原題 香港製造 Made in Hong Kong
3月10日よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか順次公開!!
監督・脚本:陳果(フルーツ・チャン)
製作:楊紫明(ドリス・ヤン)
製作総指揮:劉徳華(アンディ・ラウ)
撮影:柯星沛(オー・シンプイ)
出 演
李璨琛(サム・リー):チャウ
嚴栩慈(ネイキー・イム):ペン
李棟全(ウェンダース・リー):ロン
譚嘉荃(エイミー・タム):サン
1997年|香港|108分 日本初公開 1999年6月12日
配給:ユナイテッドエンタテインメント
公式HP
20年の時を経て、4Kレストア・デジタルリマスター版で甦る!
中国返還に揺れる香港を舞台に、行き場を失った若者たちの激しくも眩しい青春を描いた、低予算&ノースター映画が新人監督フルーツ・チャンにより作られた。街角でスケボーをしていてスカウトされ、まったく演技経験のないサム・リーを主演に起用し、たった5人のスタッフ、知人から借りた8万ドルの製作費と、アンディ・ラウから譲り受けた4万フィートの期限切れのフィルムで製作された1997年製作の青春映画の名作が、4Kレストア・デジタルリマスター版で甦った!
その35mmフィルムに焼き付けられたのは、中国返還が間近になり、香港人が抱える不安や、社会の閉塞感。複雑な家庭環境で生まれ育った主人公や登場人物たちの感情が爆発する。
借金の取り立てをして日々の生活費を稼ぐ青年チャウと弟分のロンは取り立てにいった家庭で、少女ペンと出会う。ロンが飛び降り自殺した女子学生の遺書を偶然拾ったことで、3人の奇妙な関係が始まる。ペンに淡い恋心を抱き始めたチャウは、彼女が病に侵され余命わずかということを知る。
スタイリッシュな映像とポップな音楽で、香港映画の新しい表現として、公開当時センセーショナルな話題になり、異例のヒットを記録した。香港電影金像奨(アカデミー賞)でも、作品賞、監督賞、新人俳優賞の3冠を獲得。
フルーツ・チャン監督は、それまで数々の映画現場でスタッフとして働き、この作品が2作目の監督作。その後「香港返還三部作」として、『花火降る夏』(98年)、『リトル・チュン』(00年)を発表。その後も、『ドリアンドリアン』『ハリウッド★ホンコン』『美しい夜、残酷な朝』 などを監督。本作で主演デビューしたサム・リーは、その後香港映画界で活躍。40本以上の作品に出演している。ペンを演じたネイキー・イムは、映画出演はこの1本だけで、その後は服装関係の仕事をしているという。ロンを演じたウェンダース・リーは特撮マンとして映画業界に入り、美術アシスタントなどをしていたところをフルーツ・チャン監督に説得され、本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』ではスクリプターを務めると同時に、俳優デビュー。その後、数本の作品に出演するが、パン・ホーチョン監督との出会いを機に、すべてのパン・ホーチョン作で編集を務める。03年には『我的野蠻男友/My Sassy Boyfriend(日本未公開)』で監督デビューも。
20年ぶりに観たけど、何回も観ていたのに「あれ!こんなストーリーだったっけ?」と、すっかり忘れていた。部分、部分のシーンは覚えていたけど、全体の流れ、細かいところは覚えていなくて、観ながら少しづつ思い出した。印象に残っていたのは、香港のお墓の風景だった。また、ピークに上るトラムの道をサム・リーは登っていった思っていたけど、実際は降りていた。トラムに乗るたびにあのシーンを思い出していたのに勘違いだったとわかった(笑)。
悲劇的な物語の中の輝く青春といった感じで、あのころの香港の街の雰囲気に、そうそうあんな感じだったと、すっかり変わってしまった香港のことを思った。期限切れのフィルムを使っていたので、少し色が変わっていて、青紫色の映像が不思議だったことも思い出した。なつかしいけど新鮮だった(暁)。