2018年11月19日

A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー(原題:A GHOST STORY)

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監督:デヴィッド・ロウリー
出演:ケイシー・アフレック(C)、ルーニー・マーラ(M)

田舎町の小さな一軒家に住む若い夫婦のC(ケイシー・アフレック)とM(ルーニー・マーラ)は幸せな日々を送っていたが、ある日、夫Cが交通事故で突然の死を迎える。妻Mは病院でCの死体を確認し、遺体にシーツを被せ病院を去るが、死んだはずのCは突如シーツを被った状態で起き上がり、そのまま妻が待つ自宅まで戻ってきた。Mは彼の存在には気が付かない。それでも幽霊となったCは、悲しみに苦しむ妻を見守り続ける。しかしある日、Mは前に進むためある決断をし、残されたCは妻の残した最後の想いを求め、彷徨い始める。

2人で相談して前に進みたい妻。決めてしまうことに躊躇する夫。結論を出す前に気まずい空気になってしまう。夫婦やカップルでよくあること。主人公夫婦も似たような状況。痺れを切らせた妻が家を出る準備を始めると、夫が交通事故で亡くなり、ゴーストになってしまった。目の部分だけ穴を空けたシーツを被り、じっと佇む。妻を見つめるだけで何もできない。ケイシー・アフレックが届かぬ想いをシーツの中から微かな気配だけで表現する。
一方、妻はダブルベッドで夫がいつも寝ていた側で枕に顔を埋める。切ない。また、チョコレートパイを丸ごと、延々と食べる。長回しのカメラワークから苛立ちが伝わってきた。
ゴーストの夫は生きている妻とは時間の感覚が違い、時系列を超えて存在する。夫が生きていた頃の不可解な現象の意味が明らかになったとき、ゴーストのやり切れなさがさらに際立つ。
ラストは見る者によって感じ方が違うだろう。しかし、私はゴーストが昇天できたと思いたい。デヴィット・ロウリー監督の『セインツ -約束の果て-』でも共演したケイシー・アフレックとルーニー・マーラが本作でも息の合った演技を見せる。(堀)


2017年/アメリカ/英語・スペイン語/カラー/スタンダード/92分
配給:パルコ
(C) 2017 Scared Sheetless, LLC. All Rights Reserved.  
http://www.ags-movie.jp/
★2018年11月17日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 15:21| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月18日

いろとりどりの親子(Far from the Tree)

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監督:レイチェル・ドレッツィン
原作:アンドリュー・ソロモン「Far from the Tree Parents,Children and The Search for Identity」

ジェイソンと、母エミリー、タイピングを覚えるまで言葉を発することがなかった自閉症のジャックと、彼のためにあらゆる治療法を試したオルナット夫妻、ダウン症のジェイソンと母、身体障がいや発達障がい、LGBTなど「違い」を持つ子と親、夫婦など6組を紹介している。原作者のアンドリュー・ソロモンもその一人として出演し、現在の姿を見せている。

世界24カ国で翻訳されたベストセラーの映画化。アンドリュー・ソロモンは自らゲイであることを両親にうちあけましたが、受け入れてもらえませんでした。母親は彼を拒否したまま亡くなり、アンドリューは深刻な欝に苦しんだそうです。その後、同性愛は個性として認められるようになり、父親と和解します。アンドリューは自分の経験もふまえ、「治療すべきものと、祝福されるものの境目がどこにあるのか?」に注目します。以来10年間にわたって300以上の親子にインタビューを行い、900p にもなった著作を出版。
この本の書評を読んだレイチェル・ドレッツィン監督が映画化を申し入れました。アンドリューが多数の申し込みの中から彼女に決めたのは、最も明確にテーマを理解していたから。障がいを持つ子とその親が直面する困難、その経験がもたらす喜びへの過程を描き、お互いを受容していくことの大切さを知らせてくれます。(白)


2018年/アメリカ/カラー/ビスタ/93分
配給:ロングライド
(C)2017 FAR FROM THE TREE, LLC
http://longride.jp/irotoridori/
★2018年11月17日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 20:27| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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監督:武正晴
原作:中村文則
脚本:武正晴、宍戸英紀
撮影:西村博光
音楽:海田庄吾
出演:村上虹郎(西川トオル)、広瀬アリス(ヨシカワユウコ)、日南響子(トースト女)、新垣里沙(隣の母)、岡山天音(ケイスケ)、リリー・フランキー(刑事)

大学生のトオルは雨の夜、男が倒れているところを通りかかる。もう息はなく、傍らには銃が落ちていた。トオルはそれを拾って持ち帰る。初めて見る銃は魅惑的で、力の象徴のように思えた。その日からトオルの生活は少しずつ変わっていく。悪友のケイスケに誘われて参加した合コンで知り合った女性の部屋に泊まるユウスケ。翌朝のテレビニュースであの男の遺体が発見されたことを知った。
大学ではユウコが親しげに話しかけてくる。トースト女とは別にユウコとのかけひきを楽しむことにした。銃があることが自分の支えになっている気がする。そのうち見ているだけではなく、バッグにバッグに入れて持ち歩くようになった。そこへ刑事と名乗る男が接触してくる。

日々ゲーム感覚ですごしている大学生が、本物の銃・初めての無敵のアイテムを手に入れました。トオルが感じる力は、武器としての銃の力。装備したとたんに攻撃力があがったわけです。しかし、本人の経験値が低いので、闇に引っ張られているという、ゲームをやる人にはわかりやすいですね。
隣からは子どもを虐待しているらしい物音と悲鳴が聞こえてきます。善悪の判断力は残っていても、しだいに銃の持つ力に侵食されてくるトオル。演じる村上虹郎くんの変化がみものです。
刑事役のフランキーさんは柔らかい笑顔で、腹の底を見せません。善人にも悪人にもふれる幅があって、圧倒的に多い良い人役より『凶悪』の先生が強烈な印象を残して忘れられません(ピエール瀧より怖かった)。本作でも刑事のくせにちっとも歯止めになっていません。
村上虹郎くんは『ハナレイ・ベイ』のサーファー青年も軽やかで良かったな。TIFFでジェムストーン賞を受賞。(白)


2018年/日本/白黒・カラー/DCP/97分
配給:KATSU-do、太秦
(C)吉本興業
http://thegunmovie.official-movie.com/
★2018年11月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:10| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月17日

青の帰り道

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出演:真野恵里菜、清水くるみ、横浜流星、森永悠希、戸塚純貴、秋月三佳、冨田佳輔、
   工藤夕貴、平田満 ほか
監督:藤井道人  原案:おかもとまり  脚本:藤井道人/アベラヒデノブ
制作プロダクション:and pictures  制作協力:BABEL LABEL/プラスディー  
(c)映画「青の帰り道」製作委員会

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2008年、東京近郊の町でまもなく高校卒業を迎える7人の若者たち。 歌手を夢見て地元を離れ、上京するカナ(真野恵里菜)。 家族と上手くいかず実家を出て東京で暮らすことを決めたキリ(清水くるみ)。 漠然とデカイことをやると粋がるリョウ(横浜流星)。カナとの音楽活動を夢見ながらも受験に失敗し地元で浪人暮らしのタツオ(森永悠希)。できちゃった婚で結婚を決めたコウタ(戸塚純貴)とマリコ(秋月三佳)。 現役で大学に進学し、意気揚々と上京するユウキ(冨田佳輔)。7人がそれぞれに大人への階段を上り始めて3年後、夢に挫折する者、 希望を見失う者、予期せぬことに苦しむ者― 7人7様の人生模様が繰り広げられる。そして、再び“あの場所”に戻った者たちの胸に宿る思いとは―

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映画は、主題歌、amazarashiの『たられば』がとても印象的な、心に染みる7人の若者の青春群像劇でした。青春時代の真ん中は、道に迷っているばかり〜♪って古い歌もありましたが、この時代の若者にも並々ならぬ「生きづらさ」が蔓延しているようです。過去には戻れない。未来にも行けない。現在にあるのは現在だけ。もっと言うと、過去も未来も現在にある。「考える映画を楽しんでください」という真野さんの言葉、良いかもしれない。みんな輝いていましたねー。おじさんも輝くどー!いや、頭頂の話ではなく。 (せ)
11月13日(火)@新宿バルト9 完成披露上映会&舞台挨拶へ行ってきました!! http://cineja-film-report.seesaa.net/article/462755235.html


IMG_0296.jpg撮影:山村千絵


【初日舞台挨拶が決定してます】
日程:12月7日(金) 
時間:18:30開演
場所:新宿バルト9
登壇者(予定): 真野恵里菜、藤井道人監督
※登壇者は予告なく変更になる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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2018年/日本/120min. 映倫区分PG12
配給:NexTone  配給協力:ティ・ジョイ
公式サイト https://aono-kaerimichi.com/
★2018年12月7日より新宿バルト9ほか全国順次公開



posted by chie at 00:00| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月11日

人魚の眠る家

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監督:堤幸彦
原作:東野圭吾
脚本:篠崎絵里子
撮影:相馬大輔
音楽:アレクシス・フレンチ
主題歌:絢香
出演:篠原涼子(播磨薫子)、西島秀俊(播磨和昌)、坂口健太郎(星野祐也)、川栄李奈(川嶋真緒)、山口紗弥加(美晴)、田中泯(播磨多津朗)、松坂慶子(千鶴子)、稲垣来泉(播磨瑞穂)、斎藤汰鷹(播磨生人)、荒川梨杏(若葉)

播磨家の夫婦、薫子と和昌は現在別居中で、一人娘の瑞穂の小学校受験が終わったら離婚の予定だった。ある日、娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明の状態に陥ってしまう。孫の瑞穂と若葉をプールに連れていった祖母の千鶴子は自分を責め、眠り続ける瑞穂を献身的に看病する。医師の見立ては脳死。今後回復の見込みがないことから、臓器提供の意志があるかと尋ねられる。以前と変わらない姿のまま、ただただ眠り続ける娘を前に、薫子と和昌は苦渋の決断をするが。

人気作家・東野圭吾氏。そのデビュー30周年記念の作品。原作を読んだときはその状態を絵として想像することもできませんでしたが、作品を見てみると親の気持ちがわかるような気がしてきます。どんな状態でも生きていてほしいと思うのは親心。この作品のようにとことん世話できるかは、条件が高すぎて無理なのは明白ですが。
ただ、これまで聞いたことのない展開なので、医療が進むとこういうことができるようになるのか?という驚きと、これは人間が立ち入っていい領域なのか?という疑問が湧いてきました。臓器移植を待つ子ども、とその親のエピソードもあり、今も全国で同じ思いの親子が何組いることだろうと想像すると、目の前が閉ざされた気分になります。
(美)さんは始まりのプールの場面を、就学前の子どもが監視の目もすぐに届かないあんなに深いプールに入れるのがおかしい、と突っ込み。プールに入ることもなく、カナヅチのまま大人になってしまった私は「あ、そうか」。深さと監視員にも注目してみます。(白)


2018年/日本/カラー/シネスコ/120分
配給:松竹
(C)2018「人魚の眠る家」 製作委員会
http://ningyo-movie.jp/
★2018年11月16日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 18:30| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする