2018年11月25日

ギャングース

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監督:入江悠
原作:肥谷圭介、鈴木大介「ギャングース」(講談社モーニング KC 所載)
脚本:入江悠、和田清人
撮影:大塚亮
音楽:海田庄吾
出演:高杉真宙、加藤諒、渡辺大知、林遣都、伊東蒼、山本舞香、芦那すみれ、勝矢、般若、菅原健志、斉藤祥太、斉藤慶太、金子ノブアキ、篠田麻里子、MIYAVIほか

親から虐待され、ろくに学校にも行けず、青春期を少年院で過ごしたサイケ(高杉真宙)・カズキ(加藤諒)・タケオ(渡辺大知)。社会に見放された3人が生き抜くためにつかんだ仕事は、犯罪者だけをターゲットにした“タタキ”(窃盗、強盗)稼業。そんなある日、タタキの最中に偶然にも振り込め詐欺のアガリ(収益金)の隠し場所を知ることとなった3人。それは“半グレ”系アウトローによる犯罪営利組織カンパニーとして台頭する「六龍天」のものだった。「六龍天」に身元がバレないよう、慎重にタタキを繰り返すも、あるきっかけから3人の身元が「六龍天」に知られ、絶体絶命の状況に追い込まれてしまうが・・・

【カンパニー】半グレ系アウトローの人間で構成された、犯罪営利集団。営利を目的としている組織体制の為、仁義や体裁を重んじるヤクザとはその根本が異なる。
【タタキ】窃盗、強盗の隠語。
【半グレ】暴力団に所属せずに犯罪を繰り返す集団のこと。「グレる」、白(堅気)でも黒(ヤクザ)でもない「グレー」などを語源とする。
(以上、公式サイトより)

講談社のコミック「ギャングース」の実写化であるが、その原案となっているのが、ストーリー共同制作者である鈴木大介のルポルタージュ「家のない少年たち」。少年院から出所しても社会で生きる術は犯罪しかないという少年たちの実情が綴られている。しかも、映画化にあたり、入江悠監督は紙ベースの情報だけでなく、本に書かれているような過酷な環境で育った人や児童養護施設をずっと取材してきた監督など10人以上の人に会って話を聞いた上で、脚本を書いた。社会の底辺に生きるしかない少年たちのリアルな姿が映し出されている。
作品が提示する問題は社会の闇を深く見つめたヘビーなものであるが、入江悠監督はエンタメ的要素も盛り込み、少年たちの青春グラフィティともいえる作品に仕上げた。主人公の1人、高杉真宙のパンチもライダーキックも決まらないヘタレぶりには驚愕!「仮面ライダー出身なのにぃ」と思わず叫んでしまった。しかしどんな時も助け合う3人を応援したくなる。仲間の心を癒す加藤諒の変顔は救いのない社会の一服の清涼剤のよう。
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ところで、高杉真宙のこの2年の映画での活躍は目覚ましいものがある。2017年には『PとJK』、『ReLIFE リライフ』、『想影』、『逆光の頃』、『トリガール!』、『散歩する侵略者』と6作品に出演して、『散歩する侵略者』で第9回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞、第72回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞受賞。そして、2018年にも『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』、『世界でいちばん長い写真』、『虹色デイズ』、『君が君で君だ』と4作品に主演、もしくは主要人物として出演し、劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」では主人公の「僕」役に声優として参加。東京国際映画祭で特別招待作品としても上映された本作で2018年を締めくくる。そして、来年度もすでに、『十二人の死にたい子どもたち』、『笑顔の向こうに』、『賭ケグルイ』の3作品が春までに公開される。今後も高杉真宙から目が離せない。(堀)


2018年/日本/カラー/シネスコ/120分
配給:キノフィルムズ
(C)2018「ギャングース」FILM PARTNERS (C)肥谷圭介・鈴木大介/講談社
http://gangoose-movie.jp/
★2018年11月23日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほかロードショー
posted by shiraishi at 11:24| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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