2018年03月24日
BPM ビート・パー・ミニット 原題:120 Battements Par Minute
監督・脚本:ロバン・カンピヨ
共同脚本:フィリップ•マンジョ
出演:ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート、アルノー・ヴァロワ、アデル・エネル
1990年代初頭のパリ。“HIV/エイズ”が目に見えない形で広がり、政府も製薬業界も対策を講じない中、HIV感染者への偏見や差別が横行していた。そんな中、「ACT UP Paris」のメンバーたちはエイズ患者やHIV感染者への差別に対して、正しい知識を啓蒙するデモ行進、政府や製薬会社への抗議、高校での性教育など、さまざまな活動を行っていた。
新たなメンバーとして参加したナタンは、グループのカリスマ的存在で、積極的に行動するショーンに惹かれていく。ある日、女性学生にコンドームを渡そうとして「ゲイじゃないから」と差別的な言葉を浴びせられ、とっさにショーンはナタンにキスをする。それをきっかけに二人の距離は縮まるが、ショーンはHIV陽性で、やがて病魔が彼を襲う・・・
エイズへの偏見がはびこる中、社会や政府に向けて、啓蒙・抗議活動を精力的に繰り広げる若者たちの姿が眩しい。自身も感染している者にとっては、まさに命をかけての闘い。
『パリ20区、僕たちのクラス』などの脚本家ロバン・カンピヨが監督・脚本を手がけ、エイズ活動家団体ACT UPのメンバーだった自身の経験をもとに描いた若者たちのピュアな姿。
エイズの恐怖が世界を駆け抜けたのは、もう30年程前。当時の差別的雰囲気もよく覚えている。今や、あまり話題にならなくなったけど、決してエイズ対策が完璧になされているわけではないだろう。エイズだけでなく、様々なことに疑問や不安があっても、今、声高に抗議の声をあげる者も少なくなったように思う。この映画は、「立ち上がる勇気」を教えてくれる。 最後の強烈な抗議行動は、ちょっと真似してほしくないけれど、痛快!(咲)
2017年・第70回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
2017年/フランス/フランス語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/143分
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:http://bpm-movie.jp/
★2018年3月24日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロ スペースほかにて全国ロードショー
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