2017年12月24日
嘘八百
監督:武正晴
脚本:足立紳、今井雅子
撮影:西村博光
音楽:富貴晴美
主題歌:佐藤広大「イチゴイチエ」
出演:中井貴一(小池則夫)、佐々木蔵之介(野田佐輔)、友近(野田康子)、森川葵(大原いまり)、前野朋哉(野田誠治)、堀内敬子(大原陽子)、坂田利夫(よっちゃん)、木下ほうか(土竜のマスター)、塚地武雅(田中四郎)、桂雀々(文化庁文化財部長)、寺田農(絹田昭太郎)、芦屋小雁(樋渡忠康)、近藤正臣(棚橋清一郎)
古物商の小池は娘いまりを連れて大阪堺にやってきた。千利休を生んだこの街で茶器の逸品を探そうというのだ。旧家の跡取りらしい野田佐輔に声をかけると蔵を見せてもらえた。蔵にあったニセモノを掴ませたという古美術店を訪ねるが、店主と鑑定家に軽くあしらわれてしまう。
再び訪ねた野田の蔵の中で利休の譲り状と茶碗を見つけた小池は、国宝級の品なのを口に出さず、まとめて100万円で買い取ることにした。ホクホク喜んだ小池だったが、後でよくできた贋作だったとわかる。いっぱい食わせたつもりが騙されたのはこちらだった。
利休の幻の茶碗を巡る狐と狸の化かしあいのような物語。『100円の恋』(2014年)の監督・脚本コンビに今井雅子さんも加わり、テンポの良い関西弁の会話劇になっています。
中井貴一さん、佐々木蔵之介さんのW主演に、芸達者な助演の皆様がたくさん。キャラの濃い人たちの丁々発止のやりとりが楽しめます。古美術や茶の湯に興味がなくとも、ニセモノができる過程も面白く見られます。罰当たりな人にはちゃんとバチがあたり、こわれかけた家族、せっかくの才能を生かせずにいた人が再生していく物語でもあります。お正月の笑い初めにいかがでしょうか。(白)
2017年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:ギャガ
(C)2018「嘘八百」製作委員会
http://www.ito-kun.jp/
★2018年1月5日(金)ロードショー
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