2017年12月03日
女の一生(原題:Une vie)
監督・脚本:ステファヌ・ブリゼ
原作:ギイ・ド・モーパッサン
撮影:アントワーヌ・エベルレ
音楽:オリビエ・ボーモン
出演:ジュディット・シュムラ(ジャンヌ)
ジャン=ピエール・ダルッサン(男爵:ジャンヌの父)
ヨランド・モロー(男爵夫人:ジャンヌの母)
スワン・アルロー(ジュリアン)、ニナ・ミュリス(ロザリ)
男爵家のひとり娘、17歳のジャンヌは親の決めた子爵ジュリアンと結婚が決まった。何不自由ない暮らし、仲睦まじい若夫婦…幸せな人生を送るはずだったが、女中のロザリがジュリアンの子を宿していることがわかった。乳姉妹だったロザリが自分の夫と密通していたと知り、ジャンヌは深く傷つく。ロザリが出て行き、ジュリアンは許しを乞い、元のさやに戻るがジュリアンの浮気はそれからも重なった。愛する母が死に、一人息子ポールは溺愛が過ぎたか、ジャンヌの期待を悉く裏切っていく。
修道院で教育を受けてきた清純な10代から数十年に渡り、運命に翻弄され続けた女性の一生。女性が主体的に生き方を選べなかった時代ではありますが、それにしても不幸の種は昔も今も変わりません。
原作の「女の一生」は1883年、モーパッサン33歳のときの作品です。Wikipediaによると両親が不仲で離婚し、母親に育てられた人だそうですが、苦難の多い女性の物語なので、もっと年取った作家の著作だと思っていました。そんなに若いときの作品だったと今回初めて知りました。20代から作家の道に進みましたが、先天性梅毒を病み苦しんだようです。43歳で没するまでに長編6作のほか、多くの中・短篇を残しています。波乱の人生だったんですね。監督・脚本は『母の身終い』『ティエリー・トグルドーの憂鬱』のステファヌ・ブリュゼ。3度目のタッグとなる撮影監督のアントワーヌ・エベルレの映像が美しいです。(白)
2016年/フランス/カラー/スタンダード/119分
配給:ドマ、ミモザフィルムズ
(C)TS PRODUCTIONS (PHOTO MICHAEL CROTTO)-AFFICHE NUITDECHINE
http://womanslife.jp/
★2017年12月9日(土)より岩波ホールほか全国順次公開
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