監督・脚本:ハン・ジェリム(『観相師―かんそうしー』
出演:チョ・インソン、チョン・ウソン、ペ・ソンウ、リュ・ジュンヨル
木浦(もっぽ)で暮らす喧嘩好きの不良学生パク・テス(チョ・インソン)。暴力的な父が、窃盗で捕まるたびに、検事の前では平身低頭な姿を見て、検事になる決意をする。猛勉強の末、検事となり、金持ちの令嬢と結婚し、一気に富裕層に上り詰める。
新人検事として仕事をこなす中、ある暴行事件で、元国会議員の父のコネで罪をもみ消す卑劣な行為を目の当たりにする。正義感に溢れるテスは、懲役刑に持ち込もうとするが、ソウルの戦略部に推薦する代わりに、暴行事件から手を引いてくれと先輩からほのめかされる。結局、正義よりも出世の道を選んだテスは、戦略部で国家権力との繋がりを強く持つ部長検事ハン・ガンシク(チョン・ウソン)のもとで働くことになる。ガンシクは、目をつけた政財界の大物や芸能人を必ず起訴に持ち込む敏腕検事として恐れられ、派手な生活を謳歌していた。テスもいつかガンシクのような成功者になりたいと野心を燃やす中、大統領選が始まる。戦略部の検事たちは昇進や保身をかけて、支持候補を当選させようと手段選ばず突進する・・・
冒頭、車の中で、「安東(アンドン)の仮面はなぜ笑顔か知ってるか?」と問うチョン・ウソン演じる男。チョ・インソン演じる若い男と、もう一人の男がその理由を聞いているところで交通事故に巻き込まれる。瀕死の状態の脳裏に、様々な政治の舞台やソウルオリンピックなどの光景が走馬灯のように駆け巡る。
1980年から2010年の韓国現代史を背景に、金と権力のために動く検事たちを描いた物語。
楽しそうに悪徳エリート検事を演じるチョン・ウソンですが、悪人にはどうしても見えないイイ男!
チョ・インソンは、ドラマ「バリでの出来事」や映画『卑劣な街』で、ちょっと切れたチンピラ風の男のイメージが強いですが、私が初めて彼を観た『ラブストーリー』で、颯爽と登場した時、チョン・ウソンに雰囲気が似ていると思ったものでした。
「チョ・インソン2009ファンミーティング」を取材した時に、「歌手を夢見ていましたが、『アスファルトの男』のチョン・ウソン先輩を観て、ほんとにカッコイイな、歌手じゃない、俳優だ! と、長い間の夢だった歌手を捨てて俳優になることを夢見るようになりました」と語っていたのを思い出します。
その憧れのチョン・ウソンとの初共演。しかも、チョ・インソンの方がトップに名前の出る主役。どんな思いでいるのかなと、胸の内を聞いてみたいです。(咲)
チョ・インソン2009ファンミーティング
-Thanks a Million〜 感謝を込めて-
http://www.cinemajournal.net/special/2009/joinsung/index.html
2017年/韓国/韓国語/カラー/シネマスコープ/5.1chデジタル
配給:ツイン
公式サイト:http://theking.jp
★2018年3月10日(土)シネマート新宿他、全国順次ロードショー!