2018年01月28日
羊の木
監督:吉田大八
原作:山上たつひこ、いがらしみきお
脚本:香川まさひと
撮影:芦澤明子
音楽:山口龍夫
主題歌:ニック・ケイブ・アンド・ザ・バッド・シーズ
出演:錦戸亮(月末一)、木村文乃(石田文)、北村一輝(杉山勝志)、優香(太田理江子)、市川実日子(栗本清美)、水澤紳吾(福元宏喜)、田中泯(大野克美)、松田龍平(宮腰一郎)、中村有志(雨森辰夫)、安藤玉恵(内藤朝子)
過疎化が進み、すっかりさびれてしまった漁港の町・魚深(うおぶか)。市役所職員の月末(つきすえ)は新しく転入してくる男女6人の受け入れ担当になった。まずは町に到着する一人ひとりを迎えに行き、新居へと案内するのだがどうも違和感がぬぐえない。不審に思って上司に尋ねると「国家の極秘プロジェクト」と打ち明けられる。彼らは全員殺人犯、受刑者を仮釈放し人口流出に悩む過疎の町へ送り込もうというのだった。それは限られた者しか知らず、もちろん町民たちは彼らの前科や素性を知らされることはない。
思わぬことに驚愕する月末だったが仕事とあれば拒むわけにもいかず、できるだけ平常心で彼らに接しようと心がける。中でも宅配の仕事についた宮腰一郎と話がはずみ、宮腰は月末の趣味のバンドに興味を持つ。しかし幼馴染の石田文が魚深に戻り、ギターを担当したのが嬉しい月末は、文が宮腰と親しくなっていくのが心配になる。
6人の殺人犯vs気のいい市役所職員。6人は誰もが主役で映画が1本できそうなほど濃いキャラなので、錦戸亮さんの「ひたすら“受け”の芝居」が観られます。気弱で相手を信じたい気持ちと「もしかしたら」と疑う気持ちの間で揺れてしまう錦戸さんに、思わずきゅんとなってしまうファンも多いはず。錦戸さんを振り回す6人それぞれの罪状は公式サイトでお確かめ下さい。
原作者が山上たつひこさん、いがらしみきおさんのお2人。いがらしみきおさんの「かむろば村へ」は『ジヌよさらば 〜かむろば村へ〜』(2015年/松尾スズキ監督/松田龍平主演)として映画化されていますが、山上たつひこさん原作は初めての映画化ではないでしょうか?思いがけない設定のため、善と悪、罪と罰、人との断絶などなど、考えさせられる問題が多々ありますが、隠されている笑いのタネもお楽しみに。(白)
2017年/日本/カラー/ビスタ/126分
配給:アスミック・エース
(C)2018「羊の木」製作委員会 (C)山上たつひこ いがらしみきお/講談社
http://hitsujinoki-movie.com/
★2018年2月3日(土)ロードショー
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