記もどうぞ。(白)


2015年/中国/カラー/シネスコ/88分
配給:HIGH BROW CINEMA
(C)2015 October Animation Studio, HG Entertainment
http://saiyuki-movie.jp/
★2018年1月13日(土)新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 19:47| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

レイルロード・タイガー(原題:鉄道飛虎 Railroad Tigers)

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監督・脚本:ディン・シェン
出演:ジャッキー・チェン(マー・ユェン)、ホアン・ズータオ(ダーハイ)、ワン・カイ(ファン・チュアン)、ワン・ダールー(ダーグォ)、ジェイシー・チェン(ルイ)、池内博之(山口)

1941年、第2次世界大戦下の中国。マー・ユェンは鉄道の仕事をしながら、仲間たちとしばしば日本軍の物資を盗み出していた。日本軍にはゲリラ隊「レイルロード・タイガース」と知られていたがまだ尻尾をつかませず、うまく立ち回って妨害していた。日本軍との攻防で辛くも生き残った中国軍の若い兵士ダーグォを助けたマーは、ダーグォがしかけようとしていた鉄橋の爆破計画を知る。仲間たちとダーグォの遺志を継ごうとするが、日本軍の指揮官山口らが立ちはだかり、決死の闘いを繰り広げる。

監督・脚本のディン・シェンはジャッキーと『ラスト・ソルジャー』 (2010)『ポリス・ストーリー/レジェンド』 (2013)、本作と合作が続いています。今回は武術の達人でも警察官でもない、普通の男でいなければならなかったので逆に大変だったかも。列車の内外でのアクションは相変わらず凄いです。何事もよく気がつくジャッキーのことだから、主演だけでなくスタント・チームや若い俳優への気配りもきっとしたはず。
ジャッキーの実子のジェイシー・チェンのほか注目の若手がたくさん出演しています。人気K-POPグループ「EXO」の元メンバー、ホアン・ズータオは元仕立て屋のダーハイ。武器はハサミ。中国兵役のワン・ダールーは読み方が違いますが、『私の少女時代』(2016/台湾)のダレン・ワンです。ラストにも特別出演の人がいますので、お見逃しなく!池内博之は『イップ・マン 序章』(2011)『スイートハートチョコレート』(2016)と中国作品に登場しています。2018年に公開の『追捕 MANHUNT』(ジョン・ウー監督)にも出演するとか。
「鉄道飛虎」で動画サイトを検索すると、ジャッキーと若手俳優たちが主題歌を歌っているようすが見られます。楽しそう。(白)


2016年/中国/カラー/シネスコ/124分
配給:プレシディオ
(C)2016 BEIJING SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION SHANGHAI FILM GROUP CO., LTD. BEIJING GOING ZOOM MEDIA CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
http://railroadtiger-movie.jp/
★2017年6月16日(金)運行開始!
posted by shiraishi at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月23日

イップ・マン 継承(原題:葉問3)

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監督:ウィルソン・イップ
脚本:エドモンド・ウォン
撮影:ツェー・チュントー
アクション監督:ユエン・ウーピン
音楽:川井憲次
出演:ドニー・イェン(イップ・マン)、リン・ホン(ウィンシン)、マックス・チャン(チョン・ティンチ)、マイク・タイソン(フランク)、パトリック・タム(サン)、ケント・チェン(ポー)、チャン・クォックワン(ブルース・リー)

1959年の香港。イップ・マンは愛妻と小学生の息子とこの街に暮らし、“詠春拳”の普及に力を注いでいる。気がかりなのは妻の体調が思わしくないこと。
好景気に沸く中、悪徳不動産業者が小学校の土地に目を付け、いやがらせを繰り返していた。裏社会を牛耳っている不動産王フランクが、立ち退かせようと手をまわしていたのだった。イップ・マンは街と妻子を守るために、人々と共に立ち向かうのだが。

『イップ・マン 序章』(2008)『イップ・マン 葉問』 (2010)に次ぐ第三弾。どちらもウィルソン・イップ監督。日本では2010年の東京国際映画祭で2本同時に上映されましたが、一般公開は順序が逆になりました。
2010年11月『イップ・マン 葉問』公開時に行われた「『イップ・マン 葉問』〜ブルース・リー誕生日記念イベント〜」のレポがこちらに。
第3弾の本作は香港の生活になじんだイップ・マンが、悪徳不動産業者と戦いますが、それがマイク・タイソンとは、びっくりしました。どういういきさつでこのキャスティングだったのか?!商売では冷酷でも自分の家族には良き父親で、闘いでは潔いところがあるなかなかいい設定でした。ドニーさんのイップ・マンは端正で愛妻家、俺様なところが微塵もなくて女子からの好感度高いです。
『グランド・マスター』(2012年/ウォン・カーウァイ監督)の目の覚めるようなアクションで一躍有名になったマックス・チャンが父兄の一人で登場します。いろいろとありましてイップ・マンと一線交えることになり、それが超重量級のタイソン戦とはまた違う見どころ。マックス・チャンはユエン・ウーピンの「袁家班(ユエン・アクションチーム)」に20代から所属していて、スタントやアクション指導を長く勤めていた人。奥様が香港のスター、エイダ・チョイ(蔡少芬)、第33回香港電影金像奨で助演男優賞を受賞したとき、彼が無名のころから支え続けた夫人の嬉し涙にくれる様子が映っています。本人も涙をこらえつつ挨拶(動画サイトで検索を)。主人公の敵役で腕はたつが冷酷、という役がこれまで多かったのですが、笑顔全開のいい役もたまには振ってほしいものです。
パトリック・タムのチンピラぶりと、お約束のブルース・リーの登場シーンもお見逃しなく。(白)


2015年/中国・香港合作/カラー/シネスコ/105分
配給:ギャガ・プラス
(C)2015 Pegasus Motion Pictures (Hong Kong) Ltd. All Rights Reserved.
http://gaga.ne.jp/ipman3/
★2017年4月22日(土)新宿武蔵野館 ほか 全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする