2018年12月14日
宵闇真珠 原題:白色女孩 英題:The White Girl
監督:クリフトファー・ドイル、ジェニー・シュン
出演:アンジェラ・ユン、オダギリジョー
香港の片隅にたたずむ漁村、珠明村。
透き通るような白い肌の16歳の少女は、太陽を浴びるとやせ細って死んでしまう奇病だとして、父親から昼間は外に出ることを禁じられている。村人たちからは幽霊のようだと疎んじられている。
ある日、幼い頃に亡くなったと聞かされている母親のドレスと、歌声が入ったカセットテープを見つける。村を出ることを夢見て、ミスコンテストのオーディションの時のものだったと知る。母に思いを馳せ、歌をくちずさむ少女。
一方、村を見下ろす丘の上の廃屋に、どこからかともなくやってきた異邦人の男が住みつく。屋上に取り付けた望遠鏡のような特殊カメラで、村の様子を部屋にいながらにして眺めていた男は、神秘的な美少女の存在に気づく。ある月夜、彼は海辺の洞窟にたたずんでいた少女に声をかける。初めて自分の存在を認めてくれた彼に、次第に心を開く少女。
二人が心を通わせるようになった頃、村では大企業と村長の間で開発計画が密かに進められていた。男が住みついた廃屋も目を付けられ、開発計画の渦中に巻き込まれる。そんな折、少女は母親の秘密を知る・・・
『欲望の翼』(91)『恋する惑星』(94)などウォン・カーウァイ監督作品をはじめ、ジム・ジャームッシュ、アレハンドロ・ホドロフスキーといった世界の名匠と組んで、独特の映像を楽しませてくれる撮影監督クリフトファー・ドイルが、公私共にパートナーのジェニー・シュンと組んで放った物語。環境問題を盛り込みながらも、映像はあくまで幻想的。
ロケ地の大澳(たいおう)は、ランタオ島の西に位置する小さな漁村。ランタオ島の東側には香港国際空港やディズニーランドが出来て、橋で九龍半島とも繋がり便利になったけれど、山にはばまれて、大澳は今も辺鄙なところ。
まだ空港の出来る前、1990年代半ばに訪れたことがあります。村の中央を流れる水路の両側に水上家屋が並ぶ独特の光景。当時は、狭い水路を綱で引っ張る渡し船で行き来していたのですが、橋が出来て渡し船はなくなったと聞いていました。『宵闇真珠』に映し出される大澳には、確かに水路を渡る橋が出来ていましたが、水上家屋の並ぶさまはかつてのまま。香港の原点のような風情がいつまでも壊されないことを願うばかりです。(咲)
2017年/香港・マレーシア・日本/広東語・北京語・英語・日本語/97分/カラー/ビスタ
配給:キノフィルムズ/木下グループ
公式サイト:https://yoiyami-shinju.com/
★2018年12月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開
2018年11月24日
ポリス・ストーリー REBORN(原題:机器之血 Bleeding Steel)
監督・脚本:レオ・チャン
撮影:トニー・チャン、ジャック・ジアン
音楽:ポン・フェイ
出演:ジャッキー・チェン、ショウ・ルオ、オーヤン・ナナ、エリカ・シアホウ、カラン・マルヴェイ、テス・ハウブリックほか
国際捜査官リン(ジャッキー・チェン)は危篤に陥った幼い娘を病院に残したまま、証人警護作戦に急遽駆り出されるが、ある陰謀に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ってしまう。
13年後、かつての事件を元ネタにした小説「ブリーディング・スチール」の出版をきっかけに、黒ずくめの犯罪組織&謎のハッカーなど、過去に因縁のある者達が次々に姿を現わし、正体を隠して暮らしていたリンも、事件の鍵を握る最愛の娘を守る為、再び立ち上がる!
ジャッキー・チェンが国際捜査官の身分を隠し、養護施設の掃除人、大学の学食従業員などをしながら、記憶を失っている娘を守り続ける。ヤキモキしながら娘を見つめるジャッキーの父親顔がいじらしい。
一方、オペラハウス屋上で見せたスタントはまだまだ健在さを感じる。『カリオストロの城』のルパンを思い出した。リンの部下を演じたエリカ・シアホウはキレのあるアクションを披露するが、カッコよくて見惚れてしまう。ショウ・ルオ演じるリ・スンは不死身すぎるが、ここは突っ込んではいけないところかも。(堀)
『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985)のジャッキーは30歳そこそこ。ユーモア溢れるアクションに釘付けになりました。後で無声映画を見るようになって、三代喜劇王のキートン、ロイド、チャップリンを継承している人だと気づきました。
無敵のジャッキーも今や定年退職の年頃だけれど、現役で活躍して今回も目を見張るアクションを披露しています。シルバー世代の星!!
たぶん10年以上前、六本木ヒルズのアリーナでCM撮影があったときに、友人たちとワイワイ見物に行きました。ハイタッチしたり日本語交えて声かけてくれたりファンサービス満点でした。最近は超多忙で映画公開があっても来日していません。来てくれないかなぁ。懐かしい主題歌「警察故事」を新しく歌いなおしたそうで、北京語です。(白)
2017年/中国=香港/カラー/シネスコ/5.1ch/109分
配給:ツイン
(C) 2017 HEYI PICTURES CO., LTD., PERFECT VILLAGE ENTERTAINMENT HK LIMITED, DADI CENTURY (BEIJING) CO., LTD., MANGO ENTERTAINMENT, CHEERFUL LAND PICTURES CO., LTD., YOUKU PICTURES (HK) CO., LIMITED ALL RIGHTS RESERVED
http://policestory-reborn.com/
★2018年11月23日(金)全国ロードショー
2018年10月14日
ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生-(原題:解憂雑貨店/Namiya)
監督:ハン・ジェ
原作:東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(角川文庫刊)
出演:ワン・ジュンカイ、ディルラバ・ディルムラット、ドン・ズージェン、リー・ホンチー、チェン・ドゥリン、ハオ・レイ、チン・ハオ、ジャッキー・チェン
2017年大晦日。ある女性企業家を襲撃し、無人の雑貨店に逃げ込んだ3人組の孤児シャオボー、トントン、アジェ。古びた時計の針が新年を告げると、シャッターの郵便受けから突如手紙が落ちてくる。それは何と1993年から届いた手紙。その雑貨店はかつて、店主が手紙による悩み相談をすることで有名だった。まさかと思いながらも返事を出してみると、また1993年から手紙が届く。3人は店主に成りすまし悩み相談を始めることに。それは25年の時を超えて、それぞれの人生を変えていくこととなる。
出逢ったこともない昔の人たちとの交流。しかしそれは偶然ではなく、運命が導いた必然だった。
東野圭吾のベストセラーが日本に続き、中国で映画化された。日本版よりも登場人物を減らし、展開がすっきり。わかりやすい。しかも、個々の伏線は最後にしっかり回収。見終わったときに気持ちよく席が立てる。
手紙で悩み事相談を受ける雑貨店店主をジャッキー・チェン。特殊老けメイクで一見別人かと思ってしまった。些細な悩みにも穏やかな笑みで真摯に向き合う姿に心が癒される。時を超えて25年後の現在と繋がり、奇蹟が起きた。夢は諦めなければ形になる!(堀)
2017年/香港=中国=日本/カラー/シネスコ/109分/PG12
配給:KADOKAWA
(C) 2017 EMPEROR FILM PRODUCTION COMPANY LIMITED WANDA MEDIA CO., LTD. SHANGHAI PMF PICTURES CO., LTD KADOKAWA CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
http://namiya-saisei.jp
★2018年10月13日(土)ロードショー
2018年05月13日
『29歳問題』 原題『29+1』(香港)
2018年5月19日(土)、ロードショー! YEBISU GARDEN CINEMA他.
監督・脚本 彭秀慧(キーレン・パン)
撮影ジェイソン・クワン
音楽アラン・ウォン、ジャネット・ユン
挿入歌:レスリー・チャン、レオン・ライ、ビヨンドほか
出演
クリスティ役 周秀娜(クリッシー・チャウ)
ウォン・ティンロ 鄭欣宜(ジョイス・チェン)
チョン・ホンミン 蔡瀚億(ベビージョン・チョイ)
ヨン・チーホウ 楊尚斌(ベン・ヨン)
エレイン 金燕玲 (エレイン・チン)
家主 林海峰 (ジャン・ラム)
タクシー運転手 葛民輝 (エリック・コット)
レコード店店主 鄭丹瑞 (ローレンス・チェン)
1ヶ月後に30歳の誕生日を迎える女性の心の葛藤がテーマ。
1975年生まれのクリスティ(クリッシー・チャウ)は、おしゃれな一人暮らしを楽しんでいるように見えるけど、30歳の大台に乗ったら女は終わりと焦っていた。しかし、仕事は順調。突然の抜擢で責任ある仕事を任され、ストレスが増大する。長年付き合っていた彼とは、忙しさの中、歯車が噛み合わなくなってしまい別れてしまった。先行き不安な時に認知症の父親が急逝。更に会社を結局やめることに。そして、雨漏りのひどいアパートで文句を言ったら、突然アパートを追い出されるはめに。
さんざんな目にあったけど、大家の甥の友人であるティンロ(ジョイス・チェン)がパリ旅行で不在の間、彼女の家に1ヶ月住まわせてもらうことに。ティンロがパリに1ヶ月旅行する間「部屋代が旅行費の足しになれば」と貸してもらったのだ。彼女の部屋は、壁にエッフェル塔を形どりたくさんの写真を貼り、80年代のレコードがたくさんあった。レコード店に勤めるティンロが収集したものだった。この部屋で「自伝」と称された彼女の日記をみつけ読み始める。そして、ティンロが偶然、自分と同じ誕生日だとわかり、自分と彼女を重ね合わせていく。クリスティは短気で怒りんぼう。なんでもせかせかしないと気がすまない。ティンロはふんわかしたのんびり屋でマイペースな人柄。正反対な性格なのに、日記を読んで、彼女の思いに共鳴する。
監督のキーレン・パンは舞台女優で、脚本や演技指導までこなす。初脚本はパン・ホーチョン監督の『イサベラ』。
本作はもともとキーレン・パン監督が演じていた芝居。主人公をキーレン・パン監督自身が一人二役で演じていた一人芝居を自身の手により映画化したもの。映画版では2人の役者が演じた。時代は10年くらい前を設定。
クリスティを演じるのは、香港の若手人気No.1のクリッシー・チャウ。ティンロを演じるのは香港芸能界のサラブレッド、ジョイス・チェン(沈殿霞/リディア・サムと鄭少秋/アダム・チェンの娘)。舞台演劇的な作りと、映画だからこそできる映像のミックスを楽しめる。
去年(2017)3月に開催された「大阪アジアン映画祭」で観客賞を受賞。
2018年4月15日に行われた第37回香港電影金像獎で、最優秀新人監督賞を受賞。
1980年代から90年代の香港芸能界の出来事や、主人公のティンロがTVで放映されたレスリーの「日落巴黎(夕暮れのパリ?)」で夢見たパリへ行ったり、そして最後、エッフェル塔の下でクリスティとティンロが二人で歩いていくシーン(夢?)には、レスリー・チャンの「由零開始(0から始めよう)」がフルバージョンで流れる。また、亡くなった香港歌手へのオマージュがあったり(張国栄、陳百強、黄家駒の話題)と、香港芸能にハマっている人にとっては親しい話題が含まれていたのでシンパシーを感じると思います。地下鉄のシーンではBYONDの黄家駒が歌う「早班火車」が流れ、日本のTVのバラエティ番組内での事故で亡くなった彼をそっと偲びました。
友人の誕生日に送られた『花様年華』のポスターネタも伏線だったし、二人が知らぬ間に出会っていたというのがだんだんにわかってくるシーンの作りもうまいと思いました。
レスリーの話題が多かったので、監督はレスリーのファンかと思ったのですが、大家さん(林海峰/ジャン・ラム)とタクシー運転手(葛民輝/エリック・コット)を演じていたラップコンビ軟硬天師のファンだそうです。エッフェル塔のシーンで「由零開始」がフルバージョンで流れるので、レスリーファンは感涙もの。また、監督は香港の映画界も、ミュージックシーンも一番輝いていた時代に育ったんだなと思います。 そういうところが香港芸能ファンには嬉しいところではありますが、30歳を目前にした女性の揺れる心というのは万国共通。それがうまく表現されていました。最近、日本でもTV(NHK「デイジー・ラック」)や映画(『見栄を張る』)で、30歳を目前にした女性たちの真情を描いた作品がありました(暁)。
5月11日に発行されたシネマジャーナル101号にキーレン・パン監督インタビュー記事が掲載されています。
またシネマジャーナルHPでもキーレン・パン監督インタビュー記事を見ることができます。
http://www.cinemajournal.net/special/2017/aichi/index03.html
公式HP:29saimondai.com
2017年/香港/広東語/111分/字幕翻訳:鈴木真理子
配給 ザジフィルムズ、ポリゴンマジック
監督・脚本 彭秀慧(キーレン・パン)
撮影ジェイソン・クワン
音楽アラン・ウォン、ジャネット・ユン
挿入歌:レスリー・チャン、レオン・ライ、ビヨンドほか
出演
クリスティ役 周秀娜(クリッシー・チャウ)
ウォン・ティンロ 鄭欣宜(ジョイス・チェン)
チョン・ホンミン 蔡瀚億(ベビージョン・チョイ)
ヨン・チーホウ 楊尚斌(ベン・ヨン)
エレイン 金燕玲 (エレイン・チン)
家主 林海峰 (ジャン・ラム)
タクシー運転手 葛民輝 (エリック・コット)
レコード店店主 鄭丹瑞 (ローレンス・チェン)
1ヶ月後に30歳の誕生日を迎える女性の心の葛藤がテーマ。
1975年生まれのクリスティ(クリッシー・チャウ)は、おしゃれな一人暮らしを楽しんでいるように見えるけど、30歳の大台に乗ったら女は終わりと焦っていた。しかし、仕事は順調。突然の抜擢で責任ある仕事を任され、ストレスが増大する。長年付き合っていた彼とは、忙しさの中、歯車が噛み合わなくなってしまい別れてしまった。先行き不安な時に認知症の父親が急逝。更に会社を結局やめることに。そして、雨漏りのひどいアパートで文句を言ったら、突然アパートを追い出されるはめに。
さんざんな目にあったけど、大家の甥の友人であるティンロ(ジョイス・チェン)がパリ旅行で不在の間、彼女の家に1ヶ月住まわせてもらうことに。ティンロがパリに1ヶ月旅行する間「部屋代が旅行費の足しになれば」と貸してもらったのだ。彼女の部屋は、壁にエッフェル塔を形どりたくさんの写真を貼り、80年代のレコードがたくさんあった。レコード店に勤めるティンロが収集したものだった。この部屋で「自伝」と称された彼女の日記をみつけ読み始める。そして、ティンロが偶然、自分と同じ誕生日だとわかり、自分と彼女を重ね合わせていく。クリスティは短気で怒りんぼう。なんでもせかせかしないと気がすまない。ティンロはふんわかしたのんびり屋でマイペースな人柄。正反対な性格なのに、日記を読んで、彼女の思いに共鳴する。
監督のキーレン・パンは舞台女優で、脚本や演技指導までこなす。初脚本はパン・ホーチョン監督の『イサベラ』。
本作はもともとキーレン・パン監督が演じていた芝居。主人公をキーレン・パン監督自身が一人二役で演じていた一人芝居を自身の手により映画化したもの。映画版では2人の役者が演じた。時代は10年くらい前を設定。
クリスティを演じるのは、香港の若手人気No.1のクリッシー・チャウ。ティンロを演じるのは香港芸能界のサラブレッド、ジョイス・チェン(沈殿霞/リディア・サムと鄭少秋/アダム・チェンの娘)。舞台演劇的な作りと、映画だからこそできる映像のミックスを楽しめる。
去年(2017)3月に開催された「大阪アジアン映画祭」で観客賞を受賞。
2018年4月15日に行われた第37回香港電影金像獎で、最優秀新人監督賞を受賞。
1980年代から90年代の香港芸能界の出来事や、主人公のティンロがTVで放映されたレスリーの「日落巴黎(夕暮れのパリ?)」で夢見たパリへ行ったり、そして最後、エッフェル塔の下でクリスティとティンロが二人で歩いていくシーン(夢?)には、レスリー・チャンの「由零開始(0から始めよう)」がフルバージョンで流れる。また、亡くなった香港歌手へのオマージュがあったり(張国栄、陳百強、黄家駒の話題)と、香港芸能にハマっている人にとっては親しい話題が含まれていたのでシンパシーを感じると思います。地下鉄のシーンではBYONDの黄家駒が歌う「早班火車」が流れ、日本のTVのバラエティ番組内での事故で亡くなった彼をそっと偲びました。
友人の誕生日に送られた『花様年華』のポスターネタも伏線だったし、二人が知らぬ間に出会っていたというのがだんだんにわかってくるシーンの作りもうまいと思いました。
レスリーの話題が多かったので、監督はレスリーのファンかと思ったのですが、大家さん(林海峰/ジャン・ラム)とタクシー運転手(葛民輝/エリック・コット)を演じていたラップコンビ軟硬天師のファンだそうです。エッフェル塔のシーンで「由零開始」がフルバージョンで流れるので、レスリーファンは感涙もの。また、監督は香港の映画界も、ミュージックシーンも一番輝いていた時代に育ったんだなと思います。 そういうところが香港芸能ファンには嬉しいところではありますが、30歳を目前にした女性の揺れる心というのは万国共通。それがうまく表現されていました。最近、日本でもTV(NHK「デイジー・ラック」)や映画(『見栄を張る』)で、30歳を目前にした女性たちの真情を描いた作品がありました(暁)。
5月11日に発行されたシネマジャーナル101号にキーレン・パン監督インタビュー記事が掲載されています。
またシネマジャーナルHPでもキーレン・パン監督インタビュー記事を見ることができます。
http://www.cinemajournal.net/special/2017/aichi/index03.html
公式HP:29saimondai.com
2017年/香港/広東語/111分/字幕翻訳:鈴木真理子
配給 ザジフィルムズ、ポリゴンマジック
2018年03月07日
メイド・イン・ホンコン/香港製造[デジタル・リマスター版]
MADE IN HONG KONG [Digitally Remastered Version] [香港製造]
原題 香港製造 Made in Hong Kong
3月10日よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか順次公開!!
監督・脚本:陳果(フルーツ・チャン)
製作:楊紫明(ドリス・ヤン)
製作総指揮:劉徳華(アンディ・ラウ)
撮影:柯星沛(オー・シンプイ)
出 演
李璨琛(サム・リー):チャウ
嚴栩慈(ネイキー・イム):ペン
李棟全(ウェンダース・リー):ロン
譚嘉荃(エイミー・タム):サン
1997年|香港|108分 日本初公開 1999年6月12日
配給:ユナイテッドエンタテインメント
公式HP
20年の時を経て、4Kレストア・デジタルリマスター版で甦る!
中国返還に揺れる香港を舞台に、行き場を失った若者たちの激しくも眩しい青春を描いた、低予算&ノースター映画が新人監督フルーツ・チャンにより作られた。街角でスケボーをしていてスカウトされ、まったく演技経験のないサム・リーを主演に起用し、たった5人のスタッフ、知人から借りた8万ドルの製作費と、アンディ・ラウから譲り受けた4万フィートの期限切れのフィルムで製作された1997年製作の青春映画の名作が、4Kレストア・デジタルリマスター版で甦った!
その35mmフィルムに焼き付けられたのは、中国返還が間近になり、香港人が抱える不安や、社会の閉塞感。複雑な家庭環境で生まれ育った主人公や登場人物たちの感情が爆発する。
借金の取り立てをして日々の生活費を稼ぐ青年チャウと弟分のロンは取り立てにいった家庭で、少女ペンと出会う。ロンが飛び降り自殺した女子学生の遺書を偶然拾ったことで、3人の奇妙な関係が始まる。ペンに淡い恋心を抱き始めたチャウは、彼女が病に侵され余命わずかということを知る。
スタイリッシュな映像とポップな音楽で、香港映画の新しい表現として、公開当時センセーショナルな話題になり、異例のヒットを記録した。香港電影金像奨(アカデミー賞)でも、作品賞、監督賞、新人俳優賞の3冠を獲得。
フルーツ・チャン監督は、それまで数々の映画現場でスタッフとして働き、この作品が2作目の監督作。その後「香港返還三部作」として、『花火降る夏』(98年)、『リトル・チュン』(00年)を発表。その後も、『ドリアンドリアン』『ハリウッド★ホンコン』『美しい夜、残酷な朝』 などを監督。本作で主演デビューしたサム・リーは、その後香港映画界で活躍。40本以上の作品に出演している。ペンを演じたネイキー・イムは、映画出演はこの1本だけで、その後は服装関係の仕事をしているという。ロンを演じたウェンダース・リーは特撮マンとして映画業界に入り、美術アシスタントなどをしていたところをフルーツ・チャン監督に説得され、本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』ではスクリプターを務めると同時に、俳優デビュー。その後、数本の作品に出演するが、パン・ホーチョン監督との出会いを機に、すべてのパン・ホーチョン作で編集を務める。03年には『我的野蠻男友/My Sassy Boyfriend(日本未公開)』で監督デビューも。
20年ぶりに観たけど、何回も観ていたのに「あれ!こんなストーリーだったっけ?」と、すっかり忘れていた。部分、部分のシーンは覚えていたけど、全体の流れ、細かいところは覚えていなくて、観ながら少しづつ思い出した。印象に残っていたのは、香港のお墓の風景だった。また、ピークに上るトラムの道をサム・リーは登っていった思っていたけど、実際は降りていた。トラムに乗るたびにあのシーンを思い出していたのに勘違いだったとわかった(笑)。
悲劇的な物語の中の輝く青春といった感じで、あのころの香港の街の雰囲気に、そうそうあんな感じだったと、すっかり変わってしまった香港のことを思った。期限切れのフィルムを使っていたので、少し色が変わっていて、青紫色の映像が不思議だったことも思い出した。なつかしいけど新鮮だった(暁)。
原題 香港製造 Made in Hong Kong
3月10日よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか順次公開!!
監督・脚本:陳果(フルーツ・チャン)
製作:楊紫明(ドリス・ヤン)
製作総指揮:劉徳華(アンディ・ラウ)
撮影:柯星沛(オー・シンプイ)
出 演
李璨琛(サム・リー):チャウ
嚴栩慈(ネイキー・イム):ペン
李棟全(ウェンダース・リー):ロン
譚嘉荃(エイミー・タム):サン
1997年|香港|108分 日本初公開 1999年6月12日
配給:ユナイテッドエンタテインメント
公式HP
20年の時を経て、4Kレストア・デジタルリマスター版で甦る!
中国返還に揺れる香港を舞台に、行き場を失った若者たちの激しくも眩しい青春を描いた、低予算&ノースター映画が新人監督フルーツ・チャンにより作られた。街角でスケボーをしていてスカウトされ、まったく演技経験のないサム・リーを主演に起用し、たった5人のスタッフ、知人から借りた8万ドルの製作費と、アンディ・ラウから譲り受けた4万フィートの期限切れのフィルムで製作された1997年製作の青春映画の名作が、4Kレストア・デジタルリマスター版で甦った!
その35mmフィルムに焼き付けられたのは、中国返還が間近になり、香港人が抱える不安や、社会の閉塞感。複雑な家庭環境で生まれ育った主人公や登場人物たちの感情が爆発する。
借金の取り立てをして日々の生活費を稼ぐ青年チャウと弟分のロンは取り立てにいった家庭で、少女ペンと出会う。ロンが飛び降り自殺した女子学生の遺書を偶然拾ったことで、3人の奇妙な関係が始まる。ペンに淡い恋心を抱き始めたチャウは、彼女が病に侵され余命わずかということを知る。
スタイリッシュな映像とポップな音楽で、香港映画の新しい表現として、公開当時センセーショナルな話題になり、異例のヒットを記録した。香港電影金像奨(アカデミー賞)でも、作品賞、監督賞、新人俳優賞の3冠を獲得。
フルーツ・チャン監督は、それまで数々の映画現場でスタッフとして働き、この作品が2作目の監督作。その後「香港返還三部作」として、『花火降る夏』(98年)、『リトル・チュン』(00年)を発表。その後も、『ドリアンドリアン』『ハリウッド★ホンコン』『美しい夜、残酷な朝』 などを監督。本作で主演デビューしたサム・リーは、その後香港映画界で活躍。40本以上の作品に出演している。ペンを演じたネイキー・イムは、映画出演はこの1本だけで、その後は服装関係の仕事をしているという。ロンを演じたウェンダース・リーは特撮マンとして映画業界に入り、美術アシスタントなどをしていたところをフルーツ・チャン監督に説得され、本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』ではスクリプターを務めると同時に、俳優デビュー。その後、数本の作品に出演するが、パン・ホーチョン監督との出会いを機に、すべてのパン・ホーチョン作で編集を務める。03年には『我的野蠻男友/My Sassy Boyfriend(日本未公開)』で監督デビューも。
20年ぶりに観たけど、何回も観ていたのに「あれ!こんなストーリーだったっけ?」と、すっかり忘れていた。部分、部分のシーンは覚えていたけど、全体の流れ、細かいところは覚えていなくて、観ながら少しづつ思い出した。印象に残っていたのは、香港のお墓の風景だった。また、ピークに上るトラムの道をサム・リーは登っていった思っていたけど、実際は降りていた。トラムに乗るたびにあのシーンを思い出していたのに勘違いだったとわかった(笑)。
悲劇的な物語の中の輝く青春といった感じで、あのころの香港の街の雰囲気に、そうそうあんな感じだったと、すっかり変わってしまった香港のことを思った。期限切れのフィルムを使っていたので、少し色が変わっていて、青紫色の映像が不思議だったことも思い出した。なつかしいけど新鮮だった(暁)。