2018年02月11日
ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ 原題:THE BIG SICK
監督:マイケル・ショウォルター
脚本:クメイル・ナンジアニ、エミリー・V・ゴードン
出演: クメイル・ナンジアニ、ゾーイ・カザン、 ホリー・ハンター、レイ・ロマノ
パキスタンで生まれ、シカゴで育ったクメイル。アメリカで医師として成功した父からの弁護士になれという期待を裏切って、コメディアンを目指している。コメディアンクラブで、舞台に立つクメイルに野次を飛ばしてきた大学院生のエミリーと意気投合し付き合い始める。一方、パキスタンの伝統を重んじる母親は、同郷の女性と結婚させようと、偶然を装って花嫁候補の女性を何人もクメイルに引き合わせる。ある日、見合いを重ねていることがエミリーにばれてしまい、彼女は去って行く。しばらくして、エミリーは原因不明の病で昏睡状態になってしまう。エミリーの同級生からの知らせで病院に駆けつけるクメイル。病院で会ったエミリーの両親は、別れた経緯を知っていてクメイルに冷たかったが、思わぬ出来事をきっかけに心を開いてくれる。3人で昏睡状態のエミリーを見守る日々が続く。コメディアンになる夢を応援してくれた彼女を思いながら、舞台に立ち続けるクメイル・・・
パキスタン出身で、アメリカで俳優・作家・コメディアンとして活動しているクメイル・ナンジアニ。プロデューサーのジャド・アバトーとバリー・メンデルに知り合ったことから、長年昏睡状態に陥っていた女性と結婚するに至った実話を元に脚本を書くことに。実際に昏睡から覚め、妻となったエミリー・V・ゴードンと共に脚本を執筆。映画化にいたったもの。主人公クメイルは、本人が演じています。
2017年夏、アメリカで5スクリーンから始まった公開が、口コミデ評判が広がり、2600スクリーンまで拡大して大ヒット。
クメイルと愛妻エミリーによる脚本は、第90回アカデミー賞(R)にて脚本賞にノミネートされています。
母親が次々に花嫁候補を、近くまで来たからと家に寄らせたりして、クメイルに会わせます。パキスタンでは、部族によっては、親が相手を決めて、結婚式当日に顔を合わせるというケースが多々あるので、これはまだマシなほう。一応、相手と合わせて、意向を聞くのですから。母親としてみれば、同じ文化で育った嫁をと思う気持ちもわかります。白人女性と結婚した従兄弟が、親戚から総スカンを食ったという言葉も出てきました。
結婚は、好きになった者どうしが、まわりを気にせずしたいものですね。
本作では、舞台に立ったクメイルが、「ISISは国に帰れ」と野次を飛ばされたりもします。理不尽な差別についても、考えさせられます。お互いの違いを認め、共存する社会であってほしいものです。(咲)
2017年/アメリカ/120分/カラー/ビスタ/5.1chデジタル
配給:ギャガ
(c)2017 WHILE YOU WERE COMATOSE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:http://gaga.ne.jp/bigsick/
★2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ 日本橋ほか全国順次ロードショー
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