2018年01月07日

ジャコメッティ 最後の肖像  英題:Final Portrait

jacomettie.jpg

監督:スタンリー・トゥッチ
出演:ジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー、クレマンス・ポエジー、トニー・シャルーブ、シルヴィー・テステュー

1964年、パリ。ジャコメッティの個展を訪れたアメリカ人の作家で美術評論家のジェイムズ・ロード。友人でもある巨匠ジャコメッティから肖像画のモデルになってほしいと頼まれる。ほんの2日もあれば終わるとの言葉を信じて、アメリカへの帰国便を変更する。翌日、颯爽と墓地を抜けてイポリット=マンドロン通り46番地にあるジャコメッティのアトリエに向かう。ジャコメッティは自宅兼アトリエで、妻アネットと、弟ディエゴと3人で暮らしていた。細長い彫刻や未完成の作品が雑然と置かれたアトリエでさっそくモデルを務めようと座るロード。ところが、愛人カトリーヌが現われ、ジャコメッティはお相手で忙しい。翌日もその翌日も、ジャコメッティの筆はなかなか進まない。いつになったら、肖像画は完成するのか・・・

ロードが絵を覗き込んで、あ〜これでやっと完成だ!と、ほっとするも、あえなく「これじゃダメだ」と、塗りつぶしてしまうジャコメッティ。納得がいかないものは、遺したくない芸術家魂。一方で、愛人がやって来ると、メロメロになって相手をする人間的な面も。黙って見守る妻アネットの心中を思うと、まったく男って〜と呆れます。
ジャコメッティというと、細長い人物の彫刻が思い浮かびますが、絵画や版画も手がけていた芸術家だったことを本作を通じて知りました。

原作は、ジャコメッティが最後に手掛けた肖像画のモデルを務めたロードの回顧録「ジャコメッティの肖像」(みすず書房)。ロードは、ジャコメッティが亡くなって20年後、芸術家としての彼の完璧な伝記を世に送り出しています。二人の信頼関係の賜物でしょう。
1922年にアメリカの上流階級の家庭に生まれたロード。ホモセクシュアルであることを父親に打ち明けたときには精神科にかかれといわれてしまったそうです。1942年、米国陸軍に入隊。Dディ後のパリに駐留していた折、勇気を出してピカソに電話し、その後、ピカソとの長い付き合いが続き、ピカソの伝記も遺しています。2009年、パリで死去。
ピカソとジャコメッティ、二人の芸術家の生涯を後世に知らしめてくれたジェイムズ・ロードという人物にも興味を持ちました。(咲)


2017年/イギリス/90分/シネマスコープ/5.1ch
配給:キノフィルムズ
公式サイト:http://finalportrait.jp
★2018年1月5日(金) よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー




posted by sakiko at 16:31| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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