2018年10月07日
ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ 原題:In Jackson Heights
監督・録音・編集・製作:フレデリック・ワイズマン
ニューヨーク市クイーンズ区の北西にジャクソンハイツと呼ばれる一画がある。
ここには、中南米各国をはじめ、パキスタン、バングラディシュ、インド、タイ、ネパール、チベットの人々のコミュニティがあり、初期の移民の子孫であるイタリア人、ユダヤ人、アイルランド人と一緒に住んでいる。ニューヨークの平均と比較すると、2015年の統計でヒスパニック系が57%と突出して多く、黒人は3.5%と少ない。
本作は、2014年5月から9週間、この地域の人々にカメラを向けたドキュメンタリー。
通りの出来事、商売(衣料品店、コインランドリー、ベーカリー、レストラン、スーパーマーケット)、宗教施設(モスク、寺院、教会)などで撮影した素材は合計120時間。
その後、10ヶ月かけて編集した本作から見えてくるものは・・・?
本作は、アメリカを代表するドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマンの40作目。コミュニティについて作った作品としては、『アスペン』『メイン州ベルファスト』に次ぐ3番目の作品。
ユダヤの教会であるシナゴーグの集会室が、ユダヤ人のコミュニティだけでなく、ムスリムやほかの様々な団体も利用するコミュニティセンターになっていて興味深い。
また、ジャクソンハイツは、ブロードウェイから7号線一本で行ける便利さから、俳優や芸人が多く移り住み、彼らの多くがゲイだったことからゲイコミュニティも古くから存在する。再開発で、集まる場所が交通の不便な所になることを心配する人たちも。
167の言語が話され、性的マイノリティの人たちも暮らす、まさに世界の縮図のような町。価値観も様々な人々が共存するミラクルな世界に、地球全体がこうであればと!(咲)
2015年9月ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映。
2015年/アメリカ・フランス/189分/カラー/ドルビーデジタル/ヴィスタサイズ
配給:チャイルド・フィルム/ムヴィオラ
(C) 2015 Moulins Films LLC All Rights Reserved
公式サイト:http://child-film.com/jackson/
★2018年10月20日(土)シアターイメージフォーラムほか全国順次ロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く