2017年12月10日

彼女が目覚めるその日まで(原題:Brain on Fire)

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監督・脚本:ジェラルド・バレット
原作:スザンナ・キャハラン「脳に棲む魔物」(KADOKAWA刊)
撮影:ヤーロン・オーバック
音楽:ジョン・パエザーノ
出演:クロエ・グレース・モレッツ(スザンナ・キャハラン)、トーマス・マン(スティーヴン・グリウォルスキ)、リチャード・アーミテージ(トム・キャハラン)、ジェニー・スレイト(マーゴ)、キャリー=アン・モス(ローナ・ナック)

憧れのニューヨーク・ポスト紙に採用されたスザンナは、仕事もスティーヴンとの恋愛も充実、幸せな日々を送っていた。スザンナの両親は離婚していたが、それぞれのパートナーと共にスザンナの誕生日パーティに集まってくれた。そのとき初めて目眩をおこし、体の変調にきづく。そして単独インタビューできることになった大切な日、全く取材を忘れていたスザンナは大失敗をしてしまう。幻聴や幻覚に悩まされ仕事もままならなくなったスザンナは病院で精密検査を受けるが、原因も病名も特定できなかった。医師は次第に悪化し、壊れていくかに見えたスザンナを精神病院へ転院するようにと言う。しかし、両親と恋人のスティーヴンはあきらめずに彼女を見守る。

原作は原因不明の難病に冒された女性記者スザンナ・キャラハンの闘病記「脳に棲む魔物」。先に書いてしまいますが、“抗NMDA受容体自己免疫性脳炎”という病名で、10年ほど前にわかった(概念が確立)したものだそうです。それまでに原因も治療法も不明なまま、悪魔憑きとか狐憑きとか言われていたものも含まれるのかもしれません。映画『エクソシスト』のモデルとなった少年の映像にこの病気の特徴が見られるそうです。映画原題の“Brain on Fire”は「燃える脳」でいいんでしょうか。想像するだけでも辛く凄まじい感じがします。
自分の大切な人がある日突然豹変してしまったら、家族や恋人の嘆きや悲しみはいかばかりでしょう。本人にもわからず、悪化すれば訴えたくとも身体が動かず、声も出せないのです。幸いスザンナ・キャラハンご本人は回復して闘病記を書き、この病気のことをもっと知ってもらうために活動中。本作にもプロデューサーとして参加、役作りにも全面協力しています。同じ16日に公開されるやはり実話をもとにした日本映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(瀬々敬久監督/佐藤猛、土屋太鳳主演)も同じ病気だそうなので、両方見比べるのも良いかも。(白)


2017年/カナダ・アイルランド合作/カラー/シネスコ/89分
配給:KADOKAWA
(C)2016 ON FIRE PRODUCTIONS INC.
http://kanojo-mezame.jp/
★2017年12月16日(土)より角川シネマ有楽町ほか全国公開
posted by shiraishi at 16:55| Comment(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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