2017年11月26日
光
監督・脚本:大森立嗣
原作:三浦しをん「光」(集英社文庫刊)
撮影:槇憲治
音楽:ジェフ・ミルズ
出演:井浦新(黒川信之)、瑛太(黒川輔)、長谷川京子(篠浦未喜/中井美花)、橋本マナミ(黒川南海子)、梅沢昌代(山内)、福崎那由他(14歳の信之)、紅甘(14歳の美花)、早坂ひらら(黒川椿)、南果歩(小野)、平田満(洋一)
小さな離島に住む中学生の信之には幼馴染の美花が全てだった。小学生の輔(たすく)は酒乱の父親から虐待を受けていて、いつも信之にまとわりついている。美花が泊り客の男に乱暴されているのを見た信之は、美花を助けようとして男を殺してしまう。その後島は津波に襲われ、高台にいた信之と美花、輔の3人は茫然と村が流されていく様を見る。
家族を亡くしたが、罪も消えてしまったかに思えた。25年後、信之は結婚して穏やかに暮らし、美花は憧れの女優になっていた。ある日、信之の前にかつての罪を知る輔が現れる。
「まほろ駅前」シリーズの三浦しをん著作なので、わーいとばかりに手に取って読み始めたら、つ、辛い小説でした。みんなが別の方向へ向いていて、彼らの執着とも言えそうな愛情は空しく地に落ちて相手に届かず、自分の心も満たされることがありません。ストーリーは重いのですが、演じる役者さんが素晴らしく、ぐいぐいと引き込まれます。
美花への思いと闇を抱えて生きる信之は井浦新さん。無表情に暴力を振るう場面が怖い。『まほろ駅前』では傷ついた心を表に出さず寡黙に生きる多田役だった瑛太さんが、本作では精一杯虚勢を張っている大人の輔を演じています。そんな輔が実父の出現で、虐待されていた頃の幼い子供に戻ってしまう落差を見せて印象的でした。(白)
2017年/日本/カラー/137分/R15+
配給:ファントム・フィルム
(C)三浦しをん/集英社・(C)2017「光」製作委員会 HI-KA-RI.co
http://hi-ka-ri.com/
★2017年11月25日(土)より新宿武蔵野館、有楽町スバル座ほか全国ロードショー
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