2017年04月16日

3月のライオン 後編

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監督:大友啓史
原作:羽海野チカ「3月のライオン」白泉社刊
脚本:岩下悠子、渡部亮平、大友啓史
撮影:山本英夫
出演:神木隆之介(桐山零)、有村架純(幸田香子)、倉科カナ(川本あかり)、染谷将太(二海堂晴信)、清原果耶(川本ひなた)、新津ちせ(川本モモ)、佐々木蔵之介(島田開)、加瀬亮(宗谷冬司)、伊勢谷友介(甘麻井戸誠二郎)、伊藤英明(後藤正宗)、豊川悦司(幸田柾近)

零が川本家の三姉妹に出会い、安らげる場所を得てから1年。将棋界では獅子王戦トーナメントがせまっていた。養父である幸田は引きこもりの息子歩に突き飛ばされて頭に怪我を負い、不戦敗となった。後藤の妻の容態は悪化し、難病を抱える二海堂も体調は良くない。生真面目な島田は、故郷の人々からの期待に胃を痛めていた。一方、川本家では、家族を捨てて失踪していた父の誠二郎が突然戻って来る。

前編から1年後の桐山零と、彼をめぐる人々を描いた後編。前にもましてエピソードが数多く詰め込まれているので、140分もあっというまでした。連続ドラマならもっとゆったり描けたでしょうに、関係者のみなさまご苦労様と言いたいです。
零がトーナメントをどう制していくのか?将棋の勝負だけでなく、自分一人生きるのでいっぱいだったこれまでと違い、大切な人を守りたいと願う零が見られるこの後編もお見逃しなく。(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/140分
配給:東宝,アスミック・エース
(C)2017映画「3月のライオン」製作委員会
http://3lion-movie.com/
★2017年4月22日(土)全国ロードショー

“3月のライオン 映画とアニメの展覧会”も開催中
2017年4月1日(土)〜4月30日(日)
西武渋谷店 モヴィーダ館 6階、7階
詳細はこちら
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2017年04月15日

ターシャ・テューダー 静かな水の物語

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監督:松谷光絵
撮影:高野稔弘
出演:ターシャ・テューダー、セス・テューダー、ウィンズロー・テューダー、エイミー・テューダー

アメリカで最も愛される絵本作家、世界中のガーデナーの憧れのターシャ・テューダーは、1915年ボストンの富裕な家庭に生まれました。父は飛行機や船の設計・製作技師、母は肖像画家。母には社交界へのデビューを期待されましたが、農村の生活を好み、両親の親友の住むコネチカット州で成長します。22歳で結婚、夫と農場を営みながら絵本作家としてデビューしました。子どもや身の回りにある草花や動物を暖かな筆致で描いた絵本は人気を博します。4人の子どもに恵まれましたが、後に離婚。絵筆で生活を支え、子どもたちを育て上げました。
1971年、バーモント州の山中の土地を手に入れ、夢見ていた18世紀風のコテージ(長男セスの手仕事)を建てて一人住まいを始めます。日々の暮らしを大切にゆったりと送りながら、長い時間と手間をかけて花いっぱいの美しい庭を作り上げ亡くなるまで暮らしました。

このドキュメンタリー作品は松谷光絵監督が10年にわたって取材したものに、新しく撮影された映像を加えてまとめられました。ターシャのプライベートな書斎、3方向の窓から光が入り外が見えるベッドルームも見られます。晩年(2008年92歳で逝去)までそばに寄りそった愛犬メギーをなでるターシャ。少し小さくなった彼女の「幸せは自分で作り出すもの」「忙しすぎて心が迷子になっていない?」と語りかける言葉がしみこんできます。広い広い庭はとても真似できませんが、手を抜かないていねいな暮らし方はすぐにお手本になります。
2010年に日本全国を巡回した展覧会には、愛用したティーセットや台所道具、手作りの洋服がありました。この作品でまたターシャに会うことができます。(白)


ターシャさんは、新しい種を植える時、3カ所に植えて、咲き具合をみて、一番その花が幸せに過ごせる場所を見つけるそうです。その言葉を聞いて、亡き母が、植木鉢をしょっちゅう動かしていたのを思い出しました。母は、ターシャさんの番組も大好きでよく観ていました。私はといえば、花を枯らすのが得意。母が大事に育てていた草花も瀕死の状態に。
ターシャさんが草花を思う気持ちは、もちろん人を思う気持ちにも通じていて、映画を観て、あらためて素敵な人生だったなぁ〜と思いました。(咲)


2017年/日本/カラー/105分
配給:KADOKAWA
(C)Richard W Brown
http://tasha-movie.jp/
★2017年4月15日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国公開
posted by shiraishi at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

夜は短し歩けよ乙女

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監督:湯浅政明
原作:森見登美彦
脚本:上田誠
アニメーション制作:
音楽:大島ミチル
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION
出演:星野源(先輩)、花澤香菜(黒髪の乙女)、神谷浩史(学園祭事務局長)、秋山竜次(パンツ総番長)、中井和哉(樋口師匠)

京都のとある街。大学のクラブの後輩“黒髪の乙女”に恋してしまった“先輩”は積極的なアプローチができず、“るべくのじょのにとまる”という「ナカメ作戦」を毎日実践する。しかし彼女はそんな思惑に気づかず「先輩、奇遇ですね!」というばかり。仲間の珍事件に巻き込まれながら時は過ぎて行くが、彼女との距離はなかなか縮まらない。

アニメをよく観ているほうだと思いますが、湯浅政明監督の作品はこれがお初でした。プロフィールによると、同じ原作者の森見登美彦さんの「四畳半神話大系」も、湯浅監督のアニメーションで2010年に深夜枠のノイタミナで放映されていました。映画「クレヨンしんちゃん」の設定・デザインにも長く関わっていらしたようです。シンプルな絵柄や摩訶不思議なストーリーが共通しているかな。
本作では、どこにでもいそうな地味キャラの“先輩”を今人気の星野源さんが声をあてています。彼と黒髪の乙女のほかは、かなり個性的な登場人物だらけのお話。中でも出色は“パンツ総番長”、声は秋山竜次さん。CMで初めて見たときは独特のねっとり感に目が釘付けになりました。ロバート秋山という人気の芸人さんだったんですね。もし同じ配役での実写映画ができたら、そちらも面白そうです。(白)


2017年/日本/カラー/ビスタ/93分
配給:東宝映像事業部
(C)森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会
http://kurokaminootome.com/
★2017年4月7日(金)全国公開
posted by shiraishi at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

リトル京太の冒険

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監督・脚本・編集:大川五月
撮影:千葉史朗
出演:土屋楓(京太)、清水美沙(絹子)、アンドリュー・ドゥ(ティム先生)、木村心結(詩織)、眞島秀和(篤史)、ステファニー・トゥワイフォード・ボールドウィン(モリー)

小学生の京太は母の絹子と二人暮らし。大事なアイテムは蛍光色の防災頭巾。震災以来手放せなくなって毎日かぶっている。もう誰もかぶろうとしないのが不思議だ。よれよれになった英単語帳は英語のティム先生と話したくていつも持ち歩き、気になった単語はすぐに書きとめている。ティム先生は震災のときに故郷に帰ってしまったけれど、また桐生に戻ってきてくれて京太は大喜び。

大川監督は2012年に桐生市の要請で短編『京太の放課後』を製作しました。好評を得て続編『京太のおつかい』も誕生、本作は初めての長編になります。小さかった京太や詩織が作品の中で大きくなっていて、5年の歳月が目に見えます。桐生市・みどり市でオールロケ、山や街並みの背景が美しく、住まいも登場人物が今もそこにいるような感じがします。子役には脚本を渡さずに自然な反応をとらえたそうで、お芝居くさいところが全くありません。京太が知る限りの英単語でティム先生と会話するシーンに、思わず頬がゆるみます。話したい気持ちがあれば通じるものなんだよね〜。
京太が「safe(安全)」のよりどころにしている防災頭巾、当時は誰もが真剣だったはず。時間が経ったからといって忘れてしまっていいのか、と自問自答しました。(白)


2016年/日本/カラー/82分
配給:日本出版販売
(C)2016 Little Neon Films
http://www.littleneonfilms.com/littlekyota

★2017年4月1日(土)よりシアターイメージフォーラムにて公開
posted by shiraishi at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

標的の島 風(かじ)かたか

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(C)『標的の島 風かたか』製作委員会

3月11日(土)より沖縄・桜坂劇場にて
3月25日(土)より東京・ポレポレ東中野にて 他全国順次ロードショー
公開劇場紹介チラシ
http://www.tongpoo-films.jp/Kazi-Tokyo-Flyer-N.pdf

監督・ナレーション 三上智恵
プロデューサー 橋本佳子・木下繁貴
撮影監督 平田守
編集 砂川敦志

「標的の島」とは、沖縄のことではない。それはあなたが暮らす日本列島のこと


この作品は、東村・江のヘリパッド問題を描いた『標的の村』、オスプレイ配備に抵抗する県民の姿を描いた『戦場ぬ止み』と、沖縄の米軍基地問題を描き続けている三上智恵監督によるドキュメンタリー。
沖縄では米軍普天間飛行場の辺野古への移設計画による新基地建設、高江のオスプレイのヘリパッド建設、そして宮古島、石垣島の自衛隊配備とミサイル基地建設などさまざまな問題を抱え、反対派の住民たちによる激しい抵抗、警察や機動隊との衝突が続いている。
そんな現実を描きながら、沖縄の文化や伝統、県民性も浮き彫りにし、なぜ沖縄の人たちがこの基地建設に反対するに至ったのかということをわかりやすく描いている。
2016年6月、沖縄県那覇市で行われた米軍属女性暴行殺人事件の被害者を追悼する県民大会で、稲嶺進名護市長は「我々は、また命を救う“風かたか”になれなかった」と言い、その言葉をキーワードにしている。「風(かじ)かたか」とは風よけ、防波堤の意味だという。
たくさんの沖縄県民の反対の声を黙殺した辺野古への新基地建設、全国の警察から1000人もの機動隊を投入して高江で強行されるオスプレイのヘリパッド建設。負傷者うあ逮捕者を出しながら、激しい抵抗が続いている。宮古島、石垣島ではミサイル基地建設と自衛隊配備が進行していることも描かれる。
これは日本列島と南西諸島を防波堤にして中国を軍事的に封じ込める、「エアシーバトル構想」というアメリカの戦略の一環であり、日本を守るためではなく、基地があれば軍事的な標的になる。それは太平洋戦争中の沖縄自身が体験してきたこと。沖縄の人たちはそれを実感しているからこそ、基地を作ること、増強することに反対してきた。それらを映画は映し出す。

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(C)『標的の島 風かたか』製作委員会


三上監督の作品は沖縄への愛に満ちている。愛ゆえに沖縄を蹂躙し、支配しようとする権力に抵抗する。東京生まれだが、両親の沖縄への転勤により住まいを移したことがきっかけで、民族学への興味が沖縄に向いたと語っていた。沖縄の人たちの基地への抵抗を描いた作品はいくつもあるけど、三上監督の作品は、単に抵抗する姿だけを描くのではなく、なにゆえに沖縄の人たちはこういう行動をしているということを描く。それこそが、本土の人たちへのメッセージになっていると伝わってくる(暁)。

公式サイト http://hyotekinoshima.com/
協力 沖縄タイムス社、琉球新報社
製作協力 沖縄記録映画製作を応援する会
製作 DOCUMENTARY JAPAN、東風、三上知恵
2017年/119分/DCP・BD/16:9/日本/ドキュメンタリー

シネマジャーナルでは『標的の村』公開時に三上監督にインタビューしています。
http://www.cinemajournal.net/special/2013/hyoteki/
posted by akemi at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする