2018年06月03日

ビューティフル・デイ(原題:You Were Never Really Here) 

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監督・脚本:リン・ラムジー
原作:ジョナサン・エイムズ「ビューティフル・デイ」(早川書房)
撮影:トム・タウネンド
音楽:ジョニー・グリーンウッド
出演:ホアキン・フェニックス(ジョー)、ジュディス・ロバーツ(ジョーの母)、エカテリーナ・サムソノフ(ニーナ)、ジョン・ドーマン(ジョン・マクリアリー)、アレックス・マネット(ヴォット議員)

元兵士のジョーは、行方不明者を捜索するスペシャリストとして、手段を選ばずに解決していく。子どものころ父に虐待され、一緒に耐え忍んだ母と暮らしている。頭の中ではいつも爆音とあらゆる苦痛が渦巻き、それから逃れられる死を渇望していた。ある日の依頼は州上院議員からだった。彼の10代の娘ニーナが売春組織に囚われているので、取り戻してほしいという。奪還を約束し、ハンマーを片手に娼館に向かい、感情が欠落し無表情で横たわっていたニーナを救い出す。しかし、まもなくニーナはまた何者かに拉致されてしまった。

リン・ラムジー監督の前作は『少年は残酷な弓を射る』(2012)。母親と望まぬ妊娠で生まれた長男との愛憎を描いて、エズラ・ミラーの美しさと共に忘れられない作品です。6年ぶりの新作は、トラウマを抱えた中年男が美しい少女を娼館から救い出す話。せっかくのハンサムな顔の半分がヒゲに覆われて、むさ苦しいことこの上ないホアキン・フェニックス、おまけにおなかも出ているし、と『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(2008)のスマートなホアキンが好きなので、最初ちょっと残念でしたが、これは全く爽快さとは無縁なストーリー。思い切り暗くて不穏な、しかしスタイリッシュな画面にジョニー・グリーンウッド(レディオ・ヘッド)の音楽がガンガン被さって、ひきずりまわされた感覚でした。残酷な場面は始まりと結果だけ、アクションもセリフもできるだけ省いています。ヒゲも体型も全て役のため。寡黙なジョーはその肉体に語らせているということ。ホアキンはラムジー監督に会う前に出演を決め、早くから役作りのために監督と話し合ったとか。宣伝のためにこんなに露出することも珍しいそうで、お気に入り作品なのですね。ホアキンファンは必見。カンヌ国際映画祭で脚本賞と男優賞の2冠を獲得しました。(白)

2017年/イギリス/カラー/シネスコ/90分
配給:クロックワークス
Copyright (C) Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. (C) Alison Cohen Rosa / Why Not Productions
http://beautifulday-movie.com/
★2018年6月1日(金)新宿バルト9 ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 14:01| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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