監督・脚本:豊田利晃
原作:瀬川晶司
撮影:笠松則通
音楽:照井利幸
出演:松田龍平(瀬川晶司)、野田洋次郎(鈴木悠野)、窪塚愛流(中学時代の晶司)、後藤奏祐人(中学時代の悠野)、永山絢斗(新藤和)、駒木根隆介(畑中良一)、染谷将太(村田康平)、新井浩文(清又)、渋川清彦(山川孝)、妻夫木聡(冬野渡)、早乙女太一(加東大介)、小林薫(藤田守)、松たか子(鹿島澤佳子)、イッセー尾形(工藤一男)、美保純(瀬川千香子)、國村隼(瀬川敏雄)、上白石萌音(真理子)、石橋静河(南咲子)、板尾創路(山口)、藤原竜也
小学5年生のしょったんこと瀬川晶司は、父に将棋を手ほどきされ、このごろは兄にも負けない。新しく担任になった鹿島澤先生に励まされてますますやる気が増す。同い年で隣家に住む鈴木悠野とは、毎日将棋をさすライバル。2人は谷川浩司棋士が中学生でプロになったことを知り、将来の目標ができる。多くの対局相手に出会って力をつけていき、中学3年で念願の奨励会に入会した。奨励会には、21歳までに初段、26歳までに四段になるという鉄則があった。しょったんは22歳で三段に昇段した後、伸び悩む。「三段リーグ」戦は年2回、上位二名に入ると四段に昇段してプロ棋士となれるが、チャンスは徐々に減っていく。悠野はプロ棋士を断念して進学、社会人となってアマチュア界で頭角を現していた。
これまでにも将棋の世界を描いた映画がありましたが、どれもが外から見たものでした。本作は瀬川晶司五段が自らの体験を書いた原作をもとにしたもの。対局した多くの棋士とのエピソードや、胸のうちが詳しく語られています。ご覧の通りの豪華スター共演に加え、実際にプロ編入試験で対局したプロ棋士たちも多数出演しています。ことに、9〜17歳まで奨励会に所属していた豊田利晃監督のこだわりが随所に見られ、動きの少ない画面が続くにも関わらず、将棋に詳しくない方でもハラハラしながら見守ることができます。エンドロール後に玉将をピシリと盤上にさすシーンは、豊田監督自身が出演しているもので「用意、スタート」と声をかけたのは、それまでしょったん役をつとめた松田龍平さんだそうです。どうぞ席を立たずに最後までご覧下さい。(白)
2018年/日本/カラー/シネスコ/127分
配給:東京テアトル
(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会
(C)瀬川晶司/講談社
http://shottan-movie.jp/
★2018年9月7日(金)ロードショー
2018年09月07日
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