2018年10月14日

負け犬の美学(原題:SPARRING)

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監督・脚本:サミュエル・ジュイ
出演:マチュー・カソヴィッツ、オリヴィア・メリラティ、ソレイマヌ・ムバイエ、ビリー・ブレイン

40代半ばを迎えたスティーブは盛りをすぎた中年ボクサー。これまでの成績は49戦13勝3分33敗。最後に勝ったのは3年前になる。たまに声のかかる試合とバイトで家族をなんとか養っていたが、ピアノを習ってパリの学校に行きたいという娘の夢を叶えたい一心で、誰もが敬遠する欧州チャンピオンのスパーリング・パートナーになることを決意する。
ボロボロになりながらも何度でも立ち上がり、スティーブはスパーリング・パートナーをやり遂げた。そして、ボクサー人生の有終の美を飾るチャンスを得る。

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主人公のスティーブを演じるのは『アメリ』(2001年)でヒロインが恋する相手を演じたマチュー・カソヴィッツ。スティーブがスパーリング・パートナーをつとめるチャンピオン役を元WBA世界王者のソレイマヌ・ムバイエが演じた。通常のボクシングシーンでは、ボクサーがどう動くか、細かく決まっている。しかし、本作ではマチュー・カソヴィッツが本格的にボクシングに入れ込み、振り付けもリハーサルもなしでファイトシーンに臨んだという。
ボクシングに限らず、スポーツの世界でトップになれるのは、ほんの一握り。しかし愛する家族に支えられながらリングに上がり続けることができるのも幸せである。本作で描かれているのは試合の勝ち負けではなく、ボクサーを職業に選んだ男の生き様。特に娘との関係が見どころになっている。
子どもは親の背を見て育つもの。スティーブの娘は父の背中からどんなメッセージを受け取ったのか。最後の試合が終わってからのスティーブたちに余白を残しつつ、モヤモヤ感は残らない演出は後味最高!(堀)


2017年/フランス/カラー/シネマスコープ/95分/ DCP5.1ch
配給:クロックワークス
(C)2017 UNITÉ DE PRODUCTION - EUROPACORP
http://makeinu-bigaku.com/

★2018年10月12日(金)シネマカリテほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 12:52| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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