2018年10月13日
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!
監督・原作・脚本:三木聡
撮影:相馬大輔
音楽:上野耕路
主題歌:作曲/HYDE、作詞/いしわたり淳治
主題歌:作詞・作曲/あいみょん
出演:阿部サダヲ(シン)、吉岡里帆(明日葉ふうか)、千葉雄大(坂口)、麻生久美子(女医)、小峠英二(自滅)、片山友希(伊能聖子)、中村優子(木之本)、池津祥子(シンの母親)、森下能幸(よろこびソバのおじさん/ピザ配達員)、岩松了(無料レコード社長)、ふせえり(デビルおばさん)、田中哲司(社長)、松尾スズキ(ザッパおじさん)、PABLO、KenKen、SATOKO、富澤タク、KATARU、NABO、清水麻八子、マーガレット廣井、Katzuya Shimizu、Kenzoooooo
世界的ロックンローラーのシン、海をも越えるその声量、実はオキテ破りの声帯ドーピングによって支えられていた。カリスマスター「絶叫する堕天使」のそんな秘密は絶対に知られてはならない。シンは崩壊寸前の喉まま、姿を消してしまった。
一方歌うのは大好きだけれど自信がなく、路上ライブでだんだん声が小さくなっていく明日葉ふうか。いあわせたシンから「一つも心が燃えない不燃ゴミ」「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」と怒鳴られてしまう。バンドのリーダーの彼氏からも振られ、すっかり落ち込んで引き籠っているふうかの前にシンが押しかけてくる。むりやりオーディションに行かされ、シンに振り回されるうちふうかはシンの過去や秘密を知ってしまう。シンが出奔した後、レコード会社の社長や担当は、シンの最後の歌声を利用しようと画策していた。
三木聡監督オリジナル脚本・原作。せ、声帯のドーピング?!ほんとにあるんですか?ないですよね。どこからこんなアイディアがわいてくるのでしょう?そんなぶっとんでる映画です。みなさんついていってください。
ふうか役の吉岡里帆さんは歌とギターのレッスンを続け、作品内のふうかと共に腕が上がっていったようです。ミュージシャンに詳しい方には、出演しているのがすごいメンバーだとおわかりでしょうね(筆者わからず、すみません)。阿部サダヲさんは、実際「グループ魂」というバンドで活動中なのだそうで、作品中のパフォーマンスが堂にいってる!のも道理です。ふせえりさん、松尾スズキさんの不思議な夫婦と、千葉雄大さんには珍しい腹に一物ある人物が面白かったです。
街角で歌ってる人に目と耳がとまるようになりました。この人たちにはどんなドラマがあるのかなぁと帰り道に考えてしまいます。(白)
ストーリーはシンプルだが、展開に寄り道的遊びが多い。それを楽しめるかどうかが、評価の分かれ道になるだろう。吉岡里帆が演じるふうかが吉祥寺の駅前で路上ライブする。声は小さいものの、歌は聞かせる。本気で聞き入ってしまった。
愛する2人のラブシーン。観る者には切ないが、役者にとってはこれを超えるハードなラブシーンは今後、絶対にないだろうと気の毒になる。
ラストがハッピーエンドか否かは見る者次第だが、シンは幸せだったと私は思う。(堀)
タイトルだけ見たら、この映画パス!と思ったんだけど、阿部サダヲが歌を歌っているし吉祥寺が舞台と知り、これは観に行かなくてはと観に行ってみた。最初、悪魔みたいな化粧の人が歌っているのを見て、まさかこれが阿部サダヲとは思ってもみず、でも途中で納得。それにしても、この方うまい!! 歌も自身の声?だとしたら、ロッカーとして充分やっていける! そして吉岡里帆。彼女が歌うの?と思ったけど、これまたユニーク。シンと違って、極端に声が小さい。タイトルはこれに対して発した言葉だったんだろうけど、これをタイトルにするとは。それにしてもなぜこんなに小さい声が出るというくらい声が細い。
そして吉祥寺の街。祖母が住んでいたので幼い頃から通っていた街だけど、まるっきり変わってしまって、なんだか寂しい思いをしている今日この頃だけど、この映画の中には、70年代の匂いも残っている吉祥寺が感じられた。ふうかが住んでいるという設定のサイケデリックな家などはモロそんな感じ。吉祥寺にはいろいろ風変わりな人々が集っていた。それに吉祥寺のメインストリートではなく裏道がいっぱい出てきてなつかしかった(暁)。
2018年/日本/カラー/シネスコ/106分
配給:アスミック・エース
(C)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会
http://onryoagero-tako.com/
★2018年10月12日(土)ロードショー
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