2018年07月29日
ラ・チャナ(原題:La Chana)
監督・制作:ルツィヤ・ストイェビッチ
撮影:サミュエル・ナバレテ
出演:ラ・チャナ、アントニオ・カナーレス、カリメ・アマヤ
ラ・チャナ(本名アントニア・サンティアゴ・アマドール)は1946年スペインのバルセロナで生まれた。早くからフラメンコダンサーとして才能を現し、父親に反対されるながらも14歳から店で踊り始める。フラメンコ・ギタリストに求愛され、18歳で結婚。19歳で一人娘を授かる。独特のリズムと気迫みなぎるダンスは世界中を魅了し日本でも公演している。ピーター・セラーズ主演映画『無責任恋愛作戦』にも出演。ハリウッドに招かれるが夫に許されず、表舞台から姿を消してしまう。
もう一度彼女が舞台に復帰したのは、夫が借金だけを残して家を出てからだった。
試写を見逃してしまい、劇場に行ってきました。撮影当時71歳のラ・チャナは、とてもチャーミングなおばあちゃんです。一回り太って糖尿病と膝に故障をかかえているので、支えられてゆっくりと歩きます。2番目の夫は優しく気のいい男性で、嫉妬にかられて暴力まで振るった最初の夫とはまるで違いました。夫婦仲睦まじく、愛犬とのんびり暮らしているようすによかったね、と思います。合間に古い映像で、若いときに出演したテレビ番組での彼女の踊りが挿入されます。倍賞美津子さんにちょっと似たラ・チャナは、考えられないようなスピードでステップ(彼女はコンパスと呼ぶ)を踏みます。その力強い踊りに見とれました。後ろでギターを弾いている眉毛の濃い男性が最初のDV夫です。男性優位のヒターノ(ジプシー)社会で、女性は黙って従うしかなかったというラ・チャナは、踊っているときだけは自由で、自分自身に戻れたと言います。つくづくそのころの舞台を生で見たかったと思います。
今は膝に負担がないように、椅子に座りドレスを短くしてステップを見せ、上半身で踊ります。え?と思うでしょうが、それでもすごい迫力で胸が熱くなりました。フラメンコ教室が人気のようですが、習っている方は必見!そうでない方もぜひどうぞ!その生き方と彼女自身に魅了されます。(白)
2016年/スペイン、アイスランド、アメリカ合作/カラー/86分
配給:アップリンク
(C)2016 Noon Films S.L. Radiotelevisión Española Bless Bless Productions
http://www.uplink.co.jp/lachana/
★2018年7月21日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほかにて公開中
予告編はこちら
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