2018年06月03日

馬の骨

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監督:桐生コウジ
脚本:桐生コウジ、坂ノ下博樹、杉原憲明
撮影:佐々木靖之
音楽:岡田拓郎
出演:小島藤子(桜本町ユカ)、深澤大河(垣内竜二)、しのへけい子(木田百合子)、信太昌之(室田)、黒田大輔(荻野)、大浦龍宇一(伊賀)、萩原健太(本人役)、石川浩司(本人役)、ベンガル(宮部郁雄)、桐生コウジ(熊田美津夫)

熊田美津夫は若いころイカ天に出場したことがある。バンドメンバーとプロを夢見た時期もあったが、今は土木作業員としてほそぼそと暮らしている。職場を首になり、所持金が残り少なくなったとき格安のシェアハウスを見つけた。
鷹揚な大家が案内した古い家にはキノコ狩りが趣味の宝部、アイドルのユカ、ヲタクな大学生の垣内がいた。職業を尋ねられて、つい見栄を張って「音楽関係」と答えてしまい、翌日から背広姿で現場に向かう羽目になってしまった。アイドルから脱皮したいユカは、音楽関係だという嘘を信じて、熊田に接近してくる。

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細身の桐生コウジ監督 試写会にて

「イカ天」は「三宅裕司のいかすバンド天国」の略。1989年2月から、1990年12月までTBSの深夜番組「平成名物TV」のコーナーの一つでした。ちょうど息子がギターを始めたり、友人の息子が出場したりして、私も何度か見た覚えがあります。BEGIN、たまを輩出した番組です。
桐生コウジ監督は自分の体験をもとに虚実ないまぜの本作を作り上げました。白装束に忌野清志郎風メイクで「六根清浄」を歌い上げています(動画サイトにも当時の動画ひとつ発見!)。アイドル歌手からシンガーソングライターを目指す、ユカ役の小島藤子さんは、役のためにギターを猛特訓。作品中、ライブほんとにやるの?大丈夫かな?と心配になりましたが、撮影と一緒に進歩したようです。過去から抜け切れない中年男子と、将来に夢を抱く女子の世代間のギャップが描かれますが、どこかほっこりするコメディです。
試写で監督にお目にかかったので、虚実の割合を伺ったら半々くらいだそうです。ご自身実際は「馬の骨」の解散後は俳優になり、北野映画などに出演。プロデュースも手がけ、この作品では主演・脚本・監督をこなしています。ライブシーンは老舗ライブハウス「新宿JAM」で行われましたが、2017年に閉館し取り壊されたので、ぎりぎり間に合ったのだそうです。「イカ天」審査員だった萩原健太さん、元たまメンバーだった石川浩司さんもライブシーンに本人役で登場しています。(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/91分
配給:オフィス桐生
(C)2018 オフィス桐生
http://umanohone-movie.com/
★2018年6月2日(土)テアトル新宿にてレイトショー
posted by shiraishi at 16:10| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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