監督:上村泰
副監督:鈴木清崇
脚本:岩井秀人
声の出演:新谷真弓、美山加恋、吉田有里、飯田里穂、田村睦心、小西克幸、永塚拓馬、鈴木崚汰、伊藤美紀、真坂真帆、森功至、松谷彼哉、青山穣
モヤついている高校生・河本カナ。
嵐のごとく登場するハル子。その時カナの額にお花が生えた!
煙を吐きがら街をぶっ潰すアイロン。
毎日が、毎日毎日続いていくと思っていた・・・
力を手に入れたカナはアイロンをぶっ飛ばせるのか!?
(135分)
★2018年9月7日(金)より公開中
c︎ 2018 Production I.G / 東宝
劇場版「フリクリ プログレ」
監督:荒井和人、海谷敏久、小川優樹、井端義秀、末澤慧、博史池畠
脚本:岩井秀人
声の出演:林原めぐみ、沢城みゆき、水瀬いのり、福山潤、村中知、中澤まさとも、黒沢ともよ、井上喜久子、大倉孝二、菅生隆之、浦山迅、鈴木れい子
ありとあらゆる命題に明確な答えを用意せず、生理的欲動の充足のみをシコシコ満喫しその日暮らすような説得力ゼロ青少年たち。
その中でなんてことない日常を過ごすヘッドフォンの少女ヒドミ。
彼女が轢かれた夜、クラスメイトの少年・井出の額から巨大ロボットが出現した!
ハル子から分裂したラハルとジンユと出会い、特別なことなんてない日常≠ェ終わりを告げる―!!!!!
(136分)
★2018年9月28日(金)より公開
2000年に発表されたOVA「フリクリ」全6巻は世界中のアニメファンを熱狂させた名作と言われている。その「フリクリ」の続編として作られたのが、劇場版「フリクリ オルタナ」劇場版「フリクリ プログレ」である。アメリカではCARTOON NETWORK Adult Swim で、それぞれ全6話として放送されたが、国内では6話を1本に繋いで劇場で公開された。
今回公開された2作品、どちらもSF的世界観はOVA「フリクリ」と同じだが、舞台やメインの登場人物は異なっている。OVA「フリクリ」全6巻を未見だったが問題はなかった。アニメファンには賛否両論あるようだが、独立した作品と思ってみれば、見えてくるものがある。
(世界観といっていいのか、わからないが、宇宙の偏執的な平等化を目的とする組織メディカルメカニカによって、世界各地にビルのように巨大なアイロンが置かれ、その巨大なアイロンが起動すると惑星が平らにされる)
先行して公開された劇場版「フリクリ オルタナ」は高校2年生のカナ、ペッツ、ヒジリー、モッさんの女子高生4人が主人公。「フリクリ」に登場したハルハラ・ハル子がこの作品にも顔を出し、カナたちを振り回す。しかし、ベースになっているのは彼女たちの青春群像劇。年上の男性との恋、恋なのか友情なのかわからない想い、将来に向けての夢など、思春期ならではの悩みを通じて、仲良しといいつつ、お互いが感じている距離感の違いを炙り出した。思っていることははっきり言わなきゃダメというメッセージを感じる。
続いて公開された劇場版「フリクリ プログレ」は6人の監督が1話ずつ担当するが、その話も中学2年生のヒドミ、井出、マルコ、吾郎を中心に話は展開。本作ではハルハラ・ハル子がラハルとジンユという2人に分裂し、それぞれの立場で関わってくる。「フリクリ オルタナ」よりもアクションシーンが多く、スピード感のある印象を受けた。
その一方で、ぐだぐだな日常を過ごす井出、マルコ、吾郎の3人の見ていると、『男子高校生の日常』(2013年)を思い出す。こちらは高校生だが、彼らの頭の中は根本的に変わらない。大人の女性にはいちばん遠い存在だが、考えていることは意外に単純なのかもしれないと思えてくる。(堀)
公式サイト:http://flcl-anime.com/progre/