2017年12月10日

アランフエスの麗しき日々   原題:Les beaux jours d'Aranjuez

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監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
原作:ペーター・ハントケ「アランフエスの麗しき日々 夏のダイアローグ」(論創社)
出演:レダ・カテブ、ソフィー・セミン、イェンス・ハルツ、ニック・ケイヴ

古い家に置かれているジュークボックスから流れてくる昔懐かしい曲。
書斎では、男がタイプに向かっている。
庭先の町を見晴らす木陰には、男と女が座っている。
男が女に初体験のことを聞く。
相手は男じゃなかったと語る女。
子ども時代の話から、男と女の本質の違いなど、とりとめもない会話が続く中、男がアランフエスに行った思い出を語る。
タホ河が流れる小さな町。夏の宮殿があるが、自分が観たかったのは、農夫の家。
でも、それは王宮より手入れが行き届いているもう一つの宮殿にすぎなくて、壁の農夫を描いたフレスコ画から来ている名前とわかった。
板小屋を期待していたのかなとつぶやく男・・・

女性の語る内容が、小難しくて、いかにも部屋でタイプを打っている男が作り出した言葉という感じ。女性の心からの言葉じゃない作り物。彼女がなんとも堅い話をしているのに、男は初体験のことをまた尋ねたりと、なんともかみ合わない会話劇。
そして唐突に語られるアランフエスの思い出。
タイトルからスペインのアランフエスを期待していたら、見事に裏切られました。思い出話に出てくるだけ。
木立ちに囲まれた高台に建つ古い家は、遠くにパリの町が見晴らせる位置にあって、望遠鏡で眺めたときに、パリの高層ビルが連なっているのが、ぼぉ〜っと見えます。
手打ちのタイプライターに、ジュークボックスと、いつの時代?と、くらくら。
そして、唐突にピアノの弾き語りをする男。有名なミュージシャン、ニック・ケイヴ。(すみません、私は知らなかった!)
なんとも不思議な余韻の残る映画。
なにより、男を演じたレダ・カテブが渋いです。
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2016年の東京国際映画祭コンペティション部門で『パリ、ピガール広場』が上映された折に来日したレダ・カテブ(上記写真)にぐっと惹かれました。父親はアルジェリア出身の俳優マレク・エディーヌ。レダ・カテブ自身は1977年フランス・イヴリ=シェル=セーヌ生まれ。
ジャック・オーディアール監督作『預言者』でのジプシー青年ジョルディ役で注目を集めたそうですが、『預言者』では、タハール・ラヒムにしか目がいきませんでした。
そのほか、『愛について、ある土曜日の面会室』『不機嫌なママにメルシィ!』にも出ていたそうなのですが記憶になく・・・ 11月25日から公開されている『永遠のジャンゴ』でも、伝説のジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを素敵に演じていて、ちょっとマイブームのレダ・カテブなのです。(咲)


2016年/フランス・ドイツ・ポルトガル/97分/カラー/DCP
配給:オンリー・ハーツ
公式サイト:http://aranjues.onlyhearts.co.jp/
★2017年12月16日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開



posted by sakiko at 20:00| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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