2018年11月10日

ビリオネア・ボーイズ・クラブ   原題:Billionaire Boys Club

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監督: ジェームズ・コックス
出演:アンセル・エルゴート、ケビン・スペイシー、タロン・エガートン、エマ・ロバーツ

1983年、ロサンゼルス。上流階級が集う商談の場で、偶然再会する高校の同級生だったジョー(アンセル・エルゴート)とディーン(タロン・エガートン)。金融の専門家となったジョーは、金(ゴールド)の投資を、今や有名なテニスプレイヤーとなったディーンに一緒に組んで誘致して儲けようと持ちかける。
二人は、同級生のビバリーヒルズの金持ちたちから集めた1万ドルを元手に投資グループ「ビリオネア・ボーイズ・クラブ(BBC)」を立ち上げる。贅沢で派手な社交クラブとして名を馳せ、巧妙な手口で、ウォール街の敏腕トレーダーのロン(ケビン・スペイシー)からも融資金を騙し取り、2億5000万ドルの取引をするまでに成長するが・・・

本作は、ビバリーヒルズの富裕層を相手に詐欺を働き、ついには殺人まで犯してしまった実話に基づいた物語。すでにテレビ映画にもなっていた事件ですが、皆の記憶と違う一味に仕上げてあるそうです。
さて、なんと、殺されてしまったのが、イラン人! 加害者側から、「そもそも悪いのは彼の祖国」なんて言葉も出てきました。この事件が起こったのが、1980年代。1979年のイスラーム革命で、お金のあるイラン人の多くがアメリカに逃げたのですが、カリフォルニアは気候がイランに似ていると特に人気で、その数、百万人以上。ロサンゼルスはイランゼルスと言われるほど、イラン人移民が多いのです。ビバリーヒルズに住む金持ちイラン人も大勢います。彼らに騙されたイラン人も多くいたのかしら? (咲)


2018年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/英語/108分
配給:プレシディオ
公式サイト:http://bbc-movie.jp/
★2018年11月10日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

posted by sakiko at 10:21| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月04日

走れ!T校バスケット部

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監督:古澤健
原作:松崎洋「走れ!T校バスケット部」(幻冬舎文庫)
脚本:徳尾浩司
出演:志尊淳、佐野勇斗、早見あかり、戸塚純貴、佐藤寛太、鈴木勝大、 西銘駿、阿見201、竹内涼真(友情出演)、千葉雄大(友情出演)、真飛聖、YOU、竹中直人、椎名桔平

連戦連敗、向かうところ負けばかりの超弱小チーム「T校バスケット部」。
そんなT校に、バスケの強豪H校で1年生ながらエースとして活躍していたスタープレーヤー、田所陽一が編入してくる。
陽一は親友をイジメから救った事で自分自身が標的となり、H校を自主退学していた。
もう二度とバスケはしない――。
そう心に誓い、勉強に専念する陽一だったが、新たな仲間たちとの出会い、脳裏に焼き付いて離れないリングに引き寄せられるボールの軌道が、陽一を再びコートへと駆り立てる。
情熱と葛藤、仲間と家族、あきらめきれない夢 ―。
陽一を迎えた新生「T校バスケット部」が全国大会に向けて走り出す!

シュートが決まるとこちらまでハイな気分に。チームスポーツを楽しそうにする姿から仲間への信頼感が伝わってくる。勝つ楽しみを知り、強くなっていく彼らに引き込まれた。そして、勝つことよりもフェアプレーがカッコいいという母の教えがピンチの主人公を支える。これはバスケだけではなく、生きていく上での指標となる。

またYOUが演じる顧問の労わりも心に沁みる。上に立つものはこうあるべきか。決勝戦後、相手校の顧問との対比で明らかに。
志尊淳に心癒される至福の120分。爽やかさ満点の竹内涼真が登場するボーナスタイムまであり、心が躍る。戸塚純貴は菅田将暉っぽい良さが感じられた。(堀)


2018年/日本/カラー/115分
配給:東映
(C) 2018「走れ!T校バスケット部」製作委員会
http://tkoubaske.jp/
★2018年11月3日(土)全国東映系にてロードショー
posted by shiraishi at 20:32| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

津軽のカマリ

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監督・制作・撮影:大西功一
出演:初代高橋竹山、二代目高橋竹山、高橋哲子、西川洋子、八戸竹清、高橋栄山、須藤雲栄、高橋竹童

「カマリ」とは「匂い」のこと。生前、初代高橋竹山は「津軽のカマリが湧き出るような音を出したいものだ」と語っている。大西功一監督は、彼の足跡をたどり、残された映像や音声、竹山を知る人々の言葉を集めながら、彼の苦難に満ちた人生に光をあてていく。また津軽に残る風習や文化の背景をさぐり、つましく生き、死んでいった人びとに思いを馳せる。

『スケッチ・オブ・ミャーク』で、沖縄。宮古島に残る神歌にスポットを当てた大西監督。今度は東北で津軽三味線の名人とうたわれた初代高橋竹山の残した「津軽のカマリ」を探す旅をしました。若くして内弟子になった二代目高橋竹山さんが旅の道連れとなって、師匠とともに訪ねた懐かしい場所に足を運びます。ご縁あってお二人にお話を伺えましたので、映画の後でも先にでもご覧くださいませ。(白)

☆大西功一監督インタビューはこちら
☆二代目高橋竹山さんインタビューはこちら

2018年/日本/カラー/110分/ドキュメンタリー
配給:太秦
(c)2018 Koichi Onishi
http://www.tsugaru-kamari.com/
★2018年11月3日(土)より青森・青森松竹アムゼ、つがるシネマヴィレッジ8
11月10日(土)より東京・ユーロスペース他全国順次公開


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上:11月11日舞台挨拶の前に控え室での大西監督と二代目高橋竹山さん
下:舞台挨拶終了後のサイン会で
posted by shiraishi at 18:22| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アジア三面鏡2018:Journey 

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『海』(中国)監督:デグナー 出演:チェン・ジン、ゴン・チェ
父が亡くなり、大学生の娘と母親は海に向かう。日ごろ不和な親子が喧嘩を繰り返しながら車で移動するロードムービー。
ろくに口も聞かず不機嫌な娘、電話ばかりしている母親、二人が折り合うことはあるのか?

『碧朱(へきしゅ)』(日本)監督:松永大司 出演:長谷川博己、ナンダーミャッアウン
ミャンマーのなかでも発展著しいヤンゴンに赴任してきた鈴木は、市内を循環する鉄道事業に関わっている。循環線に乗る鈴木の目に人々の飾らない生活が見えてくる。たまたま話しかけてきた乗客の男性、市場で言葉を交わした縫い子の少女、彼らの暮らしにスピードは必要なのだろうか?

『第三の変数』(インドネシア)監督:エドウィン 出演:アグニ・プラティスタ、オカ・アンタラ、ニコラス・サプットゥラ
日本にやってきたインドネシア人夫婦の目的はマンネリ化からの脱出。指定された家を訪ね、謎の男から奇妙なアドバイスを受ける。

「アジア三面鏡」は国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭の共同プロジェクト。日本を含むアジアの気鋭監督3人が、ひとつのテーマをもとにオムニバス映画を共同製作する。シリーズ第2弾の今回、共通テーマは「旅」。
3作全てにニコラス・サプットゥラが出演している。

『碧朱』の松永監督にインタビューさせていただきました。こちらです。(白)

2018年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:マーメイド・フィルム
(C)2018 The Japan Foundation, All Rights Reserved.
http://asian3mirror.jfac.jp/2018_journey/ja/

第31回東京国際映画祭にてプレミア上映。
★2018年11月9日(金)〜11月15日(木)東京・新宿ピカデリー、大阪・なんばパークスシネマ、名古屋・ミッドランドスクエアシネマにて、一週間限定ロードショー
posted by shiraishi at 17:46| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

十年 Ten Years Japan

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『PLAN75』
監督・脚本:早川千絵
出演:川口覚、山田キヌヲ、牧口元美、美谷和枝

PLAN75とは、75歳以上の高齢者に安楽死を奨励することをうたった国の制度。公務員の伊丹は貧しい老人たちに勧誘を行っていた。

『いたずら同盟』
監督・脚本:木下雄介
出演:國村隼、川星哉、辻村羽来、中野龍 

IT特区の小学生たちはAIにより理想的な道徳を刷り込まれている。用務員の重田が日々世話をしている老馬に殺処分の決定が下った。クラスのはみ出しっ子たちが動き出す。

『DATA』
監督・脚本:津野愛
出演:杉咲花、田中哲司、前田旺志郎、三浦誠己
舞花の母が亡くなり、データが入った「デジタル遺産」を手に入れた。懐かしい母の映像を喜ぶ舞花だったが、知らなかった一面も見ることになってしまった。

『その空気は見えない』
監督・脚本:藤村明世
出演:池脇千鶴 三田りりや 田畑志真
地上は原発により大気が汚染され、人々は地下での暮らしを余儀なくされていた。
見たことのない世界に憧れを抱く少女ミズキは、母に禁じられるたびに上に行きたい気持ちが募ってくる。

『美しい国』
監督・脚本:石川慶
出演:太賀、木野花
自衛隊徴兵制が導入された日本。広告代理店に勤める渡邊は告知キャンペーンの担当になった。同僚がけむたがるベテランデザイナーの天達のもとへ報告に訪れる。

香港で2015年に製作された短編オムニバス作品『十年』(日本公開2017年)は、インデペンデント映画にも関わらず大ヒット。2016年の香港電影金像奨で最優秀作品賞を受賞しました。これを期にアジア地域および国際社会の相互理解のためにプロジェクトが2016年に始動、日本、タイ、台湾でそれぞれの十年後を見据えて新鋭監督たちが描きました。日本で製作されたこの5本の総合監修を是枝裕和監督がつとめています。日本版、タイ版はTIFF2018で上映されたばかり。

「十年後」は自分はいないかもしれないなぁと観ていました。身につまされたのは『PLAN75』
高齢者が医療費を圧迫している、と言われ続けていると「生きていてすみません」と刷り込まれそうになります。その前にムダな薬を山のように出すのをやめたらどうでしょう?>病院関係者&製薬会社さま
「PLAN75」制度は結果を要求され、良策であることを証明しなければなりません。当然金と力のある人はいろいろと逃れる術があるだろうから、身寄りのない(クレームをつけられない)老人たちをまずターゲットにするはず。未来版姥捨て山。
『いたずら同盟』『DATA』はありそうと思えます。ITの進化のスピードが越えてしまうかもしれません。予想があたってほしくないのは『その空気は見えない』、『美しい国』。じわじわと背後に近づいていて、気づいたときにはもう遅い・・・パターンは勘弁。みんな言い訳はやめて、せめて選挙に行って流れを変えて頂戴。

「まえだまえだ」の弟・前田旺志郎くんが『DATA』ではすっかり青年になっていて見違えました。『奇跡』(2011)の印象が強くて『海街diary』の風太くんだったのに、今調べて気づきました。あっというまに大きくなるんですね。『美しい国』の太賀さん、木野花さんは『母さんがどんなに僕を嫌いでも』のタイジくんとばあちゃんではありませんか。
こちらでも誠実さがにじみ出ています。(白)


新鋭監督5人が10年後の日本を描いたオムニバス形式の作品。高齢化、AI社会、死後のデジタルデータの管理、大気汚染、徴兵制について取り上げる。

「PLAN75」
75歳以上に安楽死を勧める制度を勧誘する公務員の葛藤はいかばかりか。政府のPR映像はつい本気で見てしまうほど出来栄え。すっかり引き込まれた。

「いたずら同盟」
AIによって管理された小学校が舞台。孫悟空の頭のリング的なものをつけ、非道徳的な行動を取ると頭痛が起こさせる。しかし、誰にとって道徳的であることを求めているのか。管理社会の怖さを見せつけられた。

「DATA」
亡くなった母親が残したデジタルデータを父親に内緒に再現した女子高生が母の不徳に悩む。しかし、SNSなどに残るものは前後やその時の状況を知らないと間違って解釈してしまうこともある。母の不徳の真偽はわからない。5作品の中でいちばんあり得る未来だろう。いや、すでに起きているかもしれない。自分のデータについては考えておかなければ。

「その空気は見えない」
母親の池脇千津はお母さん役がすっかり板についた感。

「美しい国」
戦争を体験した人が少なくなり、平和な日々に戦争の怖さがわからなくなっている。主人公もキャンペーンに関わりつつ、徴兵制は他人事。それをリアルに感じさせたラストに見ている者も背筋がヒヤリとするだろう。
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の太賀と木野花が出演。木野花はあちらの作品では町工場のおばちゃんだが、こちらでは知的なデザイナー。役が違うと全く別人に見える。(堀)


2018/日本/カラー/ビスタ&シネスコサイズ/99
配給:フリーストーン
(C)2018 “Ten Years Japan” Film Partners
http://tenyearsjapan.com/
★2018年11月3日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 15:13| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする