2018年11月04日

華氏119 (原題:Fahrenheit119)

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監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア

2016年11月9日にトランプが米国大統領選を勝利をしたことを受け、なぜヒラリー・クリントンが負けたのかを丁寧に解説する。さらに、マイケル・ムーア監督の故郷であるミシガン州で起こっている事実に目を向け、トランプ政権に導かれて、アメリカが向かおうとしている先を危惧し、警告を鳴らす。

多くのアメリカ人が確信していたアメリカ初の女性大統領の誕生。ところが蓋を開けてみれば、当選したのは、まさかのドナルド・トランプだった。ひとり1票ではない“選挙人制度”と無投票数が絡み合い、トランプを支持する少数派がアメリカ全土の意志へと変わってしまった恐ろしい“からくり”をマイケル・ムーア監督が明かしていく。その見せ方がうまい。ヒラリー支持者が開票前から当選を確信して祝杯を挙げるシーンを見せた後、お通夜かと思うような沈痛なトランプ陣営を映し出す。そして、トランプ当選直後の相反する反応も。エンタテインメントがよくわかっている。
ムーア監督はミシガン州フリントの水道問題にも切り込む。トランプの古くからの友人スナイダーがミシガン州知事になり、金儲けのために、黒人が多く住むフリントという街に民営の水道を開設したが、安い管を使用したことで水道水に鉛が溶け込んだのだ。知事の家にアポなし突撃をして見せたパフォーマンスはムーアならでは。
情報量が多く、一度で全てを理解するのは難しい。しかし、アメリカがナチス化する可能性を示唆するラストには不安が募る。(堀)


2018年/アメリカ/128分
配給:GAGA
(C)2018 Midwestern Films LLC 2018 cPaul Morigi / gettyimages
https://gaga.ne.jp/kashi119/
★2018年11月2日(金)より全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 11:32| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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