2018年09月23日
バッド・ジーニアス 危険な天才たち(原題:Bad Genius)
監督・脚本:ナタウット・プーンピリヤ
プロデューサー:ジラ・マリクン、ワンリディー・ポンシティサック
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン(リン)
チャーノン・サンティナトーンクン(バンク)
イッサヤー・ホースワン(グレース)
ティーラドン・スパパンピンヨー(パット)
女子高生のリンは、皆がうらやむ進学校に特待生として転入してきた。父子家庭でつましく暮らしているリンには高嶺の花の学校だったが、成績優秀のため授業料は免除になった。
最初に友だちになったグレースは将来女優になるのが夢、勉強はあまり得意ではない気のよい子だった。赤点になりそうなテストをリンのおかげで乗り切って、ますます仲良くなる。グレースの彼氏のパットが自分も助けてほしい、ついては「ビジネス」をしようともちかけてくる。裕福な家の生徒たちは親が手を回して裏口入学していた。おかげで毎回テストで四苦八苦しているのだという。正解をカンニングさせてくれたら、対価を払うというものだ。絶対に見破られない方法をリンは考え付く。希望者が殺到するのを苦々しく眺めていたのは、リンと同じ特待生で母子家庭で苦学しているバンクだった。
タイの名前は長いわ、難しいわでいまだに覚えられませんが、今回は初めて聞くお名前ばかり。脚本も手がけたナタウット・プーンピリヤ監督はまだ30代です。アメリカの青春映画のように明るくて、スピード感たっぷりで、いけないことだというのに、その展開をハラハラ、あれあれと思いながら観続けました。
天才も秀才も生まれた家庭によっては、才能を伸ばすことも発揮することも難しい。そんな苛立ちを抱え、自分の頭脳を頼りに疾走するリン。これがはじめての演技体験というチュティモン・ジョンジャルーンスックジンのクールさは、緊張によるものなのか、監督の演出通りなのか、良いほうに働いています。格差社会で生きる若者たち、理不尽なあれこれも何気なく見せながらエンターテイメントに昇華させる若い監督の手腕、これからがとても楽しみです。長編3,4作目?未公開作品も観たいです。映画祭などで公開されないでしょうか?(白)
2017年/タイ/カラー/シネスコ/130分
配給:ザジフィルムズ、マグザム
(c)GDH 559 CO., LTD. All rights reserved.
https://maxam.jp/badgenius/
★2018年9月日22日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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