監督・脚本・原案:チョン・ジェウン(『子猫をお願い』)
音楽監督:新垣隆
ストーリー・劇中小説:藤井清美
エンディングテーマ曲:根津まなみ
出演:中山美穂、キム・ジェウク(「コーヒープリンス1号店」『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』)、石橋杏奈、勝村政信、菅田俊、眞島秀和、澁谷麻美、永瀬正敏
小説家の涼子(中山美穂)は、同業の作家の夫との愛と別れをもとに描いた小説で若い読者に根強い人気を得て、満ち足りた日々を送っていた。まだ50代の涼子だが、ある日、母と同じ遺伝性アルツハイマーに侵されていることを知る。人生の最期に、小説以外に何かやり遂げたいと、大学で文学の講師を務めることにする。講義の初日、学生たちと訪れた居酒屋に愛用の万年筆を忘れたことから、その店でアルバイトをする韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)と知り合う。休学中で学費を稼ぎたいチャネに、涼子は愛犬トンボの散歩を依頼する。さらに、手首を痛めた涼子は、チャネに小説を口述してパソコンに打ち込んでもらう。ある日、トンボが突然いなくなったことから、涼子とチャネは急速に距離を縮める。年の差を越えて惹かれあうが、病が進行するにつれ、涼子は不安にかられチャネとの関係を絶つ決意をする。気持ちがすれ違ったまま、チャネは韓国に帰る。
2年後、韓国で作家として歩みだしたチャネの本が、留学生時代の同級生の尽力で日本で出版されることになり、チャネは久しぶりに来日する。涼子の最後の小説を読み、チャネは二人しか知らない記憶が甦る。涼子の家を訪ねると、そこは街の図書館になっていた。チャネは涼子の過ごす療養所に向かう・・・
韓国の女性監督チョン・ジェウンが、日本を舞台にして、韓国で人気の中山美穂を主役に迎え、若い韓国人男性との純愛を描いた物語。
撮影に使った涼子の住む家は建築家・阿部勤氏の邸宅。涼子が蔵書をチャネに自由な発想で整理させた本棚は、色別に並んでいて、グラデーションが素敵。涼子が療養所へ移り住んだ後、街の人たちに図書館として開放されています。50音順とか、分野別とかでなく、色別。偶然手にした本を読んでみるというコンセプト。こんな空間なら、どんな本も楽しめそうです。
私もいつどうなってもいいように、整理しなくては!(咲)
チョン・ジェウン
1969年、韓国ソウル生まれ。韓国芸術総合学校映像院映画科・マルチメディア映像科を同学の第1期生。2001年、長篇劇映画『子猫をお願い』で映画監督としてデビュー。
2017年/日韓合作映画/日本語/112分/5.1ch/DCP
配給:KADOKAWA
公式サイト:http://chono-nemuri.com/
★2018年5月12日(土)、角川シネマ新宿他 全国ロードショー .
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