2018年06月03日

father カンボジアへ幸せを届けた ゴッちゃん神父の物語

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監督:渡辺考
出演:後藤文雄、メアス・ブン・ラー、チア・ノル、チア・サンピアラ、ソムナム・ダッチ

2015年、8月。吉祥寺カトリック教会の神父・後藤文雄、愛称・ゴッちゃん(撮影当時86歳)は、「これが最後の旅になるかもしれない」と、カンボジアへ旅立つ。現地で迎えるのは、彼が育てた子どもたち。1981年、ポル・ポト政権下での内乱や殺戮から逃れて日本にやってきたカンボジア難民の子どもたちを、独身の後藤神父が養子として受け入れ、育てあげたのだ。総勢14人。故国に帰った子どもからの要望を受け、後藤神父はカンボジアで学校作りをしてきた。その数、19校にのぼる。
本作は、1929年に新潟県長岡市で浄土真宗の寺の次男として生まれた後藤文雄の人生を追ったドキュメンタリー。

後藤さんの人生を大きく変えたのが、1945年8月1日の長岡空襲。最愛のお母様と、妹と弟二人を失います。1年半後に再婚した父への反発。そして、初恋。彼女に連れていかれた教会・・・ まさに、運命。妻帯できない神父となったゴッちゃんが、その後、カンボジア難民の子どもたちを受け入れたのも、空襲で身内を亡くした思いが大きく影響しているのでしょう。

実は私の叔母がカトリック信者で、上京の折にお世話になっていたのが、吉祥寺カトリック教会でした。滋賀県のカトリック系幼稚園を定年退職したあとは、信者仲間がいるからと、長岡の老人施設に入りました。後藤神父の故郷です。何かのご縁があるに違いないと思いながら、叔母はもうこの世になく、想像するだけでした。
先日、吉祥寺に住む従姉に会った折に聞いてみたところ、叔母はもちろん後藤神父と親交があったのですが、なんと、祖父の納骨の時に、多摩墓地にいらしてくださったのが、後藤神父だったと判明。昭和38年(1963年)11月10日のことです。まだ若かった後藤神父にお会いしていたという次第でした。
祖父は島根県の神社の長男として生まれましたが、神職を継がず上京。その後、カトリックに入信。お寺に生まれた後藤神父に見送っていただいたことに、人の縁の不思議を噛みしめています。

公開前に紹介しそこねて、東京での新宿武蔵野館に続く、吉祥寺・COCOMARU THEATERでのロングラン上映も終わってしまったのですが、今後、横浜シネマ・ジャック&ベティはじめ、まだまだ各地での上映が続きます。ゴッちゃん神父の人間味溢れる素敵な人生を是非ご覧ください。(咲)


2018年/日本/カラー/ドキュメンタリー/16:9/HD/95分
配給:新日本映画社
公式サイト:http://father.espace-sarou.com/
★2018年4月7日(土) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開





posted by sakiko at 08:32| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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