2018年01月21日
星めぐりの町
監督:脚本:黒土三男
出演:小林稔侍(島田勇作)、壇蜜(島田志保)、荒井陽太(木内政美)、神戸浩(五郎)、六平直政(加藤)、平田満(社長)、高島礼子(弥生)
勇作は妻を亡くしてから娘の志保と二人暮らし。一人で早朝から豆腐作りを続け、町の主婦達や料亭に届けている。ある日警察官が亡き妻の遠縁にあたる少年 政美を連れて訪ねてくる。東日本大震災で家族を亡くし、一人残されてしまったのだという。深く傷つき言葉を発せず、誰にも心を開かない政美を、勇作と志保は無理強いせずにそっと見守ることにした。一人で隠れるように食べていた政美はいつしか二人と食卓を囲み、勇作の仕事について来るようになった。政美の傷は少しずつ癒えてきたように見えた。
俳優生活50年余、名脇役 小林稔侍さん76歳の初主演作品。ちょっと不器用で職人肌の昭和のお父さんがよく似合います。娘役の壇蜜さんが車の修理工場勤めで、山道をバイクで走る姿のかっこいいこと。2人の住む家がまた山に抱かれたなんとも風情のある家です。囲炉裏ばたで食べるご飯の美味しそうなこと。
政美役を演じた荒井陽太くんはオーディションで選ばれています。前半セリフがなく、表情と身体で表現しなければなりません。溜めた思いが吐き出される後半までよく頑張っていました。
黒土三男監督は震災当時浦安にお住まいで、液状化で家が半壊。お兄さんお姉さんの住む豊田市に移られたのだそうです。周りの方々の暖かな気遣いや自然に大いに癒され、力づけられたのでしょう。ちょうど政美少年のように。「普通の人の普通の暮らしがかけがえのないもの」とあらためて思った作品。(白)
2017年/日本/カラー/ビスタ/108分
配給:ファントムフィルム
(c)2018 豊田市・映画「星めぐりの町」実行委員会
http://hoshimachi.jp/
★2018年1月20日(土)豊田市先行公開、1月27日(土)より丸の内TOEI他、全国公開
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