原作:デボラ・モガー「チューリップ熱」
脚本:デボラ・モガー、トム・ストッパード
出演:アリシア・ヴィカンダー(ソフィア・サンツフォールト)、デイン・デハーン(ヤン・ファン・ロース)、ジュディ・デンチ(修道院長)、クリストフ・ワルツ(コルネリス・サンツフォールト)、ジャック・オコンネル(ウィレム・ブロック)、ホリデイ・グレインジャー(マリア)、トム・ホランダー(ソルフ医師)
17世紀のオランダ。チューリップの栽培が盛んになり、人々が珍しい品種への投機に熱狂していた頃。
修道院で育ったソフィアは美しい娘に成長し、裕福な商人コルネリスに見初められて結婚した。親子ほど年は離れているが、夫は若いソフィアに優しく、跡継ぎが生まれることを期待していた。しかしなかなか子どもは授からずにいる。
コルネリスは、若く才能ある画家 ヤンに夫妻の肖像画を依頼する。貧しいヤンは喜んでコルネリスの邸宅に向かい、ソフィアに一目ぼれしてしまう。恋愛経験のないまま嫁いできたソフィアも、情熱的なヤンに次第に夢中になる。
召使のマリアはそんなソフィアに気づいていたが、自分の恋路で忙しい。マリアの恋人、魚屋のウィレムは、早く所帯を持ちたいと願っていた。ソフィアがヤンの元に行くときに召使のマントを使ったため、ウィレムはマリアが浮気をしていると誤解し姿を消してしまった。傷心のマリアはウィレムの子を妊娠しているのに気づく。
「フェルメールの世界を小説にしたい」と画家とモデルが禁断の恋におちる物語を書き上げたのがデボラ・モガー。他に『マリー・ゴールドホテルで会いましょう』の原作、『プライドと偏見』の脚本家でもあります。
スペインから独立した17世紀のオランダはバブルに湧き、中でも絵画とチューリップへの投資が人気。肖像画を描かせ、画家に投資、収集に励み、値段があっという間に上下するチューリップに群がったとか。貴重な品種の球根は家が買えるほどの値段になったそうです。
そんな世情を背景に、美貌の若妻と貧しい画家のロマンス。さらにミステリーの要素も入った原作は、世界中でベストセラーになりました。
映画は原作者がほれ込んだフェルメールの世界を形にして見せてくれます。美術とカメラマンさん素晴らしい!「真珠の耳飾りの少女」を思い出させる青いドレスのアリシア・ヴィカンダーが美しいです。デイン・デハーンも古い衣装がよく似合い、二人のベッドシーンも泰西名画のような色調です。『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』で共演したカーラ・デルヴィーニュもおや、という役で出演しています。(白)
2017年/アメリカ、イギリス/カラー/シネスコ/105分
配給:ファントム・フィルム
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http://tulip-movie.com/
★2018年10月6日(土)新宿バルト9他、全国ロードショー
日本美術展史上最大の「フェルメール展」開催
◆会期:10月5日(金)〜2019年2月3日(日) 日時指定入場制
◆会場:上野の森美術館
◆公式HP:https://www.vermeer.jp/