2018年06月03日

ラヤルの三千夜  原題:3000 Nights

rayaru 3000ya.jpg

監督:メイ・マスリ
出演:マイサ・アブドゥ・エルハディ、ナディーラ・オムラン、ラキーン・サード

ヨルダン川西岸の町ナーブルスに住むパレスチナ女性の教師ラヤル。たまたま車に乗せた青年がテロの容疑者だったことから逮捕され、懲役8年(3000日)を言い渡される。刑務所ではパレスチナ人の政治犯とイスラエル人の犯罪者たちが混在し、いがみ合っていた。
妊娠していたラヤルは、刑務所内で出産。ヌール(光)と名付けられた男の子は、閉塞感漂う刑務所の中で、皆の希望となった。しかし、2歳になると母親から引き離す規定があり、ヌールは父親のもとに送られる・・・

今年3月に開催された「イスラーム映画祭3」で、オープニング上映されたパレスチナ女性メイ・マスリ監督の作品。
米大使館のエルサレム移転に対するガザでのデモにイスラエル軍が発砲した件に抗議の意を示すとともに、パレスチナに連帯を示すべく、イスラーム映画祭主宰の藤本高之さんがユーロスペースと相談し、1週間限定で緊急公開することになったもの。連日19時から1回のみの上映。

ラヤルは、裁判で、「青年に脅されたから乗せたのか?」と問われます。ラヤルはただただ好意で青年を乗せただけで、彼がテロ容疑者なのかどうかも知らなかったのに、「脅されてない」と答えた為、8年もの懲役刑! このような理不尽な例が数多くあることが伺えます。
そして、やっと刑務所から解放されて家族と一緒に暮らせることになっても、その場所自体がイスラエルに監視された大きな監獄。ユダヤ人の神様が約束した地を取り戻したいという欲望は、いつまで続くのでしょう。ナチスから理不尽な目にあわされたからといって、復讐の矛先をパレスチナに向けていいはずがありません。平和共存の実現する日がますます遠のくのを感じる情勢を憂います。(咲)


◆朝日新聞グローブ 「日本初公開『ラヤルの三千夜』、メイ・マスリ監督に聞く」
http://globe.asahi.com/worldoutlook/2018031200004.html

◆イスラーム映画祭3 3月17日(土)11時からの上映後トーク
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/459740074.html

2015年/パレスチナ=フランス=ヨルダン=レバノン=カタール=UAE/103分/アラビア語、ヘブライ語/DCP
主催:イスラーム映画祭
ユーロスペース公式サイト:http://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000274
★2018年6月16日(土)から1週間、 渋谷ユーロスペースにて緊急公開





posted by sakiko at 20:37| Comment(0) | パレスチナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: