2018年09月09日

500ページの夢の束(原題:Please Stand By)

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監督:ベン・リューイン
原作・脚本:マイケル・ゴラムコ
撮影:ジェフリー・シンプソン
音楽:ヘイター・ペレイラ
出演:ダコタ・ファニング(ウェンディ)、トニ・コレット(スコッティ)、アリス・イブ(オードリー)

自閉症のため施設で暮らすウェンディにはすでに両親はなく、肉親は姉のオードリーだけ。わけあって一緒には暮らせずにいる。ウェンディは大のトレッキアン(スタートレックマニア)で、その知識は膨大だ。「スター・トレック」の脚本コンテストに応募するのにオリジナルストーリーを500ページ書き上げた。すぐに郵送したかったが、休日で郵便局は開いていない。締め切りにまにあうには自分でハリウッドのスタジオまで届けるしかない、と初めて一人で遠出することにした。
ケースワーカーのスコッティに見つからないよう、こっそりと施設を抜け出すウェンディ。うまくいったはずが、愛犬のピートが後を追いかけてくる。しかたがないので、バッグに入れて連れていく。他人とコミュニケーションをとるのが苦手なウェンディには、チケット1枚買うのもおおごと。果たして映画会社にたどり着けるのか?原稿は間に合うのか?

『セッションズ』(2013年)のベン・リューイン監督作。このごろは妹のエル・ファニングをよく観ますが、天才子役と言われたダコタ・ファニングが自閉症のウェンディ役。細かくこだわるところ、いつも不安なでたまらないところを演じて上手いです。この世界での生き辛さを感じている人には、ウェンディの気持ちが、家族なら姉の気持ちがしみてくるでしょう。そして「スター・トレック」のファンならば、たくさん仕込まれたネタに気づけて、何倍も面白く観られるはず。トレッキアンのお巡りさんすてき!
しかし、一人出かけてしまったウェンディを探す人たちはどんなにか心配だったことか。可愛い子には旅させよ、というけれど、ウェンディには過酷な旅。無事に見つかるまで胸のつぶれる思いだったに違いない。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/93分
配給:キノフィルムズ
(C)2016 PSB Film LLC
http://500page-yume.com/
★2018年9月7日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:24| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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