2018年04月07日
ミスミソウ
監督:内藤瑛亮
原作:押切蓮介 「ミスミソウ 完全版」(双葉社刊)
脚本:唯野未歩子
撮影:四宮秀俊
音楽:有田尚史
主題歌:タテタカコ
出演:山田杏奈(野咲春花)、清水尋也(相場晄)、大谷凜香(小黒妙子)、大塚れな(佐山流美)、中田青渚(橘吉絵)、紺野彩夏(加藤理佐子)、櫻愛里紗(三島ゆり)、遠藤健慎(久賀秀利)、大友一生(真宮裕明)、遠藤真人(池川努)、玉寄世奈(野咲祥子)、森田亜紀(南京子)、寺田農(野咲満雄)
東京から地方の中学に転校してきた野咲春花は、妙子を中心としたグループにいじめにあっていた。女性の担任は知っていながら、無気力でなんの対処もしない。先に転校してきた相場晄(あいばみつる)だけが春花の味方だった。男子グループも加わっていじめはエスカレートしていく。晄を支えに耐えてきた春花だったが、家族が放火により焼死したことで、限界を越える。
試写が終わってため息をつく人、出たところで「いや〜すごかったね」と言い合う人が何人も。内藤瑛亮監督は映画美学校初等科の卒業制作『牛乳王子』が、2009年の学生残酷映画祭でグランプリを受賞。その後発表した『先生を流産させる会』(2012)『ライチ☆光クラブ』(2015)など注目されてきました。そんな監督が“トラウマ漫画”と称された原作の実写版のメガホンをとりました。ありえない方向にエスカレートしていくいじめ描写に半分眼をつぶりたくなりますが、そこに至るまでの中学生達の心理もそれぞれに丁寧に描いています。初め高校生の話かと思っていましたが、一番心と身体のバランスのとれない危うい時期は中学生なんですね。
春花が来る前に標的にされていた流美(るみ)が流れを変えて、壊れていく春花とともに眼を奪います。雪景色の白と流れる血の赤が強烈。キャストが無表情に暴力を振るう場面は、血糊が凍るほどだったという過酷な現場が、凄絶さを倍化させたに違いありません。監督の演出と若い俳優さんの頑張りに拍手。原作キャラの絵が公式HPに出ていますが、丸顔で可愛らしいのに眼が怖い。映画はR15+です。トラウマになりそうな方はまず予告編をご覧下さい。(白)
2017年/日本/カラー/シネスコ/114分
配給:ティ・ジョイ
(C)押切蓮介/双葉社 (C)2017「ミスミソウ」製作委員会
http://misumisou-movie.com/
★2018年4月7日(土)新宿バルト9ほか全国公開
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