2018年09月23日

散り椿

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監督・撮影:木村大作
脚本:小泉堯史
出演:岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、緒形直人、新井浩文、柳楽優弥、芳根京子、駿河太郎、渡辺大、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二

享保15年。かつて藩の不正を訴え出たが認められず、故郷・扇野藩を出た瓜生新兵衛(岡田准一)は、連れ添い続けた妻・篠(麻生久美子)が病に倒れた折、彼女から最期の願いを託される。「采女様を助けていただきたいのです……」と。采女(西島秀俊)とは、平山道場・四天王の一人で新兵衛にとって良き友であったが、二人には新兵衛の離郷に関わる大きな因縁があったのだ。篠の願いと藩の不正事件の真相を突き止めようと、故郷・扇野藩に戻った新兵衛。篠の妹・坂下里美(黒木華)と弟・藤吾(池松壮亮)は、戻ってきた新兵衛の真意に戸惑いながらも、凛とした彼の生き様にいつしか惹かれていくのだった。
散り椿が咲き誇る春――
ある確証を得た新兵衛は、采女と対峙することになる。そこで過去の不正事件の真相と、切なくも愛に溢れた妻の本当の想いを知ることになるのだった……。しかし、その裏では大きな力が新兵衛に迫っていた――。

岡田准一主演の時代劇。亡き妻の最後の願いで、追放された藩に戻り、親友を助けて不正を暴く。原作は葉室麟の同名小説で、カメラマンの巨匠、木村大作がメガホンを取った。
藩が差し向けた刺客をあっさりと返り討ちにし、家で夫の帰りを待っていた妻と慈しみあうように語らい合う。冒頭の数分で、主人公の剣豪ぶりと崇高な夫婦愛が伝わってきた。
しかし、ここからが本編。亡き妻は親友と破談になってから主人公に嫁いだが、心は親友にあったのかもしれないと残した手紙が思わせる。妻の気持ちはどこにあったのか。不安な気持ちを封じ込め、妻の「親友を助けてほしい」という願いを叶えようとする。そんな主人公の心の支えは妻との思い出。庭先で寄り添うように妻の洗髪を手伝うさまは清らかなラブシーン。必見である。
最後に明らかになる妻の本当の思い。それに応えようと、命を懸けて闘う武士としての生き様。ラブストーリーと時代劇が見事に融合し、夫婦の愛を高らかに奏で上げる。岡田准一の代表作となるに違いない。(堀)


2018年/日本/カラー/シネスコ/112分
配給:東宝
(C) 2018「散り椿」製作委員会
http://chiritsubaki.jp

★2018年9月28日(土)全国東宝系にてロードショー
posted by shiraishi at 17:36| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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